第15回戦 フォーリンラブ
†恋愛編†
◆第15話 フォーリンラブ
『補習が僕等を呼んでいる〜。インテリ教師が待っている〜♪アイツが事故る事を祈ってぇ、補習が消える事願ってぇ!さぁさぁ皆さん、お手を拝借♪』
こんにちは、舞です!え?今日?補習だよー、マジやってらんない。ついでにさっきの歌は舞作詞作曲☆
『あ、鈴!ちゃんと逃げずに来たね!』
校門で待っていた鈴に手をふる。あらら、やっぱ嫌そうな顔してるよ〜。
「なんでせっかくの夏休みに学校来なきゃいけないんだよ。」
『まぁまぁ、後で鈴が欲しがってたリングあげるから。』
「約束だぜ?」
エビでたいを釣るってね。昔鈴から盗ったリングをあげる(返す)わ。
『…にしても鈴、相変わらずな格好してるねぇ。』
今日の鈴の服装、赤いTシャツの上に乱れたYシャツ。ネクタイはゆるゆるで、斬新なベルト。赤髪には新たにオレンジのメッシュ入ってるし。校則破りもいいとこだ。
「でも今日はピアス外してきた。えらくね?」
『なんか夏休みに入って、更に派手になったなぁ。うわ、それタトゥー?』
「おう、かっこいいだろ?」
自慢気にニカッと笑う鈴。チャラチャラしてるのに、笑顔が無邪気なのよね。そのギャップにくらくらだわ!
数学の補習やる教室へと向かい、校内の廊下を私達は歩く。
「数学って先公誰だっけ?」
『鈴、たまには授業出ようよ〜。数学はあのインテリメガ──きゃっ!』
ドン!と誰かにぶつかった。この舞サマにぶつかるなんていい度胸してるじゃない!思わず転んじゃったじゃないか!!
「あ、ごめん!大丈夫?」
そう言って手を伸ばされた。ふむ礼儀はなかなかね。さて、どんな顔して────
「どっか怪我した?」
見上げて目が合った瞬間、ボッ!と顔が熱くなるのが分かった。
か、かっこいいーーーーー!!
「おい、舞?」
鈴が怪訝な表情で見てる(失礼だなこのやろう)。
『わ、私実は貴方の妹なんです!』
「舞!?」
「ええ!マジで!?」
(舞のボケ<正真>をボケ<天然>で返したァ!?何者だコイツ!)
※鈴の心の中
『あ、すいません。間違えました。』
「なんだ間違いかぁ。」
く、あまりに動転して変なこと口走ってしまった!
ヤバイわこれ。何がヤバイって、とにかくヤバイ。
なんか頬熱いし、息切れするし、心臓うるさいし……。
「じゃあ俺、部活あるから―」
はぅあ!行ってしまう!!
『ま、待って下さい!できれば名前と部活と誕生日と血液型と好きなタイプetc……。』
私が引き止めると、彼は振り返り、
「花形 嵐、サッカー部の三年生だよ。」
と、笑顔で言い去っていった。
さ、さわやか…!
『鈴…。』
「あん?」
『これがひとめぼれってやつ?』
「はぁ?」
――補習中―――――――――
『先生!こんな方程式より恋の足し算を教えて下さい!』
「帰っていいよ浅野さん。」




