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1.始まりの逃走

 ここはエトルア王国タザス領シェスカ。そこそこ大きな街である。シェスカは王都から北東に約500カーティ(カーティはkmと同等)にある土地で、輸送路にもなっており賑やかな街である。


 そんな街の裏路地に孤児の集団がいた。頭を寄せ合い、何かを話し合ってるようである。輪の中心にいる少年が指示を出している。この集団のリーダーは彼のようだ。まだ、少年特有の声変わりを終えていない声が低く指示していく。

 「カイスト班は市の南側につけ、逃走経路を確保しろ。」「アイント、ファイ、ヒーリエは手頃な戦利品の物色。」「アイント、ファイ、ヒーリエにそれぞれ3人ずつ付いてくれ。指示に従い戦利品を確保。」「オレとミラート、エディスは場の攪乱をする。」「そうそう、アイント、ファイ、ヒーリエはあまり高価なものは選ぶなよ。」と最後におどけた様に言った。呼ばれた3人はくすくすと笑いながら「了~解」と応える。

 リーダーの少年がおどけた笑みを一変し「さぁ、今日も生き抜こうか」と口の端を引き上げるだけの獰猛とも言える笑みを浮かべた。彼のその言葉で彼らは行動に移っていく。バラバラに散って行く彼らを見てリーダーの彼はその瞳に暖かな笑みを乗せる。一転、彼も顔を引き締め行動に移っていった。


 市場で怒声が響き渡る。孤児の彼らが行動を起こした結果である。

 そんな中、一人の小柄な孤児の少女が転んだ。その少女を警邏隊の者と商店の者たちが捕まえようと手を伸ばした。その時、一陣の風が吹き抜けた。リーダーの少年が一瞬にしてその場に現れた。捕まえようとした大人たちが驚きで一瞬隙を作る。その隙に乗じて少年は少女を抱え、大人たちの脇を鮮やかに過ぎ去った。

少年は退路を確保していた仲間たちに少女を預け、態と見つかるように逃走を開始した。


 再度の逃走を開始してから約10分、追跡者たちを引き付けつつ逃走した彼だが、一転、追跡者たちを鮮やかに撒いていった。時には人混みに潜り込み、時には道無き道を行き、複雑な裏道を逃げ回り、一人一人撒いていった。

 撒き終えたかと、ほっと一息ついたときに目に映った人影。その人影は少年の方に向かって来るようだ。あっという間に人影は長身の均整の取れた体躯の男の姿となっていた。ものすごいスピードで少年の方に近づいて来ているようだ。少年は唖然とした。が、呆けている場合ではないと素早くその場で身を翻した。


 少年は再び逃走を開始した――。


いきなりシリアスな感じで始まりましたが、けっしてシリアス中心じゃありません!

とりあえず全体雰囲気はほのぼの系コメディ調になる予定です。

更新は気まぐれ・・・になるでしょう。(-_-;

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