第32回戦 居残り掃除の刑
きりーつ、礼
さようなら〜〜!
「あー!終わった。よし帰『どこ行くの鈴?』
「………舞;」
◆第32回戦 まぁ王道だよね
ガンッ!!
「あぁもうかったりィ!なんで掃除なんかしなきゃいけねぇんだよ!!」
『ちょっと鈴!バケツ蹴らないでよッ』
今私と鈴は翔兄の指示により、罰の掃除中。
本当は逃げようと思ったんだけど、翔兄が……思い出すだけで恐ろしい!あの人は敵にまわしたくないと改めてわかったね。
んで、私1人やるのも癪だから帰ろうとする鈴を捕えて、掃除中なのです。
「やる気でねぇー。こんなのサボって遊び行かない?」
うずっ
『だ、だめだよ』
「ゲーセン」
うずうずっ
『い、今お金無いし…』
「じゃあ、マッ●。バーガーでもポテトでも奢るし」
うずっー!!
「………な?」
チッチッチッチー――――ン★
『サボりがなんぼのもんじゃーい!!』
「イェーイ♪」
すいません!舞は誘惑に負けちゃいました!!でも素直に生きるのが1番だと思うので後ろめたさはありませーん!
『居残りなんかくそくらえ☆』
「なんだとテメェ」
え?
上をそーっと見上げると、…あら〜マイダーリン。青筋出して、素敵フェイスが台無しよ。
『翔兄…えっと、怒ってる?』
「いや、サボるぐらいで怒る程、真面目じゃないんで」
…その笑顔が恐いです。
「さりげなく何帰ろうとしてんだ鈴」
「ギクッ」
「さっさと掃除しろ。なにも完璧求めちゃいねぇよ」
だったらしなくていいのに〜!
「舞、顔に出てるぞ」
…そんなに分かりやすい私?
「あのな、D組は期末大掃除しなかったんだ。俺は別にいいんだけど、教頭がうるさいんだよ。お前等だって、これ以上嫌な目で見られたくないだろ?」
――翔兄、クラスのために?
「アレ?お前がメンドイから大掃除なしって言ったんじゃ…」
首を傾げて言う鈴。よく覚えてるなぁ〜ってマジで!?
「…まぁ、それはそれ」
「『オイィィィィ!!』」
「じゃあ頑張れよー」
ヒラヒラと手を振って、教室を出ていってしまった。
なんだよ結局翔兄が原因じゃん!!ちょっと胸キュンして恥ずかしいんだけど!
「逃げたな」
『逃げたね』
私と鈴は顔を見合わせて、盛大にため息をはいた。
『しょうがない。パッと見きれいにして帰ろう。お腹空いたし、ね?』
振り向いて鈴に尋ねると、当の本人はほうきをジッと見つめていた。
『どうしたの?ほうきに恋しちゃった?心配無用、皆には内緒にしてあげるから』
「なぁ、舞」
『ん?』
私のボケをサラリと無視した鈴は、ほうきを持ったままニカッと笑ってこう言った。
「野球しねぇ?」
――――――――――――――
『フフフ、私に勝負を挑むなんて、たいしたチャレンジャーね!』
私はボール(ぞうきん)を握り、不敵に微笑みかける。鈴はバット(ほうき)を肩にコンコンと軽く叩きながら、『それほどでも』と呟いた。
『私の豪速球ご覧あれ!私は第2のイ●ローと呼ばれた女よ!!』
「配役的に俺がイチ●ーじゃね!?」
『すきありィィ!!!』
「ツッコミ中にずるー!!」
私は出来るだけストライクゾーンを狙い(捕手不在)、力の限りボール(汚れたぞうきん)を投げた。
ガラッ
「お前等ちゃんとやって──」
ベチャッ!!
「ゲ……」
鈴が青い顔して、恐る恐る黒いオーラが漏れている背後を見る。その瞬間『ヒッ』と奇声をあげた。きっと恐怖に歪んだ表情をしているだろう。
――あちゃ〜、何コレ?漫画みたいな展開じゃん。
そう、丁度入ってきた翔兄の顔面に私の投げたボール(濡れたぞうきん)が、気味悪い音と共に張り付いたのさ。
「…ずいぶんと楽しそうだな」
ボール(粉ついてる以下略)を千切りそうなくらい強く握り潰し、真っ黒な微笑みを浮かべる翔兄。
A ひたすら謝る
B 逆ギレ
C とりあえず逃げる
D 言い訳する
「『Cだァァァァァァ!!』」
なんとか逃げれた私達だけど、明日学校へ行くのが怖いです…
前回とは逆に今回はギャグで★舞と鈴はこんな仲だといい!




