第8回戦 僕等の日常事情
こんにちは、藤森 幸希です。えっと、本編では2話ぶり……?正直7話あたり出れると思ってました。だって僕だけ除け者じゃないか。
まぁ、いいや。今日は月曜日、朝来たら学校のガラスが割れてました。
後輩は騒いでたけど、僕等には珍しくないから『あ〜あ、またやったのか』ぐらいです。やっぱ新1年生は可愛いね。ま、その内慣れるんだろうけど。
あ、犯人はなんとなく分かります。多分みんな同じ人を思い浮かべてるだろうな。それは99,9999%の確率で合ってると思う。
ほら、声が聞こえてきた。
◆第8話 波乱万丈という名の平和
『だぁかぁらぁ〜!私じゃないってば!!』
「いい加減認めろ。証言者がたくさんいるんだ」
『チッ』
「今舌打ちした?舌打ちしたよね?」
あ〜あ、先生に怒られてる。舞ちゃんも懲りないな。
『先生、証言者って誰ですか?教えてvV』
「面倒くさいことになるから無理」
『酷いです先生!まるで私がその子に飛び蹴りしたり、無言電話したり、ストーカーしたり、ネットで悪い噂流したり、好きな子をバラしたりetc……そんな事すると思ってるんですかっ!?』
「そこまでする気だったのかよ!!?」
『ヤベッ!』
「ヤベッ!じゃねぇー!!」
う〜ん、教師に敬いの気持ち0だね舞ちゃんは。そこが人気者の理由のひとつなんだろうけど。
「くそ、お前じゃ話にならない!担任は確か……げっ、翔先生かよ」
翔先生、げっ、とか言われてるよ。
『翔先生はいつも遅刻ギリギリに来るので、まだ来ませーん』
「残念でしたー。もう来てます〜」
(!! この人気配なかったんだけど!)
『あ、翔兄』
「お前みたいな妹いた覚えはない。先生と呼べよ」
はい、皆さん。自称27歳のやる気0美形教師の登場です。でもこの人、どう見たって20くらいなんだけど……。実年齢いくつなんだか。
「なに舞?またガラスわったわけ?」
「そうですよ!これで何回目だと思ってるんですか?翔先生からもガツンと言って下さい!!」
「ガツン。……冗談ですよ。そんな青筋たてなくても」
火に油。この人本当に教師なのか?なんか近所のかっこいい兄ちゃんって感じじゃん。
まぁ親近感わいていいけどね。
「浅野、翔先生…真面目に聞け……」
あ、そうとうキレてる。朝から災難だな荒井先生。この人短気だからなぁ。
まぁ、舞ちゃんと翔先生のコンビにキレるなって方が、無茶なんだろうね。
「まぁまぁ、荒井先生。舞だって育ち盛りなんだから、ガラスの2枚や3枚、10枚や20枚わりますよ。」
「どんな成長期!?多すぎだろっ!!」
『翔兄、かばってくれるの?大好きvV』
うわ、生徒が教師に抱きついてるよ。舞ちゃん熱愛してるね〜。
「そりゃどうも。まぁ、俺はお前の事嫌いだけどな」
………玉砕?
『いやん、照れないで♪』
いや、効いてないか。
『翔兄、1時間目国語だよ。もうすぐ始まる』
「マジかよ。かったりぃな〜。仕方ない、行くか」
『教室までデートしよ!』
「はいはい」
「え、ちょ、まだ話終わってなぁぁぁぁぁぁぁい!!」
──こんな感じで1日が始まります。あっと、僕も遅刻したくないからそろそろ行かなきゃ。
その後も、ドア壊れたり、壁に穴空いたり、気絶する子がいたり、藁人形が落ちてたり……。僕等のクラスはとても賑やかです。今日も平和な日常でした。
僕はこれから部活です。サッカー部の次期キャプテンなので休めません。青海に呼ばれてるから行きますね。
以上、藤森 幸希でした。
──そう言えば、何で舞ちゃんガラスわったのかな?まぁ、大方青海絡みだろうけど。
★キャラクターファイル★
・高橋翔
年齢:自称27歳
身長:180cm
体重:65kg
職業:反面教師
モットー:鳴かぬならそれでいいじゃんホトトギス
嫌いなもの:面倒事
D組の担任。常にテンションが低い。面倒くさがり。