第22回戦 翔の恋愛模様≪後編≫
◆第22話 やる気なし教師の実体その2
いや、まぁ、うん。なんとなく雰囲気で分かってたけどさ。そんな初々しく言われると余計に…ね?翔兄がこんな清純派と付き合ってたなんてカルチャーショック。
『…らしくないね。』
「何がだよ。」
私の言葉に、即聞き返す。
『いや、翔兄がこんな純なお付き合いをしてるなんて。しかも年下。』
「俺と愛は同い年だ。それに今は清楚系だけど、夜になるとすごい乱れ『なに言ってるの翔君ッ!!」
翔兄の教育上よろしくない発言に、顔が真っ赤になる愛さん。ああ、なるほど───
SMか。 (ツッコミ不在)
「舞ちゃんは翔君の…」
『ヒモです。』
バシッ
『…嘘です。翔兄のクラスの浅野舞です。』
なにも叩かなくてもいいじゃん!チクショー翔兄め。飄々としてるようで、艶やかな関係持ちやがって!!
このままじゃ悔しい。こうなったら、質問攻めで翔兄の好みをゲットだぜ!
『ハイハイ愛さん!』
「どうぞ舞ちゃん♪」
『ふたりは付き合って何年ですか!?』
「恋人歴7年です!」
Σ長ッッ!第1回負け…と。
『どんなきっかけで付き合いましたか?』
「高校生の時、席が隣だったの。最初私の片想いだと思ってたけど、翔君が席替えの時告白してくれて…。」
あ、甘ぁぁぁぁぁい!あの翔兄が、そんな…!
え、でも高校生のときから7年付き合ってるから、翔兄の年齢は…、───止めた。数学ムリ。
「じゃ、じゃあ、翔兄高校生の時はどんな感じでした?」
今みたいにやる気なしだったかな?学校もあんまり来ないような。今でいう鈴?あれは単なるヤンキーか。
「翔君、すごいモテてたんだよ〜。かっこよくて、頭もよくて。付き合った当時は女の子に嫉妬されて大変だった…。あ、あといつも寝てたなぁ♪」
楽しそうに話す愛さん。なんか急に口数多くなったよ。
『……翔兄、青春してたんだね。どうしたら今の性格に陥るんだろ?』
「陥るってなに?お前俺のこと本当に好きなわけ?」
『あ、いい天気だよね今日。』
「なにそのかわし方。」
でもやだな。私全部負けてる。年齢のハンデは大きいよ。翔兄がロリコンだったら良かったのに!!
『…ふたりは別れる予定ない?』
上目使いで尋ねる。
「失礼な事言うな。あるわけないだろ?」
「翔君ッッ//」
おいおい、なにふたりの世界にひたってるの?私は除け者か?ふざけんなチクショー。
だいたい翔兄、彼女いたくせになんで今まで黙ってたのさ!!
『おーい、そこのバカップル。ラブシーン見せびらかすのは人様に迷惑ですよ〜?』
「…舞、まだいたのか。」
『帰れってか?帰れって遠回しに言ってんのか?』
「ま、舞ちゃん…その」
『あ、お気になさらず。キスでもなんでもしちゃって下さい。』
「………//」
あ〜あ、恥じらっちゃって。翔兄こういう娘がタイプなんだ。ケッ!
『ふん!どうせ私は独り者ですよー!』
私が恨めしそうに言うと、翔兄は面倒くさそうにこう言った。
「何言ってんだ、お前には青海がいるだろ。」
『はぁ!?笑えない冗談止めてよ!私が、青海と………?キャハハハハ!有り得なーい!!』
「爆笑してんじゃん。」
ハッ!そんな事はどうでもいいんだった!青海って単語久しぶりに出たから笑っちゃったぜ☆テへ♪
『あ〜、なんかイマイチな雰囲気だけど、悲しいモテないちゃんは寂しく独りで帰りますよ。ぐすっ』
私は皮肉気味に吐き捨てる。うわ、翔兄全然気にしてないし。泣くぞ私。
………うん、なんか癪に障る。最後に愛さんにライバル宣言してから帰ろうかな?
私はそう思い、振り返った時、愛さんが私に向かい叫んだ。
『そんな事ない!舞ちゃんは可愛いよ!』
―は?可愛い?…えーと………可愛い?…私の事?
……………………。
『大好きです愛姉!!』
「都合いいなオイ。」
★キャラクターファイル★
・竹内愛
身長:158cm
体重:43kg
ポジション:翔の彼女
モットー:一日一善
好きな人:翔
翔とはバカップル。恋人暦7年。おしとやかで清楚系。