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王暴の魂塊譚〜家に隕石落ちたから旅に出る〜  作者: 大正水鷹
王暴編

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第79話対第二護神教対策会議

 アクフは自身が王暴出会ったことを報告するために、ファラオのいる王宮に訪れていた。


「はい、ですから、俺は護神教が言っていた王暴という存在だったようです。まず、俺のせいでこんな大きな戦争の火種をエジプトに降らせてしまって申し訳ありません。」


 アクフは報告を終えて、ファラオに頭を下げて謝罪をする。


「面を上げよ。なに、前々から薄々尋常ではない存在ではないかと思っていたが、まさか、護神教が言っている王暴だったとはな。しかし、今更お主と敵対することはしない、王家に伝わる真実を見抜く魂塊が善の存在と判断したのだ。その結果を信じ、来る護神教に備えて部隊を編成するだけだ。」


「っ!寛大な処置、感謝します。」


「嗚呼しかし、お主が大きな力持つなら、お主を中心として軍を編成したほうがいいか。確か、調べた通りなら王暴は、人知を凌駕するほどの速さで動けるのだろう?なら、今余らせている遊撃隊に管轄している部隊を移して、敵将を撃つことに専念せよ。」


「はい、承知しました。」


「しかし、そうなってくると我の一存で決めてはいけないな。いくらすべての兵を配置する権利があったといえども、それを行使して本来勝てる戦いを逃してしまうことは避けたい。今から御仁を集めよう。作戦会議だ。」


 ファラオがそう言って、傍に控えていた人間に指示を出して御仁を集合させるように命令した。


 それから、数十分後、自らの管轄する軍の訓練や各地の厄介事を解消するために散らばっていた御仁がファラオのものとに集結した。


「よく集まってくれた。今回招集したのは、対護神教に関して絶対に周知しておいてほしいことが、出来たからと今後近い内に攻めてくるゆえ、具体的な策略を立てるためだ。」


 ファラオの言葉を聞いて、シラモが真っ先に質問をする。


「ファラオ様、その絶対に周知しておいてほしいこととは何なんですか?」


「それに関しては…………まあ、我の口から言っても構わぬか。寧ろその方が後々時間を取られないな…………よし、今回絶対に周知しておいてことは、我らが御仁に最近入ったアクフは、護神教が狙っている王暴であるということだ。」


 そのファラオの言葉に、一同は驚愕の表情を浮かべながらも様々な反応をして困惑し始める。


「っ!待ってください!アクフが、護神教が宗教戦争を起こした原因の王暴という存在なら、御仁の務めである民を守るために首を差し出すのが、務めなのではないですか!」


「シラモ、それに関してだが、護神教を私のソフィーナト(太陽)シャンシン(の船)で見たら、話の通じるような状態の手合ではなかった。アクフの首を持っていったところで、それはそれとして、内部の戦争好きの阿呆が扇動してこの国が王暴を匿っていた人類に仇をなす国家だと周知して潰そうとしてくるだろう。だから、そんなことをしても、現時点での戦力を削るだけだ。」


 ファラオが冷静に説明すると、興奮していたシラモは「ファラオ様のソフィーナト(太陽)シャンシン(の船)によってそういった結果が出たのなら、仕方ありませんね。」と言って落ち着いた。


 それでも、少し前まではそこまで実力のなかった存在が、一気に力を持っている護神教が全勢力を使わないと戦えないほどの実力者であったことに驚いている。


「あはは…………すいません。俺自身も結構突然に言われたのであんまり実感はないんですけど、強力な力が眠っていたらしいです。」


「そうだったのか、取り敢えず作戦としてはどうするんだ?このまま部隊を引き連れるにしても、護神教が全員出張ってこさせるほどの強さを持っているんだったら、一人、または少数での行動が好ましいと思う。」


 一番早く冷静になったソルバがそう提案する。


 ソルバが出した提案に対して、ソルバが冷静になっているなら自分も取り乱していられないと思って、急いで心を落ち着けたローガが質問する。

 

「しかし、その場合はアクフが元々管轄していた部隊が余ってしまいます。ここで部隊を分解して他の部隊に組み込むにしても、元々訓練している人間を話してしまうと、これまでの訓練が無駄になってしまいます。なので、そのままの部隊で先導する人間がいた方が戦力的には良いですが、そこはどうなんですか?」


「その件に関してだが、我が率いることとした。この最後の命をソフィーナト(太陽)シャンシン(の船)を使って華々しく戦場を彩ろうと思う。魂塊の回収は既に後任のファラオに任せてある。我はこの戦いで確実に寿命を捧げきって死ぬ。」


 スレトラルはシラモがファラオの言葉にショックを受けて、取り乱してしまうのではないかと身構えていたが、意外とぐっとこらえて、


「ファラオ様がそうおっしゃるのなら、私はファラオ様の家臣として最後まで与えられた任を全うするだけです。」


 といい、大人な対応をした。


「そうおっしゃるのでしたら、ごそれにしても、シラモが取り乱さないなんて、珍しいこともあるものだ。」


「よしてください。今はそんな事を言っている場合ではありません。ここでの意思決定が、今後の国の未来に左右する可能性が大いにあるのですから。それで、ファラオ様が率いる軍はどこに配置っするのですか?」


「それに関してだが、我は最前線常時交代制で見張らせつつ、護神教が攻めてきた場合、先に戦う役目につこうと思う。」


「その発言に関しては同意しかねます。敵の最前線と行ったら、どんな兵がいるのかわかりません。前の防衛戦争でも、魂塊を使用する兵士が他の軍よりも多かったという例がありますし、所見府殺し的な固有能力を持ったものがいた場合、最悪ソフィーナト(太陽)シャンシン(の船)が敵の手に渡ってしまう可能性すらあります。なので、仮に、最前線に出ると言っても、私かスレトラルの後ろがいいでしょう。」


 ファラオは、シラモの発言を聞いて少し考えるようなポーズを取って、数秒後に頭の中で答えを出した。


「確かに、そうだな。それに最前線となる街は死守しなければ、国民への被害がある。仮に最前線となる街が突破されたとしても、戦い自体に負ける訳では無いが、我々の存在意義としてはほとんど負けたことと同義。ならば、シラモ、スレトラルが務めてもらう。我は街に侵入しようとしてくるものを蹴散らすことにする。」


「賢明な判断だと思います。それでは、残ったアクフ、ローガ、ソルバの軍はどうしましょうか?」


 シラモがそう言うと、真っ先にローガが手を上げて発言しようとする。


「俺とソルバ隊長は、最前線と防衛線を巡回して負傷者の介抱及び、いるかどうかは定かではありますが捕虜の確保、敵対してくる存在の排除を担当します。」


「確かに、ソルバの治癒力は飛び抜けたものがあり、戦闘に生力を回してしまうのは少しもったいないくらいで、ローガも気持ちの高ぶり次第でいくらでも足の速さが上昇するが、それぞれの軍には先程言ったこの任についているものを配属済みだ。それでも負傷者の介抱がいるのか?」


 ファラオがローガをまっすぐに見つめて、その発言が心のそこからいいと思った発言なのかを問う。


「それに関しては、言い方が良くなかったかもしれません。私達が担当したいのは、ファラオ様や一騎当千の強者の介抱です。ここが崩れてしまった場合即座に戦況が悪化しますから、そこでソルバ隊長の魂塊の固有能力を使って、真っ先に回復させてすぐに復帰させるというものですが。どうでしょうか?」


「…………………………これに関しては、我が王家に伝わる魂塊であるソフィーナト(太陽)シャンシン(の船)の能力を秘匿しすぎたのが、良くなかったか。まあ、良い。ローガ、お主が言っていることは多少の寿命を消費が増えてしまうが、我一人で事足りることだ。お主は安心して各地での対処に当たれ。」


「申し訳ありません。出過ぎた真似をしてしまいました。」


「構わん。ここからは、直接的な戦争の話ではないが、ソルバやその軍にアクフから提供される地図を使って、竹戸やアクフに関連がありそうな場所に協力を要請しに行ってくれ。それが、開戦まで長引いてもある程度の戦力を集められるまでは戻ってこなくてもいい。我がなんとかする。戦場に戻ってきた場合は、可能であればで構わないが、連れてきた軍を統括しながら、状況を見て最前線か、街のほうかどちらかに回ってくれ。今すぐ行ってくれお前の足を信じている。」

 

「分かりました。その任、謹んでお受けいたします。」


 そう言って、ソルバは一早く会議の場から、自分の軍がいる場所に支度をするために向かっていった。


「さて、最後に今回の作戦の最高戦力であり、敵の討伐目標でもあるアクフの配置について考えよう。」


「俺としては、最前線がいいと思っていますが、ファラオ様の指示だったらどこの配置でも意義を申し立てるつもりはありません。」


「ならば、最前線。いや、護神教の最も強大な戦力である教皇のもとに進軍する。謂わば、最前線を超えた最前線。まるで、こちらが攻めるように敵陣を割り、教皇の元へと至りその首を取れ。」


 アクフはファラオの言葉を聞いて、真剣な顔で肯定の意を示す。


「それで、アクフが率いる軍だが、少数が良いとはいえ率いたいものがいる場合は、個別に武器を支給する。いつでも申せ。」


「何から何まで、俺に配慮してもらってすいません。俺は今のところ一人で戦うつもりです。なにせこの戦いは俺のせいで起こったと言っても過言ではありませんからね。」


「その件に関してはもう良いと言っているだろう。それに、我だって、度々王暴だ何だと言って他国の軍を派遣してきて戦争を仕掛けてくる護神教を良くは思っていなかった。だからそこまで気にする必要はない。」


「ありがとうございます。」


「さて、ここまであれやこれやと我が一人で決めてきたが、この決定に異論があるものが居たら、なんの遠慮もなく言ってくれ。」


 最後にファラオがそう聞く。しかし、この場にファラオの考え以上の案を出せる人間は居ない上に、そもそもの信用がある為、誰も反対意見を述べることはない。


「分かった。恐らくここから余程の珍事、又は緊急事態にならない限りはこれで、最後の会議とする。忙しい中集合してもらってすまなかった。直ちに持ち場についてくれ。」 

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