第10回戦 終業式
ガヤガヤ ザワザワ
ザワザワ ガヤガヤ
「えー、…つまり、……で…だからであっ『きゃはははははははは!!』
「マジで!?」
「うわぁー!!」
「…………」
◆第10話 締め括りは豪勢に
「翔先生」
「なんですか?教頭先生」
「あなたのクラスかなりうるさいんですが。ついでにその伊達メガネ外しましょう」
「あぁー、そうですね。もしかしてうるささ1番?賞下さいよ」
「どんだけ不名誉な賞?
校長の話が聞こえないじゃないですか。それとその伊達メガネ外して下さい」
「大丈夫ですよ。校長の話は8割がいらない事だから」
「どこが大丈夫?早く静かにさせて下さい。あなた担任でしょう?あとその伊達メガネ外しなさい」
「そんな簡単に黙るなら、さっさと……いや、やってないな。かったりぃし」
「アンタなんで教師になったのですか。ってかその伊達メガネ外せ」
そんな不毛な言い争いの中、終業式は終わった。校長は泣いていたとか、いないとか。
◇
「えー、ハゲの長い話も終わり(聞いてなかったけど)、俺等は自由を手にいれた」
静寂のなか、ゆっくりと鈴が言う。★青春ゲーム★にあるまじきシリアスムード──
「って事で………夏休みだぁぁぁぁぁぁー!!」
「「『オオォォォォォォォォ!!』」」
──ではなかった。まぁ、ジャンルがコメディーだしね。っていうか、シリアスなんかになったらこの舞ちゃんがぶっ壊す♪
「んでんで、提案なんだけど、夏休み海行かねぇ?伊豆に俺の親戚が旅館やってるんだよ」
海ですと!?なんて素敵な提案!さすがは私の相棒☆
『ナイスよ鈴!もちろん行くわっ!』
「舞が行くなら私も行く」
そうくると思ったわ流華vv女は愛されてなんぼね!
「やたっ!じゃあ、あとは……」
くるっ、と首をまわす鈴。なに?誰を探してるんだ?
「幸希、青海ー。お前達も来る?」
は、はぁーーーーー!?
『何言ってんのよ!アイツは人の皮被った化け物よ!そんなの呼んだらエンジョイできないじゃん!』
「えーでもさ」
『もういい!コンビ解散よ!あたし、普通の女の子に戻ります……!!』
ああ、涙が出てくる。今ならキャン●ィーズの気持ちが分かる。
「バカ舞!普通の女の子に戻るとか言った奴に限って、結局復帰したりするんだよ!キャ●ディーズがいい例だ!」
くっ!私の考えを読まれた!?まさか平成をバリバリ生きる鈴が●ャンディーズを……。アンビリーボーだわ。
「誰が化け物だって?」
『げっ』
「なんだよその顔」
降臨なされたよ魔王が。
「あ!青海。行くよな?」
あ、鈴余計なことを!!
「まぁ、暇だしな。行ってやるか。幸希、お前も来るだろ?っていうか来い」
「拒否権なし?別にいいけどさ」
『えー!幸希はいいけど、マジで青海来るの!?』
「じゃあ来週の火曜日な」
『シカト!?ちょっと鈴ひどい!私達の仲なのにぃ!!』
「詳しい事はメールするから」
更にムシしたよコイツ!天下の舞様が、このまま引き下がるとでも思ってんのか!?
『ちょっと待ったぁー!』
大声でストップをかける。あ、やっと静かになってくれた。舞感激☆
『私達はまだ純粋な子供!保護者同伴にすべきよ!!』
「でも、誰を………?」
いいところを聞いたわね幸希ッ!さすがツッコミ!
『そんなの決まってるじゃない!マイダーリンよ!!』
腰に手をあて、堂々と言うあたし。素直が1番だもんね★
「「「マイダーリンって……」」」
みんな同じ方に視線をうつす。そこに居るのは──
『って事で、翔兄!よろしくねェェェェェェェェ!!!』
「………は?」
楽しい夏休みが待ってます♪
「え、いや、……は?よろしくって──…は?なに?俺?」
約1名を除いて………………。
次回から夏休みvV