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あの時、私は  作者: あき
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第3話 8月6日

8月6日の広島。この日も、いつもと変わらない1日になる。誰もが信じて疑っていなかった。あみと美波はいつも通り路面電車に乗って国民学校に向かおうとした。

7時9分になった。すると街中に空襲警報が発令された。

ウーー、ウーーと広島中にサイレンが鳴り響く。あみは美波の手を取り避難場所に急いだ。

「美波!聞こえたでしょ!空襲警報だよ。ほらこっち。」

美波は怖がりながらもあみの手を離さない。

「うん。早く逃げようお姉ちゃん。」

姉妹は近くの防空壕に逃げた。そしてしばらくして、7時31分に空襲警報が解除された。

あみと美波はほっとし、防空壕から出る。

「朝から空襲警報が鳴るなんて。」

あみは疲れ切った表情で美波に話かけた。

「もう怖かった。とりあえず何も起きなかったからよかったな。」

2人は再び国民学校に向かった。


その頃、8時6分。広島市から東に離れた松永町(現在の福山市)の見張り台では、

「米軍機が襲来しました。広島市の方に向かっています。」

観測部隊がそう告げると上官が即座に命令を出す。

「総員直ちに外部に連絡をしろ。再び空襲警報を発令せよ。」

観測部隊が空襲警報発令をさせようとしていた時だった。

8時15分を迎えた広島市内、あみと美波は国民学校の校庭にいた。

美波があみに慌てた様子で話かける。

「お姉ちゃん!!空を見て!!」

あみが見上げると、そこには一機の米軍の爆撃機がいた。

「え?空襲警報はさっき解除されたよね?」

あみがそう美波に返答した瞬間、突如白い光が辺りを覆った。

「きゃあ!!眩しい!!」

あみは目を両腕で隠した。

「お姉ちゃん!!」

美波がそう叫んだ瞬間、辺り一面に強大な爆風と熱線が襲いかかった。

「きゃあああ!!」

あみと美波は爆風に巻き込まれ意識を失った。

1945年8月6日8時15分17秒、広島に人類の歴史上初めての核爆弾による攻撃が行われた瞬間だった。


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