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6、体を前後に曲げる運動をして、悪役令嬢は婚約者を困惑させる

何故私は、イケメンと二人で校舎を回っているのだろうか。


恋する乙女達の禍々しい殺気で、物理的に圧し潰されそうじゃよ。


私強いはずだよね??


なんで死にそうになってんの??



さかのぼる事五分前。



学園に着くと、見覚えの無い金髪のイケメンが私に近寄って来た。



「婚約者なのですから、私が校内を案内しましょう」


とその爽やかイケメンが微笑みながら言った。


うん、どちら様ですか?


背景にキラキラのエフェクトがかかるような知り合い、記憶にございませんよ?


「お嬢様の婚約者、ジョワロフ・ダンドリュー様ですよ」


気配を断っていたセバスチャンが小さな声で教えてくれた。


「ああ、死亡フラグですか!」


「ヴィクトリー嬢?」


「いえ、なんでもありませんわ」


思い出したよ!

私の婚約者、ジョワロフ・ダンドリュー。

見た目優しげ中身Sの鬼畜。


今の所、私の一番の死亡フラグ。


やばい、まじやばい。


ど、どどどうしよう!!


1、全力で逃げる


2、さり気なく逃げる




「お嬢様をお願いいたします」


「ああ、心得た」



3、セバスチャンに売られる



え、確定っすか?


「それでは、行きましょう」


微笑みながら私に手を差し伸べる、ジョワロフ君。


「……あい」




ああっ、ノーと言えないイエスマンの馬鹿!!




そして今に至る。


「ヴィクトリー、どうかしましたか?」


どうかしたも何も、貴方のファンの熱いラブコールに死にそうなだけですよ。


「な、なんでもありませんわ」


無理矢理に笑顔を作る私にジョワロフは言った。


「そうですか、無理をしないで下さいね」


そしてさり気なく私を支える。


よ、このイッケメーン! キミの行動により乙女達の殺気が更に重さを増したよ!!


体に穴開くうぅぅぅ……



目の前から歩いてくる可愛らしいお嬢様の集団も、私を睨みつけています。


思わずぺこぺこしちゃう私を、不思議そうに見てくるジョワロフ。


いや、ね? これは反射なんで。


私の方が多分、さっきのご令嬢より位が高いからしなくても良いとは思うけどね。



「ヴィクトリー、ベンチがありますから。少し休みましょう」


「……はい」


「疲れましたよね、気を使えなくてすみません。僕の所為ですね」


「いいえ、そんな事はありませんわ。私こそ申し訳ありません」


そう言って私は深く、頭を下げた。




ジョワロフ君よ、私はキミに気を使われるようなお嬢様ではないのだよ。


中身は、ただの平民なのだ。


具合が悪いのは、殺気と締め過ぎたコルセット、そして前世の記憶の所為なのだ。


君はまだ、私に何もしてないの。

だから、謝らないで。



私をベンチに座らせたジョワロフは心配そうだ。


「ヴィクトリー、大丈夫ですか?」


「……ええ」


「医務室まで、運びましょうか?」


ジョワロフ、その言葉は死亡フラグです。


「大丈夫ですっ!!! 私、元気です!!」


「ですが……」


「ぜんっぜん、気にしなくてだいじょぶですからね! 間違ってもしないで下さい!!」



攻略対象者が運ぶ=お姫様抱っこ


つまり、羞恥プレイ。


全力で拒否りますぅぅぅぅぅううぅぅぅ!!



「顔色が悪いですし……」


眉を下げ、私の顔を覗き込むジョワロフ。


くっ、妙に食い下がってくるなぁ。


しかも私が悪いみたくなってる。


ヤバいこのままじゃ、流される!


誰か、ヘルプミィ!!







忘れては居ませんよ!

ただただ、ネタが無かっただけですけん!!

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