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第24回戦 ガールズラブ

前半、流華が痛いです…ι★青春ゲーム★にしては、甘く微シリアス?ちょっといい話。最後、幸希が可哀想だけど(笑)


『すーすー。…うっ!カレーパ●マンが、カレー●パンマンが!―ザ・破裂☆』


可愛い寝言(病気)を言いながら、私の隣で眠る舞。

この可愛さは反則よ!襲いたくなるじゃない!で、でも寝込みを襲うなんて邪道…!


『むにゃ、流華………』


寝返りをうち、私の名前を呟く舞。


「!!」


胸の鼓動が一気に上がり、顔に熱が集まった。


「舞。」


眠ってる舞の頬に、手を添えると、柔らかい感触が伝わってくる。そして、その健康な桃色をおびた唇に………………


「ッ!?」


私、今なにしようとした?舞に、舞にキs──


「邪でゴメンなさいー!!」

『ぬぁ!?』







◆第24話 レズだって愛なんだ






「って、事なんだけど…」

「いや、いきなり部屋に来られて『って、事なんだけど』と言われても。」

「バカね、そのくらい察しさないよ!だから男って嫌いなのよね!」

「帰ってくれるかな流華ちゃん。」


静かに怒る藤森。このままじゃ本当に追い出されそうだわ。話すの面倒くさいけど、それじゃ何も始まらないし、仕方ないわね。




「なるほど…。」


私の話を聞いて、困った様に笑う藤森。なに軽くひいてんのよ。


「ええ。そこで色々考えた結果、藤森に相談するか、本気で舞を私のにしちゃうかの2択しかないなと…。」

「いやいやいや!どんな2択!?なんか違うでしょ!!」

「で、どうすればいいと思う?」

「シカト?」


ああ、私なにしてるんだろう。こんな事藤森に話してどうする気?


「うぅスイマセン、実は私変態なんです。」

「皆知ってるから。っていうか、自覚あったんだ。」


うわ、失礼なヤツ。私をなんだと思ってるの?同性愛を差別するのはよくないわ!!


…でももし、私が舞にキスしたら舞は私の事怒るかしら?それとも、軽蔑?近付く事も許されなくなったりしたら、私そんなの──────



「快感じゃない!!舞が言葉攻めとか覚えたらどうしよう!ご主人様って呼んじゃうわ!!」

「流華ちゃん本当は悩んでないでしょ?」


だ、だって今みたいにイチャイチャラブラブしてるのもいいけど、舞に跪くのもアリ…いや、逆に舞を優しくいじめるのも快感だわ。


「嗚呼どうしよう!想像しただけで感じちゃう!!」

「変態レベルがアップしてるよ流華ちゃん。さすがに僕もひくよ?」


森の失礼発言にハッとする。


いけない、つい妄想モードに…。なんか話がずれてるわ!あれ?そういえば私、なにしにきたんだっけ?


「相談どこにいったのさ?」

「そうそう!それよ!!」


思い出した私は、ポンッと手を叩いく。すると藤森に苦笑いされた。


「私…舞が大好きなの。異常だってわかってる。」

「わかってたんだ。」

「なんか言った?」

「滅相もありません。」


…なんか気になるけど、話続ける。


「太陽みたいな笑顔も、時々見せる涙も、恥じらう姿も、怒る表情さえ、全部全部愛しい。」


幼い頃からずっと見てきた。気が付けば隣にいた大切な存在。守りたいって、そう思うのは今も昔も変わらない。


「舞も私の事好きって言ってくれる。でも、それがいつまで続くの?」

「………流華ちゃ、」


途中で入った藤森の言葉を遮り、私は我儘なエゴを続ける。


「嫌われて、邪険に扱われるならまだいい。私が1番怖いのは、『無』だから。好きとも言わない。嫌いとも言わない。そんなの、堪えられない……。」


シン、と空気が静まる。私は言い終えて後悔した。


藤森はきっと、安心できる言葉をくれる。私はそれが聞きたくて、藤森にこんな事言ってるんだ。優しい藤森に、甘えようとしてるのよ。


なんて、酷く醜いんだろう──


「ごめん、やっぱ今のナシ。いきなり変なこと言って…忘れて。」


私は瞼を伏せ、立ち上がる。藤森の言葉を聞いたところで、それは私の自己満足になるだけ。


だったら今のまま、舞の重荷にならない程度に好きって言ってた方がりこうだわ。


「流華ちゃん。」

「…突然邪魔して、藤森に迷惑よね。帰るわ。」


私はうつ向きながらそう告げ、部屋のドアノブに手をかける。


「好きって気持ちが、なんで異常なの?」

「……え?」


声に振り向くと、すぐ後ろに立っていた藤森と目があった。

あまりの近さに驚き、心臓がはねる。


「キスは、さすがにって思うけど、流華ちゃんの舞ちゃんに対する気持ちがいけないものなんて思わない。好意に、男も女も関係ないじゃん?」

「……………ッ」


ほら、貴方は優しい。他人の悩みにいつだって嬉しくなる言葉をくれるもの。所詮私の自己満足、厄介な寄りかかり、都合のいい甘え。わかってる、でも──────


「―藤森は、優し過ぎるのが欠点だわ………。」


私は藤森に柔らかく微笑みかける。


「ッ!流華ちゃ…!!」


スカッ


「ああースッキリした!やっぱり悩みは人に聞いてもらうのが1番ね♪ん?どうしたの藤森?」


軽く伸びをしてから、藤森に目線を移すと、自分の肩を抱いていた。


「…掴むものに逃げられたから、自分抱きしめてるの。」

「ふーん…?」


よくわからないけど、まぁいいか。こころなしか、ガッカリ、って言葉が背後に見えるんだけど。


「ありがとね、藤森。じゃあ私帰るわ。」


私はくるりと向きをかえ、今度こそドアを開ける。


「え、あ、送ってくよ!」


焦ったように私を引き止める藤森。どこまでお人好しなの?


「ううん、今から舞に会いに行くからさ。アンタ邪魔になるじゃない?」

「アレ?流華ちゃん、さっきまでの感謝の気持ちは?」

「じゃあまたね!」

「いや、ちょっと、待っ─────!!」


バタンッ。

僕の言葉とは裏腹に、空しく響くドアの閉まる音。


おかしいよね?普通ここまでムードあがったら、ねぇ?


「あそこでやっぱ抱きしめとけば良かった…って、なに言ってんだ僕!」


もう誰もいなくなった部屋、独りボケツッコミ。


「やっぱジャンルがコメディーだしね…恋愛に変えてくれないかな?そうすれば、あの時ガバッと……いやいやいや、ダメだよ。付き合ってないのにそれは…。でもさ、僕的に(あと2時間は続く)。」



    藤森 幸希

別名【微笑みの貴公子】

またの名を

【キング・オブ・ザ・ヘタレ】










舞は大好き。男は嫌い。でも舞が好きと言うなら、私もそれを好きになりたい。高橋翔先生や、北林、花形先輩だって…。


あなたが好きと言うものを、私も好きと言えたなら、涙が出る程嬉しいから―…



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