第5回戦 強者と弱者
◆第5話 平穏へのカウントダウン
「バカ、そこ違う」
『え、あ、本当だ』
「なんで答え見てるのに間違えるんだよ」
『いや、スイマセン』
……アレ?私何やってるんだ?なんでこんな事なってるんだ?あ、そうだ。思い出した。
◇30分前◇
『痛ぁぁぁぁぁぁぁ!!なんで会った瞬間蹴るのォ!?』
「昨日の仕返し」
『だからってレディに暴力ふるなー!』
「え、何処にレディがいるって?」
『てめェェェェェェェ!』
教室に入った途端、蹴りいれられました★
え?なんで教室かって?今日は先に行ってるって言われたからよ〜。だから今日は流華と一緒に登校しました!いやぁ、最高だね♪
「何にやけてるんだよ、気持ち悪りぃ」
『なんだとォ!!』
あー、かなりムカつく!なんで人が嫌がる事を、変化球でクリーンヒットさせてくかな!?
ってか、クリーンって何!?ヒットは分かるけど、クリーンって……、何?掃除?意味わかんねぇよチクショー。
「おはよう、青海、舞ちゃん」
『あら、おはよう、青海の親友で顔良し・頭良し・運動良し、必ずAランクには入る貴公子タイプモテ男の、藤森 幸希くん』
「なんで説明口調?」
それはもちろん、作者が簡単に説明したいと思っ──ゲフン、ゲフン!あ、今の咳は風邪のせいだからね?邪推すんなよ。
「それはそうと、朝から仲良いね。」
……え?
それはもしかしなくても、あたし等の事か?
「あぁ?何言ってんだテメェー。今すぐ硫酸浴びろ」
「それ死ねって言ってる?」
『なんて事言うのよ青海!せめて青酸カリ飲めにしなよ!!』
「どこがせめて?舞ちゃん、フォローになってないから」
いや、でもなんなんだよ。あの般若達も、幸希も。お前等の目は節穴か?ガラス玉か?ダイヤモンドなのかー!?
「お前馬鹿だろ」
『はん!今頃馬鹿なんて言われたって、へでもないねっ!』
「馬鹿バカ馬鹿バカ馬鹿バカ」
『え、ちょ、そんなに言わなくても……グスン』
ヤベ、涙出てきた。
ん?いや違う!泣いてなんて無いぞ!!これは涙じゃなくてアレだ。アレだから。
「そう言えば青海。今日ワーク提出だよ」
「あ〜、ヤベ。国語やってねぇや。でも、どうせ翔だからなぁ」
「オイオイ、オール5狙ってるんでしょ?」
「別に狙ってる訳じゃねぇよ。なっちまうだけだ」
(なんだって?)
『テメェェェェェ!今聞き捨てならない事言ったぞー!チクショー、そんなセリフ言ってみてぇ!!それと翔先生をバカにするなぁー!』
「あれ、もう泣きやんだのか」
『ば!泣いてないし!』
いや、ホント泣いてないからね?舞様は最強だから涙なんか流さないからね?さっきのはアレだからね?
「そんなことより……」
そんなこと!?乙女が泣いてたのに!?え、いや泣いてないよ。うん。だから泣いてないから!!
「罰ゲーム明日までだったよな?」
『それがどうしたコノヤロー』
「んじゃ、命令。俺のワークやって。っていうかやれ」
上から目線で言う青海。オレ様め。
『ぬぁー!ムカつく!!幸希からもなんか言ってやって!』
「頑張れ舞ちゃん」
いやいや応援なんていらないから!
「今日中に終わらせろよ」
『…明後日覚えてろよ』
「明後日は休みだ」
『チクショー!!』
これって誰を一番恨むべき?
★キャラクターファイル★
・藤森幸希
年齢:14歳
身長:170cm
体重:54kg
悩み:親友のサディズム
不満:周りからの扱い
主義:平和愛好
微笑みの貴公子。常識人でツッコミ担当。苦労人。