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12、腕を振って足を曲げ伸ばして、悪役令嬢は思考を放棄する


私は珍しい物をみた。



その名も荒ぶるセバスチャン。


部屋の中を歩き回ったかと思えば、机と扉だったものを拳で叩いたり。


そうかと思えば頭を抱えてしゃがみ込んだり。


「あのーセバスチャン?」


「うぇぇぇぇ、うそだろ!!!! いや……そうなのか?……マジなのか?」


私の声も聞こえず奇声を上げたり。


キャラ崩壊してるぞセバスチャン、san値大丈夫か?



仕方がないので一時間ほど生暖かい目で見ているとようやく正気に戻ったらしい。


乱れた頭髪を手櫛で整え、私に向かって頭を下げる。


「一介の執事の私に、三つ質問する事をお許し頂けますでしょうか」


セバスチャンが執事対応なので私は令嬢対応をすることにした。


「許すわ」


では、とセバスチャンは言葉を繋げた。


「お嬢様、先ほど扉を破壊されていませんでしたか?」


「ええ」


「机の方も壊れているとお見受けしますが」


「そうね」


「……私が感じた闘気は、もしやお嬢様ですか?」



「闘気出てたんだ、というか分かるんだ」



執事って闘気感じれるのがデフォルトなのね、知らなかった。


そんな私の言葉にセバスチャンは何故か目頭を押さえ、こう言った。


「なんでこうなったか、話して下さい」


ん?何を話せばいいのかな?


多分破壊力をどうやって手に入れたか訊かれてると思うんだけど


それにはまず、謎のレベルアップと、ラジオ体操の説明と、何故ラジオ体操を始めたかの理由と、その理由死亡フラグについての説明と乙女ゲームと……


頭の中でどうしようか悩んでいるとセバスチャンが脅してくる。


「さあ、きりきり喋って下さい。でないと旦那様に言いつけますよ」


「ちょ、ちょっと待って!」



えーっとえーっとえーっと、えーーーーーっとぉぉぉぉ。


「お、嬢、さま!??」


……もうこいつに全部言ってしまおうそうしよう。







全てを聞いたセバスチャンの最初の一言は


「つまり、お嬢様は救い用のないバカだと言う事ですね」


だった。



夜も遅いでもう寝て下さいとベッドに押し込められた。


まぁ、明日もあるししかたないね。


お布団が気持ちいいからしかたないね。


私は睡魔に負け、思考を手放した。

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