最強系主人公が嫌われる理由とは何だろうと考えます
今回は『小説家になろう』において、最も多くの割合を占めるであろうジャンル、『チート』について話そうと思う。
とある作品の感想で、『良い点』として『チートではないこと』が挙げられていたから書くことにした。
先に言っておくが、作者はチート系の作品を批判するつもりは無いし、チート系の作品を批判する人を批判するつもりも無いと言う事を、しっかりと認識しておいて欲しい。
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自己紹介
「はぁ…今回は『チート』に関する話だそうだから、とうとう僕の出番になっちゃったみたいだね。まいったよ全く。さて、どうでもいいだろうけど、僕の名前は『五十嵐和也』。僭越ながら、作者の書いてる別作品のキャラクターでもあるんだ。作品内では、『一、二を争う程の実力者』って事になってるけど…まあ、その話題はまた今度にしておこうか。余計なセリフを話してしまったよ。こういう無駄なところはキチンと省けるようになりたいんだけどね。もともと僕は話すのはあまり好きじゃないんだ。話すと疲れるからね。それでもこうしてペラペラと話をしてしまうのは、『面倒な事が嫌い』な僕にとっては、あまり喜ばしい事じゃないんだよ。僕がお喋りだと勘違いされるのは不愉快極まりないからね。そう言えば、僕のセリフがあまりにも長いから、作者は重要そうなセリフには『~』を使っているようだね。それもまた面倒だ。でもまあ、僕はそれでもいいと思っているよ。読者が読みやすいように、工夫を施すのは何も悪い事じゃあない。それが上手くいくかどうかは別として、だ。自己紹介だけでここまで文字数を使うことになるとは、僕としても驚きだよ」
前置き
「さて、サイト内で誰もが目にしたことのあるであろう『チート主人公』。チートは直訳すれば「ズル」あるいは「騙す」という意味の英単語であるため、厳密に言えばチートと言う表現は正しくないようにも見えるね。『主人公最強』や、『俺TUEEEEE』のほうが適切だと言えるだろう。さて、『主人公が反則的に強い』作品が、どうして人気があるのか。作者の主観的な意見を多分に交えながら、じっくりと考察していこうじゃないか」
本題1
「チート主人公の長所と言えば、最初に思いつくのは、圧倒的な力を見せつける事による『爽快感』『優越感』じゃないかと思うんだよ。もちろん、それだけじゃないのは分かっているし、『別に爽快感は感じない』という人もいるかもしれないね。くどいようだが、主観的な意見ではさすがに限界があるという事も、ちゃんと理解はしておいて欲しいんだよ。…おっと、話が逸れたね。他に長所と言えば、主人公の圧倒的な力に惹かれて、『大勢の女の子が寄って来る』って事ぐらいかな?」
反論1
「読者の中には、チートを嫌う人もいる。当たり前だ、感性は人それぞれなんだから。では、なぜその人たちはチートを嫌うのだろう?チートの短所とは何だろう?単に、『ズルだから』という答えでは面白くないよね。なぜ、ズルが嫌われるのかを考えなくてはいけないんだから。いや、ズルが嫌われるのは当然かもしれない。ルールを守らないというのは、それだけで周囲に迷惑をかけるんだからね。話を戻そうか。僕は思うんだよ、『チート主人公の短所』ってなんだろう?ってね。ところで話は変わるが、バトル物で一番重要な要素って何だと思う?『主人公の能力』?『可愛いヒロイン』?『引き込まれるような世界観』?いいや、バトル物で、一番大切なものは『魅力的な敵キャラ』だよ。敵が存在することで、初めて戦いは成り立つんだ。しかし、『チート』になってしまえば、『魅力的な敵キャラ』は書けなくなる。主人公が戦いを始める度に、読者は思うんだ。『ああ、どうせ勝つんだろうなぁ』。諦めにも似た感情だろうね。主人公は簡単に敵を倒す。必然的に敵キャラは使い捨てにされる。そうなると、読者は次第にこう思うんだ。『見ていてもつまらないな』と」
手に汗握る戦い
「確かに、主人公は勝つものだ。圧倒的な力の差が有ろうと、不利な条件で戦いが始まっても、どんな絶望的な戦いだろうと、主人公は勝つものだ。だって、『主人公だから』。でもね、それは『主人公が最強だから』勝つんじゃないんだよ。飽くまでも、『主人公だから』勝つんだよ」
どっちが正解?
「主人公が最強というのは、どんな物語でも良くあることだ。何もおかしい事じゃない。でもね、このサイトで見かける『主人公最強』というのは、『主人公だから最強』という事じゃないんだよ。『最強だから主人公』、という事になっているんだよ。最強であることを重視しすぎて、主人公らしさが抜けているんだよ。だから僕は言わせてもらおう。『最強なだけでは、主人公にはなれない』」
まとめ
「さて、『主人公最強』をさんざん批判してやったけど、逆に言えば、上の欠点を改善している作品は面白い、という事になるかもしれないね。もしくは、『主人公最強』というのはただのオマケで、コメディーや恋愛を重視しているならば、これもまた問題は無いだろう。チートという要素を、どこまで上手く扱えるかどうかで、その作品の良し悪しは大きく変わってくるだろうね。全く、余計な仕事を請け負ってしまったよ。ああ、面倒くさい。もう疲れたよ、僕はそろそろ寝るとしよう」