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九回目。由来それは。

こんばんわ。


今日も駄文ですがよろしくお願いします。

九回目








「「「すっスミマセンでしたぁ!」」」




俺の二つ名を聞いた瞬間、周りで絡んできた顔色を真っ青にして謝り始めた。


まぁ…コッチにいれば噂ぐらいどこからとも無くに耳に入るだろうし仕方無いんだけどさ。


何と言うかいつまで経っても慣れない感覚だよね。




「良かったなお前達、私が来なかったら今頃肉片だったぞ?」


「「「助かりました姐さん!」」」


「ほら、分かったならちゃっちゃと散れ」




エマさんがシッシッと手を振ると周りにいた奴らは走って何処かに行ってしまった。


きっと知らなかったって事はここに来て日が浅いってことなんだろうね。




「ねえソーマ、貴方一体何者なのよ?裏通りの人間が怯えるなんて普通じゃないわよ?」




隣でボーッとその光景を見ていたメルに尋ねられるがなんと言うべきだろうか?


回答に困り少し考えているとエマさんがメルに話し掛けた。




「そこのソーマが何であんなに恐れられているか知りたいか?」


「はい、あんなのは普通じゃありえないですから」


「そうだな、立ち話もアレだからギルドまで行くか。ソーマ、それでいいだろう?」


「あ、えーと…はい」




尋ねてきたのにさっさと歩いていってしまうって…拒否権はないって事ですよね分かってましたよ。


方向は真逆なのだがこうなってしまったのだから仕方が無い。


助けてくれたのか助けあげたのかは微妙な所だが被害を出さないでくれたのだから素直にお誘いに乗ろう。


来た道を戻り、更に奥に進んで行くと裏通りでも更に治安の悪い地域へと出る。




「あ、ソーマさん!こんにちわ!」


「ソーマ君、偶にはウチの店に来ておくれよ」


「ソーマちゃんおかえりなさい!」


「ソーマ…」


「ソー」


「ry」




色々な人に挨拶をされながらギルドへと辿り着いた。


正規のギルドと比べればかなりこじんまりとはしているがこちらも一応はギルドなのでそれなりの大きさはある。


ギルドの正面で一度来た道を振り返り、ため息を一つ。


何でここに来るのはいっつもこんなに疲れるのだろうか…一応は裏通りなのだからもっと活気を抑え欲しいね。


エマさんが扉を開けて帰ったぞー、と言うと中からお帰りなさい姐さん!


と言う声がそこら中から聞こえてくる。


こんな荒くれ者のみんなに慕われいるんだからやはり凄いんだなこの人は。




「おいお前達、今日は久しぶりに血濡れも来てるからな!新入り達は今の内に顔覚えとけよ!」


「「「ひぃっ!?」」」




何人かの反応がちょっと残念だったが他の人達は自分にも挨拶をしてくれた。


そのまま騷しいホールを置くへ進んで行き、エマさんが普段使っている部屋に通された。


部屋の中はとても綺麗に片付いており、毎回意外に思う。


応接用のソファーに腰掛けると何故か両隣にお二方が座ってきた。


いやいや、メルは分かるけど何でエマさんまでこっち座ってるんですか?




「自己紹介もまだだったから今しておくな。私はエマ。見ての通り狼人族でここを仕切らせて貰っている」


「私はメルフィです。エルフ族でソーマの奴隷兼婚約者です」


「…婚約者?ソーマお前結婚するのか?」




ひいぃ!?凄い形相でエマさんがこっちを見てるけど何でかな!?どうしてかなぁ!?




「は、はい。しますはい」


「…そうか。エルフの少女よ。ソーマは私も目を付けている良い男だから絶対に手放すなよ?というか私も貰え」




さり気なく何か言われたけど聞こえなかった事にしておこう。


適当に流して話をするように促すと仕方が無いと言った感じで話を始めた。




「さて、そろそろ本題に入ろうか…ソーマが何故こんなに裏通りで恐れられいるか…」


「は、はい」


「まずコイツがヴァンパイアだと言うのは知っているな?」


「はい、首を切り落としても死にませんでした」


「首を切り落とした?アッハッハ!ソーマ婚約者に首を落とされるなんて浮気でもしたのかい?」




笑いながら背中叩かないでくださいマジで痛いです。




「違いますよ…婚約?の前ですから」


「そういうことにしておいてやろう」




エマさん、最初はこんなに仲は良くなかったですからね?




「まあそれはひとつの原因でしかない。いくらやっても死なない相手なんて怖いだろう?だけどそれがこの二つ名の原因になったわけではないんだよ」


「え?違うんですか?」


「血濡れの銃剣士の由来はな…」




そこで間を置くエマさん。


本当に話しても良いのか?という視線を自分に向け、メルには本当に聞く気があるのか?という視線を投げ掛ける。


どちらも頷いたことでエマさんは納得して話を始めた。


きっといつかは話すことになるだろうし今の内に聞いてくれた方がいい。


結構色々あったなぁあの時は…



「…コイツ、ソーマはあの時…裏ギルドに居たメンバーを殺したんだ」


「…え?」


「アレは半年くらい前の出来事だった…」




当時、まだソーマは裏ギルドに入って日も浅く経験も少なかった。


もちろん仲間なんて居るはずがない…まあコイツが誰かと話しているのすら見たことが無かったからな。


自ら流れてこのギルドに来た訳じゃないのはすぐに分かったよ。


何と言っても目が死んでいなかったからね…正直仕事が出来るかは不安だった。


でもそんなものは思い過ごしだったんだなってなってしまったよ。


依頼を任せれば確実にこなして来たし怪我ひとつ負ってなかったからね。


まあ今思えば当たり前の事だったんだね…コイツヴァンパイアだし。


それで新入りながらメキメキと頭角を現してきたんだけど…それが気に食わなかった連中がいたんだよ。


ここのギルドに古くから居る連中だね。


大した実力は無いんだけど付近の奴等を脅して金を巻き上げたり、喧嘩になるとすぐにギルドの中で暴れて相手を殺したりとかして迷惑だったんだよ。


そしてそいつ等の次の標的となったのがソーマだ。


その日、ソーマがこのギルドに来た時に大体20人程居たのかな?


その内の5人くらいが一斉にナイフをソーマに投げつけた?で合ってるか?…そうか。


もちろん後ろには他の人が居たから避ける訳にもいかず全てはたき落とした?…え?ああそうか、全て掴んで投げ棄てたらしい。


それが余計に腹立たしかったんだろうな。


そのままソーマにイチャモンを付けて外に引きずり出したんだ。


そしてそこで一方的な暴力、20人程でコイツを袋叩きにしたんだよ。


それでもまだ腹の虫が治まらなかった連中が居てな…近くを通った市民をいきなり斬り殺したんだ。


それを見てな…コイツがキレた。


種族解放をしたコイツにすればあの程度の連中だ…ガキと遊ぶより楽なんじゃないか?


私が駆けつけた時には酷い有様だった…人間の肉で山が出来上がっていたからな…


翼を背中に付け、深紅の瞳で牙が生えたコイツを見て私も一瞬魔族の強襲があったのかと思ったよ。


でもねすぐにソーマだって分かった。


…泣いていたんだ。


"自分のせいで罪の無い市民が巻き込まれて死んでしまった"


って…ソーマ、あれはお前のせいじゃないからな?


その時に私は気付かされたよ…私はなんて無力で愚かだったのかと。


自分のギルドの人間を面倒だから放置していたが為にこんな事になってしまったのだと。


私ではなく自分が悪かっただと?少し黙っていろソーマ…いい加減にしないと本当に襲うぞ?


よし、そのまま大人しくしていろ。


そこでだな、私はコイツに土下座して謝ったよ。


私が全ての責任をもって今回の件を処理するって…そしたらソーマはなんて言ったと思う?


"エマさん、今回の件は俺がやってしまったことです。全ての責任は俺が負ってここを去ります"


って言ったんだ。


その時だね…私がコイツに惚れちまったのは。


何というか…守ってあげたくなるというか私も守って欲しいというか…


本当だぞ?何ならその証拠に今すぐにでも襲ってやろうか?


私のだって?…分かってるからそんな怖い顔するなってメルフィ。


そんな事をしていたら周りで一部始終を見ていた市民の連中がな…


"私達は貴方のお陰であいつらから救われたのですからそんなに気負わないで下さい"


"私達のヒーローなんだからどこにも行かないでよソーマ兄ちゃん!"


とかわらわらとみんな集まってきてな…凄かったぞあの時は。


それでそんなに感謝されてるのにも関わらずコイツは…


"俺は魔族なんですよ?怖くないんですか?"


とか聞きやがるんだ。


もちろんみんなに揃って言われていたよ…


"誰かのために泣ける人は魔族だろうがなんだろうが悪い人は居ない"


ってな。


そしてその後、その噂は瞬く間に広まった。


裏通りの人間からはヒーローとして、ギルドの連中からは悪魔としてな。


そして噂が広まっていくうちに付いたんだ。




「血濡れの銃剣士っていう二つ名がな」


「そう…だったんだ」


「どうだ?なかなかカッコいいことしているだろ?」




何故かエマさんはいい笑顔でこちらを向いているがなんだろうか…?


メルに至っては話を聞いてから俯いてしまっているし。




「えっと…メル?大丈夫か?」


「…ソーマ、やっぱり貴方は魔族だったのね」


「あぁ…失望したか?」


「…ええそうね。失望したわ…私自身にね」


「…は?」


「人の為に泣く魔族が何処にいるの?そんなのいるわけ無いでしょ?私はソーマを信じきれいなかった事が恥ずかしいわ!もう今はなんの偽りも無い気持ちで言えるわ!ソーマ、愛してる!」


「…え?」




何かすごい勢いでメルに愛を示されたが如何様にすればよろしいのでしょうか?


ここはカッコよく俺もだぜメル!とか言っておけばいいのか?




「あーはいはい、後でやってくれそういうのは」




エマさんは呆れた様な顔をしてこちらを見ていた。




「それで…だ。実際の所今日は何の予定があってこっちに来たんだ?」


「あ、そうそう。シェリルの店に用があったんですよ。防具裂けちゃったので」


「…はあ。だからあれほど言っただろう?防具は良いので揃えないと面倒だって。しかもいくら不死身であっても死ぬかもしれんのだからな?」




あーそういえばそんな事を最近言われた気がしますよ。




「やっぱりそう思いますよね!?ソーマったらそんなの…」


「だろうな。コイツは…」




何か意気投合したのか知らないけど俺を挟んで二人で話始めちゃったし…やれやれ。


この調子だとあそこにいけるのは夜になりそうだなと思いながら二人の話が終わるのを待つソーマだった。



感想改善点評価等もよろしくお願いします。


感想とか評価付く作品の作者様とかのはやっぱり面白いですね


それに比べ私は…

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