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ナーシャお嬢様の疑問(二問目)

誤字修正しました( ..)"

僕が公爵邸の騎士訓練所で、騎士に軽業を披露していたとき。


訓練を見物していたナーシャお嬢様が声をかけてきた。


「サリュ君って、他の騎士とは違う動きしてるよね。なんで……?」


純粋に疑問らしい。


「僕の技は、貧民街で教わった我流の技なので、騎士の動きとは違うんです。正式な動きを覚えるのが今の目標ですね」


ナーシャお嬢様が目を見開いた。


「まじで……? サリュ君って、ロッソ卿のご子息なんじゃないの!?」


知ってるものだと思ってたんだけど、違ったんですね。


「僕の生まれは、実はよく分からないんですよ……」


「どういうこと?」


「母が言うには、赤子の僕がある日突然、母の腕の中に降って湧いてきたそうです」


「なにそのファンタジー!」


でたお嬢様の異国言語。

なんとなく、驚いてるんだろうなってことしか分かりません。


「母は僕を神からの授かりものだと思ったみたいです。心底見捨てられなくて良かったと思いました」


見捨てられていたら、僕はここに居ないと思うから。


「ほんとの話なんだ……。からかわれているのかと思った」


それも面白いかもしれないけど、真面目に聞かれたから真剣に答えてみました。


「でも実の親が誰かとかは気にしてないんです。父上に目をつけられるまでは、貧民街でしたけど、それなりに幸せに暮らしてましたから」


あの日の酒場での舞台が僕の人生を変えたんだ。


過去を振り返ろうとしたとき、ナーシャお嬢様が複雑な表情で手を握ってきた。


「いまは幸せじゃないってこと……?」


ちょっと泣きそうになってる?


「いえ! 決して今が不幸だと言っているわけではありません。衣食住には困りませんし、騎士団長の跡継ぎとして大切にされているのも分かります。なにより、ナーシャお嬢様がいますから!」


安心させるように笑いかける。


「サリュ君って天使なのでは……破壊光線やめて、人魚姫みたいに溶けて消えちゃったらどうするの……! 人魚姫は泡だけど!」


うん、いつもの調子が戻ったようでなによりです。


「お嬢様の疑問は解消されましたか?」


からかうように聞く。


「別の疑問が残っちゃったよ……! サリュ君が実は天使なんじゃないかっていう疑問が!!」


天使って、天からの使いってことだよね?


あながち間違いじゃないのかもと思うけど、それを言ったらナーシャお嬢様の収拾がつかなくなりそうだから、やめておきます。

お読みいただきありがとうございました( ..)"

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