表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/64

第13回戦 夏の夜のお約束≪後編≫

次回の続き。初、青海視点!!




『……ねぇ青海』


「なんだよ」


『どうやったらこうなるの?』


「どっかのバカ女がころぶ時さわやか王子を巻き添えにして、他の異端者等がそれに気付かない程マヌケだとこうなるんだ」


『不思議な道理だね〜。ひとつ勉強になった!』


「ああ、きっとテストに出るから覚えておけ」



『……で、どうする?』






◆第13話 怖さは後からくる






今の状況?さっき説明した通り。ようは俺たち二人は他の奴等とはぐれた。場所は海の前の砂浜。夜の海とか、かなり気味悪ィし。


『つまり迷子だね☆』


「どう考えたってお前のせいだろ」


『……青海、これは悲しい運命さ。運命とは人の力じゃどうにもならないの。だからね、誰のせいでもな──ぬにゃあ!!』


長々と責任転嫁を語る前に、鳩尾に一発いれた。っていうか、『ぬにゃあ』?どんな叫び声だよ。


『ぐ……青海。表情変えずに殴るとは非道なり!舞ちゃんその内泣くからな!?』


「うずくまって泣いてろ。爆笑してやるから」


『サド大魔王ー!!』


なんか魔王から昇進してるし俺。


『ああ、もうヤダ!私より幸せな奴みんな死ね!!』


何言ってんのコイツ?とうとう狂ったか?


『そして迷子になってる子達!今だけ同志になろう!!』


どんなキャンペーンだよ。



「……とにかく帰るぞ。はぐれたって言っても、旅館戻れば居るだろ。」


『バカね青海。迷子になった時は動かないのが1番なんだぞ?』


なんで帰るルート知ってるのに動かないんだよ。

それとその『だぞ?』ってなんだよ。●ッチの南ちゃん気取りかコノヤロー。


『って事で座った座った!今なら舞様の隣に居させてやろう』


「じゃあ俺帰るから」


バカ女を置いて旅館に向かう。こんな奴の隣にいたら、なんかウイルス感染しそ──


「のわっ!」


『ヤーダー!こんな暗い所に乙女を置いてくなぁ!!』


とりあえず乙女は人の足にしがみつかねぇ。






『星がきれいだねェ』


「そーですね」


『夜の海もなかなかだねェ』


「そーですね」


『あ、見て!満月だぁ!』


「そーですね」


『ウザイんだけどォ!!』


結局舞と居る俺。テキトーに相槌してたらキレた舞。

もうコイツ海に捨てて、俺だけ帰ろうかな?もちろん這上がれない様に重りつけて。




『……ねぇ私達今2人きりなんだよね?鳥肌たつよ』


「気が合うな、俺もだ」


夜のせいか、波の音以外まったくもって静寂。それに俺と舞の声が響く。


『そーゆー雰囲気になっても手ぇ出してこないでよ、アンタの事嫌いだから』


「そーゆー雰囲気って、どーゆー雰囲気だよ」


『なんていうか、このままキスしちゃう?海で甘酸っぱい青春しちゃう?みたいな』


「そんな間違い起こすの、あの変態女ぐらいだ」


『間違いってなんだ!!

っていうか、変態女って?岩本田野宮・クレーシュリィさんの事?』


誰だよ。そして何人だソイツ。


「あの…なんだっけ名前。あ、思い出した。葉月 流華だ」


『流華の事か!そういえば何気にフルネーム出たの、本編じゃ初めてだね!』


本編とか言うな。


「……お前さ、アイツ―翔の事好きなわけ?」


『当たり前じゃん』


俺の唐突な質問に、ムカつくぐらいの早さで即答する舞。闇に目が慣れ、強い月光もあり、お互い表情は見えてるだろう。


『そーいえばアンタ、翔兄の事毛嫌いしてるよね。なんで?』


キョトン、とした顔で聞いてくる。


「俺は―……」



ジャリ、


「『?』」



突然、背後から砂を踏む音がなる。


そういえばここ、昼間聞いた噂の場所……。ジャリ、ジャリ、ジャリ──


『お、おうみ……!』


「ひっつくな」


『だ、だって未知との遭遇しちゃうよ!やっぱり挨拶は全国共通のHELLO?でも慣れ慣れしいって思われる!?』


知るか。だいたいなんで英語なんだよ。


「幽霊なんて非科学的なモノ…」


そう言って振り向いたら


「見ぃつけたぁ〜」


『ギャァァァァァァァァ!!って、アレ!?』


「なに迷子になってんだよお前等。ほら、帰るぞ」


「……翔」


そこにいたのは、俺のワースト5には入るだろう、高橋 翔だった。


『翔兄ィ〜!怖かったよォ!魔王といても、全然頼りにならないんだから!』


足にしがみついてきたのは、何処のどいつだ。


『よし、旅館へゴー!!』


なんだかんだで、俺達の迷子タイムは終わった。









『旅館、到着!!』


「舞ー!!心配したよ〜!!」


「何処にいたんだよ舞!」


着いた途端、舞に抱きつく葉月 流華と鈴。目に痛いから、詳しい解説はできない。ってか、したくない。


「良かった、無事戻ってきて」


「幸希。いや、なんか翔が

「あ、やっぱり自力で戻ってきたじゃんコイツ等」


……は?


『アレ?翔兄!?』


教師にあるまじき台詞を吐いて、奥から出てきたのはさっきまで側にいた張本人。


「まったく、中学生にもなって迷子になるなよなぁ。流華なんか探し行くってうるさかったんだぞ?」


…そういえば、いつのまにかあの翔がいない。


「……翔。お前ずっとここにいたのか?」


「ん?ああ。青海なら道分かるだろうと思って。めんどくさいとかそういう理由じゃないからね?信用してたんだからね?」



『え、じゃあさっきのって──?』


「………………」









  夏夜の不思議な体験



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ