第59話生力回収
二組となったアクフ達は、エネアーゼからどこに魔物がいるのか聞いて向かっていた。
アクフの方ではまたもや洞窟の中にいるらしく、ラミの『罪を裁く羽根』を使って凄まじい速度で飛行して洞窟内を探索していた。
途中にでてきたそこまで強くない魔物には『罪を裁く羽根』の羽根の爆発で蹂躙する。
閉ざされた狭い空間である洞窟を慣れた動きでスイスイと進んでいく。
高速で飛行していたためにあっさりと魔物が見つかった。
魔物の見た目はまるで巨大化させたミミズに猿の頭を生やして、カエルの足をつけたかのような生命に対する冒涜のような見た目だった。
(なんだろう。あの化け物を見ると、何故かどんなに生力を無駄にしようとも絶対に殺さないといけないって思ってしまう。いけない、一時の気の迷いで生力は無駄には出来ない!)
そんなことをアクフが考えていると、ラミがアクフ達地上に置いて爆撃を開始した。
『罪を裁く羽根』で羽根をひらひらと幻想的に落としてなにかに触れた瞬間、とてつもない轟音を纏って魔物を破壊しょうとする。
が、魔物は硬く、『罪を裁く羽根』の羽根一枚一枚の爆発では全然ダメージを負わないようで、ただ洞窟が揺れるだけだ。
それを察したラミは爆破ではなく、ビームに切り替える。
放たれた光線は、魔物の体をえぐる。
そこに、ナルが『毒藍苺』を放ち、魔物の動きを止めにかかる。
しかし、魔物もただ黙っているだけではなく、尻尾を振り上げてナルに振り落とそうとする。
「しまった!」
「大丈夫か!?」
アクフが『械彗狂飆』を作り『超音剣』で尻尾の一撃を弾く。
「大丈夫、ありがとう!」
その言葉を聞きながらアクフは、重い『械彗狂飆』はここではあまり向かないと思い、『土鉄ノ浮刃』に切り替える。
尻尾を刻んだことによって、少しの隙を作ってしまった魔物に、アクフは『暴剣』を使って、斜め上から切り込む。
少し、切れたところで追撃をしようと、ラミがビームを放って援護する。
これによって魔物はかなりの深手を負った。
「みんな!結構大きなの打ち込むから、少し下がってて!」
ナルがそう言うと皆が、後ろに避けて魔物から距離を離れる。
生力を注ぎ込んで、ナルは『爆発西瓜』を巨大なものにしていく。
その過程で、目測ではあるもののギリギリ洞窟の天井が崩れてこない程度に調節して、放つ。
爆発は激しく、飛び散った破片が次々と魔物に直撃する。
衝撃だけではなく、破片が勢いよく突き刺さって深いところまで入ると、
「グラぁぁグググあああああああああああ。」
と、魔物は雄叫びを上げた、効いているようだ。
ここでラミが追撃をしかけて、トドメを刺そうと羽根を飛ばす準備をすると、急に魔物が暴れ出して、壁や天井を破壊しだした。
アクフ達は落ちてくる岩等を避けて、暴走状態の魔物に近づくのは少し、危険が過ぎると判断してバックステップなどで距離を取る。
(あんなに暴走していたら近づけないかな。でも、このまま暴れさせぱっなしも駄目だ!それに、俺は全然この戦いに貢献できていない。今は生力に余裕がある……ここは『銃音風駕』を使って一気に仕留める!)
「ナル、ラミ!今から大きい一撃を撃つ!余波が飛んてくるかもしれないから気をつけくれ。」
アクフの呼びかけに二人は呼応し、いつでも洞窟から逃げられるように準備する。
それを確認したアクフは深呼吸をして心を整えてから 、『土鉄ノ浮刃』を『PJS-DU2』に変える。
標準を暴れている魔物に合わせて、風を纏わせてその一撃を放つ。
銃弾は以前に使用された時よりも練度を上げられており、レールに乗ったトロッコのように一直線に飛んでいく。
飛んでいった銃弾は魔物に直撃し、肉を抉り、髄を剥ぎ跡形もなく消滅させた。
その後、何の問題もなく、アクフ達はエネアーゼに生力を注ぎ込んでスドのところに集合するため向かった。
――
アクフ達が溢れんばかりの戦力を使ってミミズ魔物を討伐していた時、スド達もまた、生力を抱え込んでいる魔物から生力を取り戻そうと探して、ついに見つけて抗戦していた。
魔物見た目はまるで、ゴキブリを更に醜悪にしたような目を背けたくなるのようなものだ。
現状としては、アクフ達の魔物と逆で非常に好戦的かつ、目にも留まらない速さで攻撃を仕掛けてくるので、ショラン、コアノの魂塊で防御している。
「う、流石にこの化け物攻撃が強すぎる、このままだったら全員死んでしまう。」
「……少し待ってろ!『川剣』。」
スドがそう言って剣を構えると、剣先はまるでアクフがあの時に見た『刹雪』のように極自然な軌道をとる。
その軌道は魔物の攻撃に使用している手足に接近して、弾いた。
「凄い……あの感じ、絶対に魂塊は使ってない。それなのに魂塊を使っている私達よりも強い!」
(この魔物、強いな。本当だったらきれいな状態で倒してアクフの武器の素材にしたかったんだが、仕方ない。ここは丸焼きになって全く素材として使えなくなっても人命の方が重要だ。魂塊を使おう。)
そう思って、スドはモデルエジプトコブラの魂塊アスプラを具現化させた。
その口から刃の様に青い炎が溢れる。
瞬間、スドは先ほどまで使っていた金属製の武器を捨てて、隕鉄を少々と金をほんのちょっと使った剣を取り出して、青い炎を纏わせた後にアスプラを纏わせる。
その瞬間、剣が纏っている炎の温度が上昇し、次には魔物を焼き切った。
(さて、これで倒れてくれれば、楽なんだが。)
スドの期待は一切現実になることはなく、無慈悲に魔物は再生した。
「……ショラン、コアノ。下がってくれ。ここからは少し熱くなるぞ」
警告した後、スドは果敢に魔物に対して斬りかかっていく。
それに対抗して、魔物も襲いかかってくる。
しかし、スドの方が速いので魔物攻撃が届くことはない。
「……『川剣』、上流『激圧』。」
その攻撃は一撃なのにとても揺れ激しく魔物を滅多切りにする。
だが、それでも魔物は再生した。
スドが攻撃を行った後に生まれた隙をついて魔物が、スドを噛みちぎろうと襲いかかってくる。
肌に触れるほんの一秒前に、スドは避けて逆に近づいたことで隙を作ってしまった魔物に、
「……『川剣』、中流『緩敵』。」
と言って、緩やかに足を斬って奥の方に下がった。
魔物は斬れていることに気づいておらず、そのまま這ってスドのもとに向かおうとしたが、足が斬れているために一切の身動きが取れない。
「……これ以上時間もかけられないな。よし、アレを使おう。」
スドはそういった瞬間、剣を鞘に戻して無防備な状態になった。
それを見て魔物は好機だと思ったのか、全力を出して羽ばたいてスドを食い破ろうと、顎をカチンカチンと鳴らしながら近づいていく。
スドは心を落ち着けるために、攻撃されようとしている最中に深呼吸をした。
魔物は、これは貰ったと。意気揚々と近づくが、スドは一切動揺をしていない。
当然、ショランとコアノの内心は焦りに支配されているが、二人から見た強者に実力があると言われたスドを信じて、何も口出しなどはしない。
後、数刻でこの勝負は決まる。と、この場の誰もが思った。
魔物がスドに抱きつくように飛び込んだ。
そして、もう次に瞬きするくらいには殺せると魔物が思った瞬間。
魔物の動きが逆転した。
「『川剣』、奥義本流『水平行逆の理』。」
先まで抱きつこうとしいた魔物がなんの抵抗もせず、不自然にスドから離れていく。
本来であれば絶対に戻らないものが戻っている。まるで巻き戻しをしたかのごとく、魔物は自らが行った行動と同じ経路を通って戻っていった。
しかし、その間を黙って見過ごすお人好しはいない。
スドは、魔物が巻きも戻されている間に発生した時間で、トドメの準備をする。
「『川剣』、必殺激流『超過洪水』。」
その攻撃は数多くの細かな剣撃を従えて、まるで剣撃の軍勢――いや、激流のように勇ましく魔物に向かって流れていく。
しかも、その一撃には青い炎も合わさって、おおよそそこら辺の生物では防げないものになる。
その一撃を避けることは、『水平行逆の理』の術中にいる魔物には不可能だった。
すべての剣撃が魔物に命中し、すぐにそのあまりの威力から灰になるまで焼き切れ、最後には塵となる。
まるで雪の様に残骸は塵となって洞窟の地面に降った。
(流石にやりすぎたな。丸焦げだったらまだ使えたが、ここまで焼いてしまったらもう使えない。もったいないことをした。次からはもうちょっと手加減の鍛錬をしておこう。)
スドが心のなかで反省していると、必死に魔物からでてきた生力を回収しようとしている二人が目に写ったので、手伝いに行った。
これで荒ぶる海をもとに戻す生力が戻った。後は注ぐだけであ。
お久しぶりです、取り敢えず今やっている章の終わりまで執筆できましたので、仮に投稿を再開します。




