第6回戦 解放から報復へ
◆第6話 レッツ!リベンジ
――呪縛はとうとう解けた。
『僕等は皆生きている〜♪生きーているから、自由なんだ!僕等は皆自由なんだ〜♪自由ーだぁから、復讐するんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
こんにちは、浅野舞です★☆今日は土曜日なので、学校はお休みなんです♪そして、今日でとうとう地獄の一週間の終わりです……!
『高梨青海!殺!呪!死!堕!今までの仕打ち、そっくりそのまま……の1億倍返ししてやらぁ!!わたしゃ、逃げも隠れもしない!正面から正々堂々殴り飛ばす!
……なーんて、嘘!生憎そんな良い娘じゃないんだよ!陰から数々の嫌がらせをしてあげるわ……!
あひゃひゃひゃひゃ!!私への愚行、後悔するとい──きゃぁぁぁ!!!』
気分良く(?)歌っている舞様の顔に、プー●の靴がクリティカル・ヒット☆
「長いセリフ言ってんじゃねぇよ。読者が読むのめんどいだろ」
そう言って、その男は私に当てた靴を拾いあげた。
この声は……!
『出たな、魔王の遣い!一体どれだけ私達を傷つければ気がすむんだ!……って、冗談ですごめんなさい!何靴かまえてるの!?早く履いてっ!』
あ、履いた履いた。でも顔、大丈夫かな?漫画みたいに靴のあとついてないよな?って、んな事どうでもいい!
『高梨青海、ここで会ったが100年ぶり!今こそ恨み晴らしてやる!』
「はぁ?なんの恨みがあるんだよ」
『バカ野郎!お前に受けた屈辱の事だぁ!鞄持たされたり、屋上の鍵パクらされたり、校長室の金庫のパスワード調べさせられたり、コンビニでアイスを温めて下さい、と言わされたりと、まだまだあるだろチクショー!!』
これマジだからね。しかも私ちゃんとやったんだよ?偉くね?征夷大将軍並に偉くね?
『あんたの奴隷になってから、食事も喉を通らない日々……』
「お前給食のデザート、人のぶん取ってただろ」
『もちろん夜も眠れないし……うぅ』
「そりゃ、授業中あれだけ寝ればな」
『その上、あんたの信者、というより私には般若に見えますよ、には凹られるし…。ぐすっ』
「──え?」
はっ!そう言えばこの事言ってないじゃん!…まぁ、もう私には近付かないと思うけど。
なんか精神科通ってる娘がいるって話も聞いたし。そんなにトラウマになったのかな?
「…やられたの、か?」
『えっ、』
ちょっ、この人超真に受けちゃったんだけど。なんか真剣な表情してるし。あ、でもこれいい機会じゃね?
『そうなの…。まさに多勢に無勢で、さすがの私も駄目だった……』
「マジかよ」
うわ、わたし演技上手くね?目うるんできたし。
ってか、こんなしおらしい青海初めてなんだけど。よし、このままペース持ってって、土下座させよう。謝らせよう。靴舐めさせ(自主規制)。
「…そっか。俺のせいで……」
うつ向く青海。
ププー!騙されてやんの!やべ、おもしろすぎなんだけど。マジうける。
「…なんでにやけてるんだ?」
あ、ちょっ、つい表情に出ちゃった。
だって……ププッ!駄目だ舞!ここで笑ったら負けだ!!
『え、だって…、青海が心配してくれるから、嬉しくって』
かゆーーー!!!
うわ、自分で言っててキモ!マジ有り得ないし!吐き気までしてきたんだけど。
「舞」
『ふぇ?』
ぎゅっ
(は?なにこの状況。いや、ぎゅってアンタ……)
「ごめん、俺のせいで辛い思いさせて」
『えっ、えっと』
何コレ、本当にコイツ青海?別人じゃん!クローンじゃん!ドッペルゲンガーじゃあああああああん!?
ってか、いつまで抱きしめてんだテメー!!
「舞、俺──」
青海がなにか言いかけた時……
「あたしの舞に何しとるんじゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
正義のヒーロー流華登場。
どうなる次回!?こうご期待★