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六回目。依頼開始。

こんばんわ。


駄文ですがよろしくお願いします

六回目







「ふぁー………あれ?」




窓から挿し込む光が直に当たっている為に目が覚めてしまった。


まだ時間としては早朝だろうし起きるには少し早いくらいだ。


固まった身体を解そうと伸びをしたのだが身体が異常なまでに重い。


ソファーで寝たせいなのだろうかと思ったが気怠いとかではなく純粋に重いんだなこれは。


まぁそれもそのはずだろう…俺の上でメルが抱き着いて寝ているのだから。


お姉さんじゃなかったのかよ!とか思ったが口には出さない。


まだ寝ているようなので起こさないように抜け出したいのだが…ガッチリと腰の少し上辺りを掴まれているせいで何もできない。


蝙蝠にでもなって抜け出してやろうかと思ったが、あんなことしたらバサバサと羽の音で起きてしまうと思うのでやめた。


結局しばらく可愛い寝顔を眺めてから二度寝をすることにした。


お休みなさい…



_____



「ソーマ!朝だよー!起きてー!」


「んー」


「起きないと…キス…しちゃうぞ?」


「あ、起きます起きます」




よく分からないが何かを察したんだろうな。


すんなりと起きたらメルがものすごい勢いで不機嫌そうな顔になった。


というかもうこれはマジで切れる五秒前ってやつか?




「あーおはようメル」


「お は よ う ソーマ!…ふんっ」




おぉぅもうこれはイカン…よく分からないが起きる前に察したのがいけなかったのかなぁ…


だって昨日みたいにサンダーブレイクとかされて激痛の中で目覚めるとか嫌だし。




「えっとなんかゴメンなメル。俺寝てる時になんかした?」


「別に?何もしてないわよ?な に も」




とりあえず何もしてないらしいので俺がされる側だったのは間違いない。


って事はやっぱりアレか…サンダーブレイクの刑が執行できなくて不機嫌なのかそうなのか!?


そんな理不尽な訳がないよなそうだよな?


朝からあんなものを食らうのはいくらなんでも勘弁して欲しい。




「ほんとに何もしてないのかもしれないけど悪いな」




とりあえず頭を撫でておくことにした。


メルの頭はもの凄く撫でた時の感触が流れるような感じでとてもいい。


金色に光る長い髪は指を通しても手に掛かることなくサラサラと流れていく。


調子に乗って長い耳も撫でていたら艶かしい声を漏らしはじめたのでちょっと俺が危なかった。


もういいかな?と思って撫で終える頃には顔は真っ赤になって耳はピコピコと動いていたので機嫌は戻っただろう。




「わたしの方がお姉さんなのに…ばか」




とか言われたけれどそんなふやけたような顔で言われたらもっとしたくなっちゃうだろ!


まぁ何時までもそんな事をしている場合では無いので旅支度を済ませ朝食を取り、依頼を達成すべくトゥルティ山湖へと向かうべく王都を後にした。


トゥルティ山湖は王都から見ると南西の方角に位置している。


大体徒歩で向かえば6時間程だろうか?


俺の旅は残念な事に自分の足で歩いて行くタイプだ。


馬車とか移動用マジックアイテムが有るにはあるんだけど…そういった便利な物はやはり高い。


夜とかなら翼だけ出して飛んで行ったり、魔獣に乗せてもらったりとか出来るけどメルは絶対に嫌がるだろうしな。


実際に提案してみたのだが…




「あんな穢らわしい生き物に乗るなんて私には無理!きっと乗っているうちに首を斬り落としちゃうわ!あ、でもソーマが私を抱えて飛んでくれるなら別よ?お姫様抱っこで私を空の彼方に…」




とかメルが言い出して収集が付かなくなりそうだったから、仕方無いのでちゃんと歩いて行くことにした。


王都の周辺は街道がしっかりと出来上がっている為比較的通行量も多く安全だ。


周りも草原が広がっているので見晴らしも良く、大して強い魔物も出現しない。


どちらかというと夜に出現する盗賊の方がよっぽど迷惑だと思うね。


そして王都がかなり小さく見えるくらいまで南へ一直線に歩くとやっと分かれ道となる。


さらにここから更に西へと進んでいくのだ。


何だかんだで山湖近くの野営地へと着いたのは夕刻前だ。


やっぱり飛んでくるか乗せてもらえば良かったなとか思うけど口にはしない。




「や…やっとついたー」


「お疲れ様、とりあえずテント建てとくから木陰で休んでて良いよ」


「ありがとう…ちょっとお言葉に甘えさせてもらうね」




まぁ俺でも結構キツかったしメルには拷問みたいなものだよな。


他の冒険者もチラホラといるが大層なものではないので一人で組み立てた。


そんな事をしていると日も落ちてきてあたりが闇にまれる。


光源となるのは月か目の前にある焚き火ぐらいだ。


ランタンもあるが必要ない…というか光源とか必要ない。


だって僕は常闇の王であるヴァンパイアなんですから夜だって普通に見えますよ!




「あー晩御飯だけど適当でいいメル?食べれないものとかないよね?」


「特に無いわ。狩りに行くなら私も行きましょうか?」


「いやぁー夜はホームだしサクッと行ってくるよ。じゃあ少しお待ちを」




俺は黒い外套を翻し深い森の闇の中へと消えた。


正直、意気揚々と森に入ったがここでの狩りによる食糧の調達はめんどくさい。


森の中を歩きながら獲物を探すがいっこうに見当たらないからだ。


いくら夜目が利くといってもここまで木々が生い茂って草の丈が腰ぐらいまであると面倒な事この上ないですよ。


何で山湖周辺の森のくせにこんなに生き物が少ないんだよ。


心の中で愚痴を飛ばしていると生臭い臭いが漂ってきた…これは間違いない。




「女の血の匂いだな…しかもまだ新しい…」




臭いを辿り音を出来るだけ立てないように森の中を疾走する。


元いた場所から200m程逸れたところにソレは転がっていた。


頭は潰れ、腹は裂かれたのであろう…内臓が飛び出して食いちぎられている部分がチラホラとある。


肢体も左足以外は残っていない…なかなかに無惨な遺体だ。


悲鳴は聞こえなかったがついさっきこうなったのは明らかだろう。


そうなると…まだ居る!




「血の匂い…薄いが3匹か…来いっ!」




腰につけた愛用の"カドラ"を両手に取ると同時に左右方向から狼に良く似た魔獣が飛び出してきた。


低級の低級魔獣の"ナイトウルフ"


言ってしまえばただの狼よりちょっと強いくらいがいいとこの魔獣だ。


因みに俺の使う銃剣はちょっと変わったタイプ。


銃本体はリボルバータイプの魔弾を撃ち出すものだから装弾等の作業は要らない。


銃身は何が施されているのか分からないがとんでもなく堅いし銃弾は魔力の尽きるまで永遠と撃ち出せる。


そして剣の部分なんだが…銃身の上部が刃となっている。


ソレが左右対になって二丁。


なので銃を構える際は逆手に持ってトンファーの様に構える。


それじゃあ銃剣じゃなくて"銃拳"だって?刃が付いてるんだから良いんだよ。


左右の腕を振るい両側から飛び込んで来たナイトウルフの首元にカドラを叩きける。




「まずは二匹…オェまっず…後はお前だけだぞ」




力が入り過ぎてしまったのか左右のナイトウルフは…はじけしまった。


カドラを振るって血を払い、口元についた血を舐め取りつつそう言うと残った一匹が出てきた。


そしてそのまま服従のポーズを取るナイトウルフ。


あーちょっと力出し過ぎてヴァンパイアっていうの分かっちゃったかなこれ…いや、血を舐め取った時かな?


まぁこういう事はよくあるのでむしろ現状だとありがたい。




「あのさ、なんか食料取ってきてくれない?人間以外で」


「ウォン!」




元気よく吼えると何処かに走り去って行った。


まぁ暫くすれば帰ってくるだろうしここで待っておくか。


因みにヴァンパイアって分かると魔獣は殆ど逆らわなくなるっていうか服従の姿勢を取る。


まぁ魔獣に限った事じゃないんだけど…だから討伐依頼はそういう関連のものはあまり受けない。


以前受けた時はやる前から服従の姿勢を取られてしまいあまりに可哀想だったので移住してもらう事で解決したこともある。


無抵抗なのに殺しちゃうとか可哀想だしね。


そう時間も経たないうちにナイトウルフが戻ってきた。


口には子鹿を咥えている。




「よし、ありがとう。じゃあ良いけど野営地は来たらダメだぞ?俺が居るからな」


「ウォン!」




よし、晩御飯も手に入れたしさっさとメルの所に戻りましょうかね。


その後帰った時に血塗れになっていて何があったのかとメルに凄く心配された。


…一旦湖で血を洗い流しておけば良かった。



_____



次の日、早朝から俺達は山湖の周辺をウロウロとしていた。


もちろん昨日血塗れになった服を洗うのと水浴びをしたいとメルが言ったためだ。


トゥルティ山の麓にあるこの湖は割とデカイ。


大きさで言えばかの有名な◯琶湖ぐらいあるのでは無いだろうか?


とりあえず歩いて一周するにはそれなりに根性が必要だ。


そして水は底が見えるほど澄んでいる。


なので生き物が多く、それを狙って大型の生物が住み着く。


そうするとギルドに討伐依頼が舞い込む…良い食物連鎖だ!




「あー気持ちいいねーソーマ」


「メルお前さ…普通はもうちょっと恥じらいとかあるものじゃない?あっちの方で水浴びをするから覗かないでよね!とか」


「だって今はソーマ以外にいないし関係ないわよ。あ、もしかして…奴隷の裸を見て興奮しちゃったのかしらご主人様ぁ?」


「………ふっ」


「ちょっと今鼻で笑ったでしょ!?どういうことよ!」




だってなぁ…確かにメルよ、お前の身体付きはどう見てもエロい。


出るとこでて引っ込むところは綺麗に引っ込んでいるからな。


だけどな…俺はそんなのは求めていない!寸胴最高っ!ひんぬーこそが至高なんだ!


とは口が裂けても言えない。


どこぞの変態紳士達と一緒にされてはこまるからな。




「じーっ」


「まぁエロいし興奮するしそそられるけど今はダメだろ?とりあえず上がりなよ」


「ふわっ!?も、もうソーマったら…ブクブク」




メルはやっぱり直接な表現に弱いらしいな。


メルに服を渡し後ろを向く。


ちょうどすぐ後ろは森なので適当に見回しいたら動物達が忙しなく動いていた。


鳥は何処かに逃げるようにして飛び去っていくし少し湖の水辺の奥の方にいた鹿なども走って俺たちのいる場所から離れていっている。


それをじっと眺めていると茂みから昨日のと思われるナイトウルフが飛び出してきた。


俺の前まで来て服従の姿勢を取る。




「ナイトウルフ?ソーマ一体何したの?」


「昨日こいつに食料獲ってきてもらったんだよ。今日はどうした?」




訪ねかけるとナイトウルフは森の方をジッと見てから吼えて俺たちの方を見る。




「何かが…来るのか?ソイツはもしかしてデカい?」


「ウォン!」


「そうか分かった。ありがとうな…先に逃げな。メル!臨戦態勢取るんだ来るぞ!」




ナイトウルフが去り、俺達が態勢を整えると目視で分かるぐらい大きな何かが真っ直ぐこちらに向かってきている。


だけどこの大きさは…ギガマンティスなんて比じゃないぞ!?


ドスドスと地面を揺らすような音を立てて歩いて来るソレはギガマンティスのおよそ三倍。


全長は6m近い巨大な蟷螂で甲殻の堅さは鋼鉄に匹敵するクラスだ。


そのカマキリと俺の視線がぶつかる。


その複眼には俺とメルの姿がしっかりと映し出されている…もう、逃げられない。




「あっ…な、なんでこんな…こんなのがこんな場所にいるの…?」


「さぁ…とりあえず言えるのは標的にされた時点でやるしかないってことだ」








俺達の初陣には申し分ねぇ相手だ!










だんだんとひどくなってい気がやっぱりする…


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