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王暴の魂塊譚〜家に隕石落ちたから旅に出る〜  作者: 大正水鷹
ウォーマリン編

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第65話神を模した魂塊化

 アクフが〘銃斬打旋棍(テルツェット)〙を受け取った後日。


 報酬の件でアクフはショランに呼び出されていた。


「アクフには色々とお世話になったから、父さんから報酬をとらせたほうがいい、って言ってたから、これ。」


 そう言って、ショランは山盛りになった金を指差す。


「アクフは普通に女性をあてがうとか、食べ物よりも、魂塊を強化できたほうが良いと思って、アクフが持っている魂塊を全員神を模した魂塊にできるくらいの金を持ってきた。」


「本当か!それは嬉しいな。それって2体分の金なのか?」


「二体どころか、これだけあったら三体も神を模した魂塊にできる。はっきり言って私からいうもの何だけと、最高級の報酬だ思う。」


「ああ!嬉しい。嬉しいんだが…………俺は途中から魂塊を神を模した魂塊にする術を知らないんだ。正直に言って、この金を宝の持ち腐れ状態になってしまいそうだ。」


「問題ない、手順は普通に神を模した魂塊を作るのとほとんど同じ。元々あった魂塊に金と追加の魂の欠片を纏わせて生力を使って再構築するだけ。アクフの魂塊の質を見たらもう追加して、魂の欠片を統合させる必要はない。」


「そうか!なら早速やってみるか!」


 そう言って、アクフはかつてソルバから聞いた神を模した魂塊を作るための方法を実践する。


 ディウルとハンクを取り出して、特殊な陣を描いて金を置く。


 そして、模す神を決める。


 ディウルは嵐などを司る神、セトにして、ハンクは水を司る神ハピにした。


 しばらく、生力を注ぎ込みつつセトとハンクを連呼して神をもした魂塊に作り変えることができた。


『ディル!!!』

 

 ディウルはいつもの鋭利な爪が生えていただけの姿から、エジプト特有の十字架と特殊なアイメイク、金色と青が織りなす色々な色彩が踊っているようなデザインになった。


『ブゥウォゥ!』


 ハンクもディウル同様にエジプトの神のような装いになってバファイとそっくりな見た目になった。


「よし!二人とも神を模した魂塊になったみたいだな!それじゃあ、個別能力を確認するか!」


 そう言いながら、アクフは〘銃斬打旋棍(テルツェット)〙にディウルを纏わせる。


 次に、個別能力を発動しようと生力を流し込む。


 すると、おそらく普段より凝固されているであろう。土刀が浮き上がってくる。


 (元々あった土の刀はいつもよりも硬い印象だけど、そこまで変わっていない。もしかしてこれは新しい能力を目覚めさせたほうがいいやつか?セトといえば、嵐の他にも戦争や数多くのことを司る高位の神。

 そんな神を模した魂塊だからおそらく戦闘に特化したような能力が目覚めると思うけど、どうかな。嵐、戦争、戦乱。戦争に関してはあまりいい思い出がないから考えたくないけど、例えば、元々ディウルは小型の嵐を巻き起こして獲物を狩る生物だったよな。)


 因みに『銃音風駕(つつねふうが)』はバディクルスオオモウルから着想を得て作っている。 


 (そこまで突飛な能力にしないほうが良さそうではある。そうだな。嵐に戦争と戦乱…………そうだ!爪を内包している竜巻作らせる能力に、いや!それだったら、ただの『銃音風駕(つつねふうが)』もどきだな。なにかもっと変えたい。

 そうだ!竜巻を円状にして相手を囲うようにすれば良いんだ!でも、それでもただの竜巻だな。もっと冷静に考えよう、大事なディウルの個別能力だ。適当なものにはしたくない。もうちょっと考えよう。

 そういえば、ヨヨリは俺の場合だったら何も指定せずに適当に発現させたほうが最終的には良いって言っていたな。やっぱり、強いほうが良いと思うし、ここは適当にやろう)


 更に生力を注ぎ込んで、ディウルの個別能力を発現させようとする。


 すると、突然として雲行きが怪しくなり、雷を伴いそうな雲が発生した。さらに、嵐のように鋼製の剣が雲から数多現れて空中に固定される。


 (おー!凄くかっこいい!これを動かしたりできるのか!?)


 そう思いアクフは動かそうと操作すると、予想を裏切りるかのごとく宙に浮かんでた剣はアクフの半径1メートルを衛星の様に回転する形を取った。


「珍しい、こんな仰々しい個別能力見たこと無い。もしかしたら、相当に強い能力なのかな」


「そうだと良いけど、なにか俺が触ってみた感じだと、これを止めることしか俺はできないんだよな。しかも、多分ショランが思っている以上に生力の消費が激しい。でも防御にはなりそうだから良いのか?なにかこの個別能力のすべては分からないがとりあえず、名前は『雲剣纏(うんけんてん)』にとしておこう。」


 考えことをしつつ、アクフはディウルの個別能力の使用を止める。


「よし、次はハンクの能力を見ようか!」


 (ハンクの能力はナルから見ないほうが良いと言われていたから、確認していなかったが、どんなハピ神関連の能力なのか楽しみだ。)


 そう思いながら、アクフは〘銃斬打旋棍(テルツェット)〙に纏わせる。


 そして、個別能力を使う。


 そうすると、目立った変化はなかった。


 しかし、


「凄い!なにか生力の流れが激しくなって、量が増している気がする!」


「えっ!生力を強化する個別能力、なの?」


「まだ、バファイとかと合わせて検証していないから、詳しいことは何も言えないがそうかも知れない。試してみる。」


 アクフはバファイを更に纏わせて、『超音剣』を放ってみると、以前のものよりも格段に威力が向上していた。


「凄い!これがあれば、今まで俺の実力不足で不可能だったことができそうだ!名前は『生力向上』にしよう!」


 アクフは言葉のボキャブラリーが制限される程感銘を受けて、これからに胸を踊らせながら能力の使用を止めると、さっきまでプラスして流れていた生力の取り立てが来て脱力感に包まれて倒れる。


「まだ修練もしていない個別能力だから代償はつきものだよな…………」

 

 アクフの意識は微睡みに包まれた。


――


『全く持ってあんな能力、目立ちすぎる上に強すぎる。』


「そうですね。アクフの運は私が観測した人間の中でもトップクラスです。しかし、そのかわりとんでもない不運が待ち受けていそうではありますが。」


 エネアーゼはため息をついているバファイに声をかける。


「それにしても、あの個別能力。凄まじいですね()()()()()()私に内蔵されている構造の上を行く最高の生力効率を誇っていますからね。まあ、トータルでは私の圧勝なのは揺らぎませんが。」


『ああ、あんなものでアクフが一気に力をつけてしまったら、間違いなく護神教の連中に見つかってしまう。今の段階で全面戦闘はまずい。まだ手持ちの魂塊も多くはない状況なのに出会ってしまったら、挑んでも巨大隕石の下敷きになるだけだ。』

 

「それで使ったらしばらく起きない様に生力を吸引して極力使わないようにしたんですか。大変ですね。アクフを護るというのは。」


『それでも、俺はアクフを守る義務がある。だからやらないといけない。』


「そうですか、それにしても以前と比べてアクフの周りに実力者が増えましたね。それに触発されたのか頑張ってくれるようで何よりです。」


『ああ、俺としてもアクフが急激にではなく、常識の範囲内で強くなるのは歓迎だ。来たるべき戦いに備えないといけないからな。』


「そうですか、私としてはその来たるべき戦いで、アクフの秘密がわかることを楽しみにでもしておきましょう。」


『それと、ちゃんと渡した生力でアクフを護ることに努めているか?』


「問題ありません。アクフの周りには相当の強さの仲間がいる上に、常に傷が広がらないように治癒していますからね。あの体制で死んでしまうようになる程の敵なんてほとんどいないでしょう。」


『そうか、なら問題はそこまでなさそうだな。』


「それにしても、この体制でそこまで警戒する相手なんて、いないと思いますがね。」


『いや、いる。奴らのトップは天使魂塊なる酷い力を使って運命を決めてくる奴だ。今の状態では絶対に勝てない。おそらくは"教皇と遭遇した場合必ず王暴は死ぬ"のような運命の予約をしまくって終わりにして来る可能性が極めて高い。』


「そんなとんでもない超常の力に対抗するのは、どのようなことをしても少し厳しいのでは?」


『いや、不可能ではない。なぜなら奴らの魂塊の能力は奇跡の類ではなく、高度な計算のもとに成り立っているものだからだ。つまり、その演算を不可能にするもしくは、死ぬ関連の運命を作れなくなるくらい強くなるしか無い。』


「トンチキですね。しかし、あれと対抗するためにはそうしかなそうですね。」


『ああそうだ。ということで俺はこれから用事があるから、行ってくる。』


 そう言ってバファイはアクフの寝ている寝室から出ていく。


「全くもって難儀な愛情ですね。」


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