朝起きたら左利きになっていた
第1章 日本人の大半は右利き
第2章 スポーツでは結構文化が発展している
第3章 厄介な物 ⓵駅の改札
第4章 厄介な物 ⓶自動販売機
第5章 厄介な物 ⓷銀行のATM
第6章 厄介な事 ④バイキングでメニューやスープが取りにくい
第7章 厄介な事 ⓹はさみやカッターなどが使いにくい
第8章 厄介な事 ⓺マグカップのイラストが見えない
第9章 左利きの矯正がうまくいくと両利きになる可能性もある クロスドミナンスという
第10章 動物にも利き手利き足があるようです
第1章 日本人の大半は右利き
お箸を持ったりペンを持ったり釘を打ったり歯磨きをしたり、パソコンのキーボードを叩いたりすることは何だかんだいって結構あるかもしれないがそのほとんどは右手を使う事を想定して作られている。日本での左利き人口は約11%と言われている。基本的には大多数の人間に受け入れられるように世の中はなっている。少数派になると何かと不自由することが増えるようだ。
物語の主人公の工藤真一は朝目が覚めた時に違和感を感じた。何故か左手が軽く、右手が重く感じた。
な、なんなんだこの感覚。これってもしかして右手と左手が入れ替わってるって事か?」
とりあえず現在の状態を家族に説明した。
「父さん、母さん。俺昨日から利き手が右手から左手に変わったみたいだ。何か不自由な事が起こるかもしれないけどその時は助けて欲しい。」
「箸の持ち方がぎこちないのはそのせいか。確かに左手で箸を持つのもあまりやった事はないからちょっとずつ共感していかないと何かと不自由なことが多そうだ。」
「左利き向けの物というのも世の中には存在するみたいだから調べておくね。」
「ありがとう。今後どうなるかわかんないけどちょっと自分一人だけでは解決が難しいかもしれない。」
実際の家族関係もこのぐらいスムーズにいけばいいのですが中々厳しいですね。
学校についてからも左利きになった事を友達に説明した。
「なんだか気がついたら利き手が左手になっちゃったんだよね。ノートを試しに描いてみたんだけど書いた部分と手が擦れてすごい手が汚れるんだ。もし可能であればあとでノートのコピーとか取らせてもらってもいいかな?」
「とりあえずは問題ないけどいつまでもその状態が続くのはやはり少し問題がありそうだね。右手に矯正し直すことはできないのかな?」
「なんでそうなったか理由も解らないしね。医者にも見てもらう予定だけど多分解決はしないよ。」
こうして自由か不自由か解らない私の日常が始まった。
第2章 スポーツでは結構文化が発展している
最も左利きが多いスポーツはフェンシングらしい。競技人口の50%が左利きのようだ。野球も左投げができるピッチャーをサウスポーなどの名称で優遇したりする。また、左で打てるバッターは1塁ベース迄の距離が短くなるのでやはり有利になるらしい。ただ、やはり限られた人にのみ到達できる世界なので簡単には活躍できそうにない。サッカーは左利きでも有利とも不利ともし難いスポーツでやはり競技人口も平均的なようだ。逆に左利きが少ないスポーツはゴルフらしい。道具が左利きの人を想定していないので中々大変なようだ。普通に道具を揃えたりプロテストを受けるだけでも大分お金がかかりますしね。空手や柔道なども左利きが有利らしい。有能な選手でも左利きの人と常に練習して慣れていないと裏をかかれるようだ。
とりあえずサッカーは9年間やってきたが利き足も変わったことで相手の意表をつけるプレーが可能になった気がする。ただ、身体能力はあまり高くないので将来的に活躍できるかは疑問が残る所だ。後々調べた限りだと左手を使うが右足が利き足という人もいるらしい。
練習後にサッカー部の部員とこんなやりとりをしてみた。
「あんまりサッカーうまくはないけど体の特徴まで変わると流石に動きが読みづらくなるな。さっきのフェイントは正直よめなかったよ。」
「右足が使いにくいから左足でできることを大分必死に考えましたからね。」
「ところで野球はやってみようとは思わないの?左手なら多分野球のほうが有利だよ。」
「野球は肩ができてないとまっすぐボールを投げられないから厳しいと思う。ピッチャーで起用されてもあまり期待に応えられそうにないな。」
「まあ得意なことを伸ばしていく方が確かに大事かもね。余計な心配だったか。」
聞き手は機能する脳にも影響を与えるので新しい発想を生み出すのに影響することがあるらしい。左利きの場合、右脳で動作をするケースが少なくないようです。
第3章 厄介な物 ⓵駅の改札
最近はスイカを使って改札を通るのが一般的になってきたが電車で改札を通る時がとにかくやりにくい。切符でも同じだが、とにかく改札を通る時は右手の人を想定して改札が作られているので左手だと通りにくい。マイペースにやっても良ければ問題はそれほど深刻ではないが、ラッシュ時などは結構込み合うのでそういう時にうまく対処するのが難しい。 改札についての愚痴を友達と相談してみた。
「駅の改札って左利きだとすごく通りにくいことに気づいて絶望した。」
「まあ人口の9割が右手だったらそういう風になっちゃうだろうね。何か対策とか考えてみたの?」
「一応考えたけど正直対策のしようがないね。利き手以外の右手を使って財布などと同時にスイカを落とす可能性が高そうでぞっとすることが多くなりそうだ。自撮り棒のような棒を左手で使う方法を考えたけどこれはこれで難しいし邪魔だから無理という結論になった。」
「わるいな。おれやっぱ明日から改札が左手対応になったらへこむから応援しようがないわ。」
「正直に言ってくれるだけでもうれしいよ。」
「そういえばバスの場合はどうなのだ?」
「スイカが使えればそれほど支障はないけど、小銭で払う場合は正直払いにくい。一応私は障がい者手帳持ってるのでこれを提示するとバスが半額になるけど、これを持ちながら半額分の小銭払うのも結構大変かな。」
第4章 厄介な物 ⓶自動販売機
自動販売機にも利き手の影響を受ける部分がある。駅の券売機などもそういう部分が残っているかもしれない。硬貨を入れるのがまず大変です。また、出てきたときに取り出し口が狭かったりすると飲み物などを取り出すのが大変です。
友達とこの件についても会話してみた
「そうか。夏場の滅茶苦茶暑いときにジュース買うのに苦労していたら大変だな。」
「左右対称の自動販売機があれば便利そうだけどそう都合よくは世の中なってないね。」
「でも最近はスイカで買える自動販売機があるから少し楽できるようになったよ。現金で取引しないのは個人的にはお金の重みを感じないから苦手だけどお金を落とすよりはましだしね。」
「自動支払いはお金を使う際の警戒心が薄れるのが怖いところかな。」
「将来的にはコンビニとかも無人化する可能性があるらしいけどどんな影響があるか解んないからそれも怖いな。」
第5章 厄介な物 ⓷銀行のATM
これも右手で操作するのを基本にしているので結構やりづらい。
暗証番号や口座番号などを入力する場合、テンキーが右側にあると押しにくい。
利き手でやらないと触った感触が解りにくくやりにくい。
友達との会話
「そっか、ATM使うのも大変なのか。振り込みなんかだと番号間違ったりしたら死活問題だし怖いよね。」
「そうなのだよね。番号押すのが結構大変だし、決定ボタンがすごく押しにくい。」
「もう諦めて窓口で対応してもらっているよ。手数料はかかるけど要件を使えればやってくれるのは正直助かる。」
「操作したはいいけど振込先が対応してない銀行とかだったらかなりがっかりしそうだな。まあ窓口でやってもらうのが確実かな。」
「そういえば窓口の整理券貰うのも右利き対応だな。やっぱり何かと面倒だ。」
第6章 厄介な事 ④バイキングでメニューやスープが取りにくい
家族でバイキング形式のお店にご飯を食べに行ったが、ここでも苦戦を強いられた。バイキングの取る道具もやはり右利きの人に対応しているのだ。時間制限もあるので急いでメニューを取りたいが、取る機材が複雑だったりするとなかなか取れない。あと、一番厄介なのが右手に対応したお玉だ。スープをすくおうとするとかなりやりづらい。
両親と食べながらちょっと相談してみた。
両親との会話
「やっぱり左利きの人には難しい配置になっているな。困った。」
「トングなんかは割と普通に使えるようだな。ちょっと安心した。」
「ただ、トングを置く場所が右手仕様になっているのがちょっと不便。」
「それはそうとスープをすくうのに結構苦労していたな。」
「一般的なお玉は右手に対応して作ってあるね。ここではなかったけど最近のファミレスでは両利き様に対応したお玉もあるみたい。お玉のすくう部分が左右にラグビーのボール状に広がっていて左手でも注ぐことができるらしい。」
「個人でやっているお店とフランチャイズでやっているお店だとどっちのほうが広まりやすいのだろうね。とりあえずアンケート用紙とかあったら積極的に書いていくか。」
第7章 厄介な事その ⓹はさみやカッターなどが使いにくい
はさみには右利きに向いている右利き用と左右均等になっているはさみと左利き用のはさみがある。左利きの人が右利き用のはさみを使うとしっかり切るのはとても難しいようです。カッターは左手で右手用のカッターを使うと刃が上に出てしまいますので非常に使いにくいです。
友人との会話
「何か片方の穴が大きくなっているはさみがあるんだけどあれ使いにくいんだよね。」
「どんなふうに困っているの?」
「とにかく持ちにくい。後まっすぐ切るのがすごく難しくなるね。」
「左右均等になってるはさみは大丈夫なの?」
「若干違和感あるけど何とか大丈夫だね。」
「左手用のはさみってどんなはさみなの?」
「右側向けのはさみの逆側が穴が大きくなってるね。」
「カッターはどうなの?」
「左手でやろうとすると刃が上になっちゃうからこれは本当に専用の用具がないと厳しい。只管特訓して右手でできるケースもあるみたいだけど俺には無理だなあ。定規当てて切る場合だとかなり難易度高いね。」
「昔は肥後守で鉛筆削ったりしてたけど左手だとどうなるんだ?」
「正直持ちづらいね。力加減もうまくいかないしちょっと扱いづらい。」
「ほんとよくわかんないところで苦労するな。まあめげずにがんばれ。」
「了解であります。」
⓷マグカップのイラストが見えない
マグカップも右利き用に作られているのが一般的ですがあまり両面にイラストが描かれたマグカップは多くない。かわいいイラストを見ながら飲み物が見たくても右手用のマグカップだとイラストが裏側に回ってしまいイラストを鑑賞することができなくなってしまうのだ。せっかく買ったおしゃれイラストが見れないのはちょっと残念。
友達との会話
「個人的に大好きなマニーちゃんのマグカップを買ったんだけどイラストが正面に来なくてなんか悔しい。1000円もしたのにこの仕打ちは無いわ。」
「なるほど裏になるとイラストが見られないのか。全面にイラストが描いてあるマグカップ買うようにすればよかったんじゃないか?」
「マニーちゃんのイラストじゃなきゃ意味ないんだよ。作者をネット上で調べたことがあるけど筆が遅いので滅多に絵を描いてくれないファンには眉唾物の代物なんだ。うまい表現が解らないが、なんか熟年離婚した気分だ。」
「マニーちゃん人気出るといいんだけどな。」
「作者の本業は会社の監査役らしいからすごい忙しいらしいっす。」
「とりあえずファンレターでも書いてみる?」
「週一で送っていたらもう送ってこないでくださいって怒られた。」
「そうか。本当に好きなんだな。やっぱり毎度おなじみだが 頑張れ。」
「今回ばかりは慰められてもどうしようもない。」
第9章 左利きの矯正がうまくいくと両利きになる可能性もある クロスドミナンスという
工藤は病院などに通い懸命にリハビリを続けた結果右手も使えるようになってきていた。つまり両利きになったのだ。
友達との会話
「やったじゃん。まさか両利きの人が知り合いにいるなんて思わなかったよ。」
「でも世の中は結構広くてな。アメリカには28%も両利きの人がいるらしいぞ。」
「マジックでも勉強してみたらどうだ?かなり意外性のある芸ができるかもしれないぞ。」
「実は柔道はじめたんだよね。左右どちらから攻めてくるか解らないから相手が対応できなくて結構勝てるよ。」
「左利きだと習字描けないらしいけど両手だと書けるのかな?」
「まあ俺の字を書くセンス自体が残念なのであんまりうまくないな。ただ、字をはねたりすることは一応できるようになったね。」
「将棋打つ場合右と左どっち使うんだ?」
「左だね。業界では右手なのにあえて左でうつ選手がいるぐらいだからそれに便乗してる。」
「右手でけん玉しながら左手でハンドスピナー回したりできる?」
「考えたこともなかったわ。ただけん玉は結構重心かかるから厳しいかもな。」
その後色々な芸を身に着けた工藤はテレビで紹介され大物になって人生を成就することになるがそれはまだ先の話。
第10章 動物にも利き手利き足があるようです
これはネットでいろいろ言われてるんだけど信ぴょう性のあるデータをどうやって集めればいいのか解らなかった。
家族との会話
「ネットの情報だからほんとかどうか解らんが、猫42匹使ってどっちの手で猫パンチするか実験した人がいるらしい。」
「結果はどうだったの?」
「ほぼ真っ二つになりましたとさ。右50%左50%だね。」
「鳥の羽にも利き羽とかあるのかな?」
「もうマニアックすぎてついていけないわ。ただ、鳥の利き足を調べた人はいるらしいぞ。どっちの足で餌を抑えるかで利き足が解るらしい。インコを322匹使って実験したようだ。」
「結果はどうだったの?」
「47%が左利き、33%が右利きで、残りは両利きだって結果みたい。」
「ちなみに某有名動物園のパンダはどっち利きか知ってる?」
「お前の質問は核ミサイルより怖くて心臓に悪い。」
動物園の飼育員さんや名前を覚えるほどの動物好きの方がいつかこの謎の多い世界を明らかにしてくれることを切に願うのみである。せっかくある両利きのお前も動け工藤。