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あの時、私は  作者: あき
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第4話 目覚め

「う、うう。」

あみは苦しそうな声を出した後、意識が戻った。

「は、美波!!大丈夫!?」

そう言って起き上がったあみの目の前には見たことのない光景が広がっていた。

「え、どこなのここは?」

あみは辺りを見回した。小さな木陰の下にいたあみの目の前には見たことのない建物、そして沢山の車が遠くから見えた。

「ここって広島なのかな?あれは車?あんなに走っていたかしら?あんな形だったかな?」

あみは呆然としていた。なんとか冷静になり、今までの記憶を呼び起こして自身の状態を整理していた。

「私は美波と国民学校の勤労奉仕に向かっていたんだよね。その後、美波が空を指さしたから見てみたらアメリカ軍の飛行機があって。」

あみはなんとか状況を把握しようとする。

「その後眩しい光に包まれて、あー、その後のことは分からないや。いつの間にかここにいたし。」

美波に訳が分からない恐怖が襲いかかる。

「ここは本当にどこなんだろ?みんなは?美波は?」

知らない所に独り残されたあみは泣きそうになっていた。

「と、とにかく歩こう。ここがどこか突き止めなきゃ。美波も探さないと。」

あみは歩きだす。その足は自然と広島市の中心街に向かっていた。

しばらくしてあみは街の中心街に来ていた。

あみは手がかりを得るために、とにかく、道ゆく人に話かけた。

「あ、あの!ここはどこですか?」

しかし通行人はあみの声が聞こえていないのか、隣を通りすぎる。

あみはめげずに声をかけ続ける。

「あの、道に迷っていまして。」

「あの、無視しないで!!」

誰もあみを相手にする人はいなかった。

「はあ、知らない人に声をかけられたら怖いのかな?」

あみは肩を落としてとにかく歩き続けた。

しばらくしてあみの目の前にボロボロになった建物が目に入る。

「え、なんなのあの建物?なんか見たことある形をしているな。」

あみは建物に向かって歩き出す。

あの建物にこの街の秘密があるような気が、あみはしたのだ。

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