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殺鬼道  作者: 明 治
11/25

弐ノ道ー和ー④

最初に言っておくが、紲は久津和に勝ったことはおろか、戦ったことすらない。

そもそも紲は空手の形で大会に出場していた。

組手で出場していた久津和とはどうやっても戦いようが無い。


「違う違う、俺の言い方が悪かった。”俺が唯一負けたと思った奴”だ。お前の形は難易度は低かったが一つ一つににキレがあった。立ち姿はまるで巨木のようだった。それでいて動きは柳のようにしなやか。頭のテッペンから指先、足の爪先まで洗練され完成されていた」


久津和は興奮しているらしく目が血走っていて若干鼻息が荒い。

はっきり言って気持ち悪い。


「お前を例えるなら・・・そうっ!刀だ!何千回何万回と打たれた一振りの・・・」

「もういい!」


さっきから黙って聞いていれば、人を巨木だの柳だの刀だの。

別に嫌ってわけじゃない。

ただ、ちょっと・・・いや、かなり恥ずかしい。


「なんかすまん。俺ばっか喋っちまって・・・。でも、これだけは言わせてくれ、俺はお前のファンなんだよ」


ここでお前のことが好きだとか言われていたら、紲もさすがに嫌悪の色をその顔に出していたかもしれない。

しかし、ファンだと言われて喜ぶ紲でも無い。

だからこういったシチュエーションでは対応に困ってしまうのだ。

なのでこういった場合に紲がとる行動は・・・


「アハハ・・・ありがとう」


圧倒的笑顔と圧倒的感謝。


ではなく。


愛想笑いとその気のない感謝。

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