詐欺師の手口その1
こんばんは。少し更新期間が空いてしまいました。いつもご覧いただきありがとうございます。
今回は詐欺師の手口についてご紹介します。ただ、彼女は親密な関係を築くのがとても上手なので、これが原因で仲の良い友達を安易に疑ったりすることはお勧めしません。
Bonnyからは毎朝9時前後、昼前、午後三時前後、夜とある一定の時間に連絡がきた。社長暇なん?と思うくらいの頻度で。でも、平日でも土日でも、連絡がつかない時間帯は全くつかないので、今思えばその時は別の人をターゲットにしていたのかもしれない。
最初は「私明日早いから、もう寝ますね。」と言って、さっさとメッセージを打ち切るようにしていた。すると大抵彼女からは、「私たちは暇な時間に交流すればいい。良い夢を。」というようなメッセージが送られてきた。おぼつかない日本語だったけど、「日本語は勉強中なので大目に見て下さい。」と自分から言ってきたので、私は特に疑いは持たなかった。
私が宿泊施設を経営していることを話して、インバウンドのお客様を得るためにインスタを始めたことを話すと、「私があなたの店の初めての海外旅行客になるかもしれませんよ?」というメッセージがかえってくる。懐に入るのが本当に上手。
彼女は若いころは弁護士で、現在は両親の経営する服飾貿易会社の後を継いだ女性社長。大学を卒業して間もなく結婚、当時は夫が社長を継いでいたが、彼は三年間海外へ単身赴任中に秘書を愛人にしてしまったそうな。帰国後も愛人である秘書と一緒だったが、妻である彼女はそれに全く気が付かなった。ある日夜食を届けた彼女は、夫と愛人の情事を目撃、一週間で離婚したらしい。口には出さなかったものの、さすが弁護士、離婚までの期間がすっごい短い!とか変なところで感心しながら慰めのメッセージを送ったりしていた。でも、正直こういう話題は私は興味がない。どちらかというと、店の経営のこととか、そちらの話を振ると、辣腕コンサルかと思うくらいの容赦ない意見が飛んできて、そちらの方がとても新鮮で楽しかった。たまにこちらがめげるくらいの辛辣な意見が来るので、社長という肩書に関しては全く疑いを持たなかった。このころになると、山奥に住む私の両親の話など、私の個人的な話もたくさんするようになっていった。彼女は山の景色がとても好きで、私の両親が営む山奥のコテージにも泊まりたいと話していた。実際、彼女のインスタには登山の動画や写真も多くあり、自然が好きなことはとても伝わってきた。
徐々に距離を詰めてきた彼女は、ある日こういった。「私は一人娘で姉弟がいないから、私はあなたのことをお姉ちゃんと呼んでいいですか?」可愛い。とても可愛らしい。そしてこう言った。「姉はこれからアンディと呼んでください!アンディは私の本当の英名です。Bonnyは私がインスタグラムで他人の名前を教えただけです。」
その後彼女はより自分のことを話すようになって、本名は楊佳慧(多分偽名)と名乗った。そして彼女の社長としての生活、コロナを乗り切ったその手腕を語りだした。
この手口、すごいと思いませんか?私もまだまだ経験不足ですが、距離の詰め方、そして本当の名前(多分偽名)の伝え方。
Facebookとかで詐欺っぽい勧誘は本当にたくさん来るんですが、いきなりバラの花の写真を送ってきたり、初めましての挨拶からいきなり美しい人とか、親愛なる友人とか、距離の詰め方バグったメッセージしか見たことがなかっただけに、全く疑いを持ちませんでした。