第2回戦 期末テスト
◆第2話 腹黒+策士+美形=嫌なヤツ
『いい?せーので言うぞ。裏切るなよ?』
「へいへい」
『よ、よし。じゃぁせーの!』
『216点!』 「472」
……負けたぁー!!
え、いや勝てるとは思ってなかったけど、何この点差!?150以上じゃんっ!かなりショックなんだけど!
「まぁ、予想通りだな」
『予想通り!?これを予想通りと!?』
失礼だなコイツッ。どれだけ自意識過剰!?何様なんだー!
「オレ様?」
『ウザァ!ってか人の心読むな!!』
「天才なんで」
涼しい顔で言う青海。その美形顔、殴ってやろうか?
「そんなことより……」
『そんなこと!?』
ヒドイな泣くぞ。泣き叫ぶぞ。
「罰ゲーム、忘れてないだろうな?」
ニヤリ、と片方だけ口の端をあげる。明らかに微笑むって感じじゃない。
ってか、コイツの微笑み見たことあるっけ?黒い笑顔しか向けられたことねーや。
いやそれは置いといて、とにかく焦るぞ。コイツサドだから、絶対とんでもない事言ってくる。
よし、しらばっくれようッ!
『な、なんのこ──』
言いきる前に、青海は携帯を取り出し、つきつけた。
《ピ、じゃぁ、負けたほう罰ゲームな? 罰ゲームって? 勝ったほうの言う事きく。 いやよ、そんなの! …逃げるの? 誰が逃げるかぁー!受けてたつ!!ピピー》
「……な?」
そう言って、青海は携帯をポケットにしまった。
恐ぇぇぇぇぇぇぇぇぇー!!
ボイスレコーダー!?いつのまに録ったんだよ!ここまで計算してるって、FBIかテメーは!!ってか携帯恐いな、マジ恐いよ。ただの携帯できる電話と、侮ってたぜ!
『わ、わかったよ。何をすればいいの?』
あっさり折れるわたし。プライドなんかくそくらえ★
「そうだな…、高層マンション上から下までピンポンダッシュ制覇・グランド裸逆立ちで150周・担任の机荒らし・校長の銅像にキス」
『………は?』
「どれがいい?」
いや、どれがいいって……
『無理無理無理!!もう罰ゲームの次元じゃないからソレ!』
「無理じゃない。舞ならできるって」
『できないから!アンタ私をなんだと思ってんの!?高層マンション何階あると思ってんの!?裸で150周って…逆立ちじゃなくてもキツイわ!担任って翔か?翔先生の事か?翔兄の机なんかとんでもない物出てきそう見たいけど怖い!校長の銅像にキスなんて、死んでもしたくないっつーに!!』
「長々とツッコミご苦労様〜」
ちょ、マジムカつく!人が息切れする程頑張ったのに。小指思いっきり踏むぞゴラァ!あれめっちゃ痛いんだからな、泣きそうになるんだからな!
「まぁ、それは冗談として…」
『その上冗談!?』
「罰ゲームの内容、決めた♪」
いや、そんな極上の笑顔で言われても、キモいから。何か企んでる事山のごとしじゃない。
「なんか言った?」
『何でもありません青海様!』
あぁー恐い恐い。そうだった。コイツは、人の心を読む人間離れしたヤツなんだ。
『あ、あの、それで結局罰ゲームは……?』
「ん?ああ。それは」
『それは……?』
あたしはゴクリ、と唾を飲みこむ。うわ、冷や汗かいてきた。
「一週間俺の奴隷」
目の前のコイツは、それはもう、これ以上ない程の笑みを浮かべて言いましたとさ。
浅野 舞、14歳。人生最大のピンチ到来です!
★キャラクターファイル★
・高梨青海
年齢:14歳
身長:172cm
体重:57kg
特技:ポーカーフェイス
コンプレックス:なし
座右の銘:完全無欠
さわやか王子。ただし中身は腹黒ドS魔王。




