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殺鬼道  作者: 明 治
13/25

参ノ道ー花ー②

結局、立花が案内することになった。

どうやらジャンケンで決めたようだった。

あそこまでマジなジャンケンは初めて見た。

何より負けた久津和が気持ち悪かった。

身長2メートルの巨漢が女々しく泣いているのである。


「うおおお!ちくしょーーー!」


そこまでガチで泣かなくても良いと思うんだけど・・・。


「じゃあ行こうぜ!夢っち!」


「あ、うん・・・」


紲は立花に手を引かれ教室をでた。


久津和のことが若干気になるが、すぐに立ち直るだろう。


たぶん・・・。


ーーー


ところ変わって屋上。

移動中何故かずっと立花に抱きつかれていた。

後ろから。

身長差があるので首に手が巻き付けられていた。

恥ずかしくは無かったが、首に手を掛けられるというのはあまり心地良いものではない。


移動中に聞いた話だが彼女の名前は立花絆たちばなきずなというらしかった。

自分と同じ意味の名前に若干親近感がわいた。


「俺さ、こっからの景色が嫌いなんだよ」


立花は唐突にそう言った。

その言葉は、あまりにも唐突で、あまりに自然だった。

ともすれば聞き逃してしまいそうな言葉だった。


しかし、ここでの“嫌い”という言葉には多少なりとも違和感があった。


嫌い。


好きではなく嫌い。


確かに、見渡す限り家ばかりで、つまらない風景ではある。

ただ、嫌いにはなりきれない哀愁のようなものを、そこには感じた。


「こういう、いかにも日常っていう雰囲気が俺は嫌いなんだよ・・・」


そう言った彼女の横顔は、どこか悲しそうな顔をしていた。

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