5、体を横に曲げ運動しても、悪役令嬢はコルセットから逃げられない
今日が私の誕生日そして死亡フラグ学校の入学式でーーーす。
覚悟を決めたはずですが、無理でした。
よく考えたら最初に行きたくないって言えば良かった。
しかし、嫌とはいえない中身日本人の私は悩みに悩んで、脱走する事にしました。
あんなに輝いている父親にNOと言うぐらいなら逃げよう、そうしよう。
思い立ったが吉日と、宝石を掴んで袋に詰め込む私。
今世の父&母には申し訳ないが、死にたくないんです。
私の装飾品だけですから許してね。
手当り次第に詰め込み、袋を担いだ私は立ち上がる。
いざ、死亡フラグとコルセット束縛から解放される時じゃ。
「よし、行こう」
「どこに行く気ですか、逃がしませんよ」
「のぐはっ」
洗練された手さばきで私を担ぎ上げたのは、セバスチャン……何故ここにいるのだセバスチャーン。
「奥様のご命令です」
何所へ連れて行くのだ!!
「はーなーせー」
どんなに私が暴れてもびくともせず歩くセバスチャン。
おかしいな、私かなり強いよね?
「うぉりゃぁぁぁぁあ!!!!」
「……」
全力で暴れてみてもびくともしないぞ。
あんたは神か、それともラジオ体操が思ってたより性能わるいのか。
そんな事を考えていると、扉の前に着いた。
「さっさと着替えやがれ」
必要最低限の礼儀も忘れたセバスチャンが扉の中に私を放り込む。
中にいたのはメイド達。
「お嬢様を頼みましたよ」
「はい、お嬢様は受け取りました」
「連行お疲れさまです」
「後はお任せくださいませ」
これは……強制お着替えコルセットだ。
「ちょっと待ってよ、解放の旅が!」
「「「黙ってろ!!」」」
「……はい」
ツルツルのクルクルのビラビラにされました。
もち、コルセット付きです。
その姿はまごうことなく、縦巻きロール悪役令嬢でございます。
「はぁ、なんとか見られるようになりましたね」
ため息を附くA子さん、なにげにどころでなく失礼です。
「まるでお人形さんみたいです!」
B子さん目をキラキラさせていますが、それ褒め言葉じゃなく頭空っぽって意味じゃござりませんこと?
「空っぽだなんて、その通りです!!」
C子は正直でよろしくないよ。
「学校では馬鹿だとバレないように喋らないで下さいね」
セバスチャンまで小馬鹿にしたように笑うし!!
「そこまで馬鹿じゃありませんよーだ!!」
はい、あんな事言ってた私が馬鹿でした。
ただ今、絶賛フラグ回収中です。
「ヴィクトリー、どうかしましたか?」
「な、なんでもありませんわ」
「そうですか」
婚約者に校舎を案内されてます。
いつの間に(予定)じゃなくなったんでしょうか……
誰か今北産業ーー!!
ネタが無くなったので一時お休みします……