出会い、再び
あれは高校の時だった。
初めて女の子を可愛いと思った日だ。
昔から可愛い顔をしていた。
幼い頃に誘拐されそうになったり、学校のショタコン女教師。
その他にもいるのだが思い出すだけでゾッとする。
兎に角、顔が整ったいたせいで色々なことがあったのだ。
高校に入ってからは身長は少し伸び声だって低くなった。
しかし、顔だけはなぜか可愛いままであった。
今では、可愛いの面影もないのだが、その時は俺にとって深刻な悩みであった。
昼休みにもクラスメイトが誘ってくるので、とても面倒くさく、クラスにいるのが苦痛であった。
ある日、いつものように人気のない廊下を歩いていた。
静かな廊下は少し不思議な雰囲気があり怖かったということを覚えている。
屋上に繋がる階段の前で誰かが蹲っているのが見えた。
スカートを履いているので女子だろう。
その子は小さな手で乱暴に目元を拭っていた。
泣いているのかなと思い、近付いてみた。
女の子は気づいていないらしい。
大丈夫かと声をかけるとこっちを向いた。
幼い顔立ちに腰まで届く真っ黒な黒髪。少し長い前髪に隠されたくりっとした大きな目は少し腫れている。
泣いていたのかもしれない。
そう思い、ポケットから飴をだしいるかと聞くと、その子はコクっと可愛らしく頭を振った。
なんだろうかこの気持ちは。
小動物みたいで可愛らしく、撫でたい気持ちになる。
女の子は飴を口に入れコロコロと舐めながら俺の方を見てくる。
ジロジロと見られるとなんだか恥ずかしいが、その子の目がこちらを見ているのが嬉しい。
なんだか温かい気持ちになる。
そういえば、なんで彼女は泣いていたのだろうか?
恋人とかのだろうか?
他の男を想って泣いているのかと思うと黒い気持ちが湧き出る。
なんだろうか?
彼女は口を開き、名前を聞いてきたので、意地悪で秘密なんて言ってしまった。
彼女は学年を聞いてきたので、それは正直に2年生だと答えた。
驚いたように目を丸くさせる彼女は可愛らしかった。
どうやら彼女は3年だったようだ。
小柄なせいか全然わからないかった。
彼女の名前は篠坂だと言っていた。
下の名前は聞けなかったが彼女の名前を知れてとても嬉しかった。
しかし、すぐに彼女は小走りで自分のクラスに帰ってしまい俺はまた会えないかななんて思っていた。
二回目にあったのは卒業だった。
長い髪をバサリと切り胸の下らへんになっていた。
周りがグスグス泣いている中、1人、スタスタと家に帰ってしまい下の名前を聞き忘れてしまった。
それから彼女のいない学校で味気ない学生生活を送っていた。
三年生になると164だった身長は父よりも大きくなり180ちょっとになった。
顔もあんなに可愛かったのかが嘘のように甘いマスクのイケメンになっていた。
チャラそうな顔は父にそっくりで少し泣きそうになった。
それからはモテにモテたのだが、どうしても彼女を探してしまう。
いつものように彼女と少し似たような部分がある女を連れて休みの街中を歩いていた