第3回戦 主従関係
◆第3話 加虐性淫乱症 or 被虐性淫乱症?
当然の様に差し出された鞄。
「はい」
『はい?』
意味も分からず疑問符を出せば、鬱陶しい程浴びさせられる罵声。
「はい?じゃねぇよ。持てって意味だアホ」
『なんであたしが……!』
「奴隷だからだろ?」
『うっ…』
そう、あの日以来私は、コイツのパシリとなっていた。毎朝、青海の家まで迎えに行って、鞄持ちは当然、ジュース買ってこいとまで言うのだ。
学校にいる時も、無茶な命令をしてくる。反抗するたびに、あのボイスレコーダーを出すし。携帯恐怖症になるぞ。そのうち拒否反応とか、出すからな。
とかなんか考えてる内に、学校に到着。あぁ、また過酷な一日が始まる……。
機嫌良好な青海に比べ、 気分最悪な私。
いや、だって、ねぇ?
「何ため息ついてんだよ」
『え、ため息ついてた?あぁーやっぱ体は正直だー!』
「黙れ奴隷」
……拳で殴るぞクソガキ。
「舞ッ!!!」
『ん?』
聞き覚えのある声に振り向けば、温もりが覆い被さった。
「昨日ぶり〜!会えなくて寂しかったよ!!」
『る、流華…。苦しいッス』
背の高い流華は、小柄な私を簡単に、ギュッと抱き締めれる。いやぁ、照れちゃうね♪
「あ、ごめんごめん。舞が可愛くてつい」
私は流華に溺愛されてます(キャッvV)。流華は私の親友で、何かと面倒みてくれる。時々過保護すぎることもあるけど…。
「相変わらず熱愛してるな。目のやりばに困るし」
軽蔑する様な口調で、淡々と言い放つ青海。
その言葉を聞いた途端、流華の瞳が、ギラッ!と光った。あーあ、スイッチ入っちゃった。
「……高梨青海。アンタ、一体誰の許しを得て、私の舞をパシリにしてるの?」
「パシリじゃない。奴隷だ」
あくまで奴隷にこだわるんだ。どこまでサドなんだか……。
「奴隷ですって!?な、なんて言い様…。私が見張ってる限りでは、鞄持ち・ジュース買い・宿題・掃除・係の仕事──これらをやらせてるわね!一体どうゆうつもり!?」
「見張ってるって……ストーカーかよ」
「ストーカーじゃない!親衛隊よ!!」
……流華、そんな事してたの?
「…ハァ、こんな朝からケンカなんてゴメンだ。遅刻したくないしな。行くぜ、舞」
『え、わっ……』
突然手を引っ張られ、教室のほうへと走る青海。
っていうか、手ー!!手、手、手ー!!
何普通に握っちゃてるのォォォォォ!?
「ちょ、舞に気安く触るなー!」
後ろから駆けてくる流華。ホントだよね。何コイツ気安く触ってるの?奴隷じゃなかったら、振り払って蹴り飛ばしてるのに!
期限がすぎるまで、あと3日です。ガンバレ私!!
★キャラクターファイル★
・葉月流華
年齢:14歳
身長:165cm
体重:40kg
好きな人:舞
嫌いな人:高梨青海
願望:舞の恋人
才色兼備。男より女の子が好き。舞を溺愛してる。