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王暴の魂塊譚〜家に隕石落ちたから旅に出る〜  作者: 大正水鷹
ウォーマリン編

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第58話洞窟に潜む獣

 アクフ達はエネアーゼの通りに移動した先で洞窟を発見した為、有無を言わずに突入した。


 洞窟は大きく、六人にもなる大所帯なアクフ達でも特に問題なく入ることができた。


「注意してください。この空間には本来この地方にいるはずではない非常に特異的な生物が潜んでいます。」


「ありがとうエネアーゼ。」


「……アクフ、こんな時に聞くことではないが、その金属の塊みたいな奴はなんなんだ?」


「私に興味を持つなんてこの中ではお目が高いですね。私はこれでも生物であり、一つの生力を最もよく伝達する新しい金属の塊でもあり、一つの人工知能です。」

 

「魂塊に近しい何からしいですよ。」

 

「非常に私を語るには足りないと言わざる終えない言葉ではありますが、まあ良いでしょう。」


「……生力をよく伝達する金属の塊か……。その割にはよく喋るな。エネアーゼの言うことを信じれば、ざっくり言って魂塊の一種。しかし、金属でもあると。こいつは武器の作りがいのある素材だな。」


 (アクフは凄いな。あんな凄いものを私達がちょっと見ていないだけの時間で見つけて、仲間にしてる。私なんかじゃ、まだまだ足りないね。)


 ナルがアクフに感心している横でコアノが思考する。

 

 (それにしてもこの人達、あんまり見た目には出てはいませんが、なにか私の感がやばいと言ってますね。女の子の方はスリムな感じで、あんまり強くはなさそうですが、うちに秘める生力が特殊ですね。あの鍛冶師の方も微かにわかる筋肉のつき方から、なんだか剣士としての面ありそうです)

 

 なんやかんやそれぞれ思うところがありつつ、粛々と奥に進んでいると。


 サンショウウオと亀の甲羅を足したような魔物が現れた。


「ここは俺が対処します!やるぞ、バファイ、ディウル!」


 そう言いアクフは『械彗狂飆(かいせいきょうひょう)』を作って魔物に向かって『超音剣』を飛ばす。


 魔物は攻撃する態度は見せずにただ身を固める。


 攻撃は何事もなかったかのように辺り、魔物を仰け反らすが与えられたのは衝撃だけだったようで、そこまでの深手はいれられていなかった。

 

 (こいつ、結構硬いね。生力は使いたくないからギリギリの威力に調節したいけど、そんな都合いい技、確か無かったと思うし。でも、さっき俺に任せてくれって言った矢先にすまん加勢してくれは、あまりにもあまりな行動だしな…………ここは、少し過剰な火力でも『轟放奏剣(ごうはそうけん)』を使うか?あっ、『土鉄ノ浮刃(どてつのふじん)』の3連続攻撃なら行けるんじゃないか?)


 アクフ『械彗狂飆(かいせいきょうひょう)』を崩して、エネアーゼを呼んで『土鉄ノ浮刃(どてつのふじん)』を作り構える。


 そして、『土刀竜(どとうりゅう)』を発動して三刀流にし、足にバファイを纏わせて出した『打音放』の反動で一気に切り込む。


土鉄ノ浮刃(どてつのふじん)』と『土刀竜(どとうりゅう)』は魔物体に食い込んだ。 

 

 その一撃はたまたま急所に当たって魔物の息を刈りとった。


 (ふー、なんだか消化不良な終わり方だが、勝てたな。)

 

「先に進もうか。」


 その言葉を聞いたそのばの人間は歩みを進める。

 

 歩いている最中、アクフは自分の今の能力を二人に伝える事を忘れていたなと思って、二人に声を掛ける。

 

「そういえば、二人って俺の能力をどれくらい知っていたっけ?」

 

「確か、何かすごい音を形を変えてぶつける『超音剣』、だったけ?」


「うん。まぁ、それもあるんだが、ナルと離れている間に新しい魂塊を作ったんだ。名前はディウル、個別能力は『土刀竜(どとうりゅう)』。土を固めて刀を作れる。あと、ヨヨリって言う人から具錬式魂塊術というものを教えてもらって、さっき見せた『械彗狂飆(かいせいきょうひょう)』、『土鉄ノ浮刃(どてつのふじん)』、『PJS-DU2(メッフロ・アサリー)』が作れるようになった。」


「凄いね!アクフって前でも十分強かったのにまだまだ強くなるんだね。やっぱりミティス」 


「……なるほど、アクフも具錬式魂塊術にたどり着いたのか。」


「スドさんも知っているんですか!?」


「……ああ、だいぶん前。そうだな、たしかアクフと出会う前だったか」 


「スドさんはすごいですね!武器を作るついでに具錬式魂塊術を習得しているなんて」


「ねぇ、アクフ。具錬式魂塊術ってなんなの?」


「普通魂塊を使うときって、武器とかに纏わせたり、武器とかにするだろ?それを同時にやって武器を作るんだ」 


 (そんな物があるんだ……さっきの言い方的に多分スドさんも具錬式魂塊術で武器を作れるんだろうし、私も頑張って習得しなきゃアクフには全然追いつかない。)


「へー!凄いね。コツとかあったりする?」

 

「ナルも興味があるのか!?それなら今全部教えられるものじゃないから、今度みっちり教えるから覚えておいてくれ。話を戻すが、とあるヤバい奴を倒さないといけない時があって、音で作った強い風を纏わせて射出する『銃音風駕(つつねふうが)』を得たり、なんだかよくわからないが気づいたら『燕回連斬(つばめかいれんざん)』っていうのが使えるようになったり、戦いのうちに空間を割く『空削(くうさく)』と『遊騒乱音(ゆうそうらんおん)』を得たな。」


「やっぱりアクフの元仲間から聞いた通り強くなっているね。」


「いや、そんなことはないかな。横にいるラミって子にギリギリかつかなり俺のほうが有利な状況でしか勝てる未来が予想できないし」


 アクフの声に反応してラミがフォローする。


「まぁ、私は特別な魂塊である天使魂塊を使いますから、そもそも勝てる予想が出来る事自体普通では考えられないと思います。」


「そうなんだ?ラミって私より小さいのに凄いなぁ。普段どんな感じの訓練しているの?」


「特段特別なことはしていません。基本的な生力増強の訓練と少々私のハノエルの『罪を裁く羽根(ウィンベカート)』をより正確に運用できるよう撃ってみたりしているだけです。」


「そのハノエルって天使魂塊言っていたけど神を模した魂塊と違ったりするの?」


「はい、明確な違いがあります。そもそも名前の通り神を模した魂塊はこう言ってしまえば何ですが紛い物です。しかし、天使魂塊は本物なんです。」


「教えてくれてありがとう。」 


 その言葉を皮切りにアクフ達は黙って洞窟の奥に居座る魔物を探す。


 数時間後、ついに洞窟の奥まで到達した。


 そして、そこには今までに時たま道を阻んでいた魔物とは比べ物にならないくらい大きくて、様々な生物が中途半端な形で混ざった存在が鎮座していた。


「アクフ、あれが生力をため込んでいる張本人です。」


「了解、みんな戦闘準備を取ってくれ!あいつが生力をため込んでいるらしい!」


 アクフが叫ぶように伝えると全員が戦闘態勢をとる。


 全員から溢れ出す殺気にやられたのか、魔物が襲いかかってくる。


 そこにナルが『爆発西瓜(ばくはつすいか)』を使って顔面にお見舞いし爆破、その後にラミが『罪を裁く羽根(ウィンべカート)』を爆破させて魔物に追い打ちを仕掛けた。


 魔物は二回の爆撃を受けて無様に仰け反り返り、そこにアクフの『超音剣』が加わることによって、魔物は決して無視はできない大ダメージを負った。


 再起を図ろうとしたのか、洞窟の更に奥に逃げようとした魔物はスドが放った『放流』の流れるような力強い斬撃で魔物にトドメをさした。


 (えっ?スドさんってあんなに強かったんだ!?それに皆すごいな、ナルなんて昔と技自体は変わっていないのに威力は向上してる。俺も基礎的なところから強く出来るように頑張らないと。)

 

「圧倒的に過剰戦力でしたね。正直な所二手に分かれても何問題なかったと思います。ですが、これで海水を上に戻すのに必要な生力三分の一くらいが回収できました。残りは二箇所です。」


「ありがとう、エネアーゼ。確かに後に二箇所で二手に分かれても大丈夫なくらいの戦力があるなら、確かに別れても良さそうだな………………皆!聞いてくれ少し話がある!」


「……何だ、アクフ。」


「さっきの戦闘見る限り今の戦力は十分だから、ここから先は二手に分かれて生力を回収しないかって思ったんだが、意見とかはあったりするか?なかったら分けさてもらおうと思っているが。」


 アクフの提案に疑問を持ったのか、ショランが手を上げて質問する。

 

「ちょっと、まって、仮に二箇所別れていって無事に化け物を倒せたとしても、生力の回収方法がわからない。」


「それは問題ありません。生力を内包した生物から生力を取り出すだけであれば、普通の魂塊でも魂塊を作る感覚で出来ます。安心して別れて対処してください。」


「分かった。ありがとう。これで私も言うことはなくなったよ。」

 

「了解、それじゃ、エネアーゼ残りの二箇所の化け物に強さが変わるとかないか?」


「問題になる程度の差はありません。安心して編成してください。」


「ここにいるのは俺含め六人だから、三人二組にしたいんだが……、戦力差的に考えて、俺、ナル、ショランとスドさん、ラミ、コアノくらいがちょうどいいと思うんだが、異論ある人はいるか?」


 少しばかり静まった空気感で、ラミが手を上げた。


「少し待ってください。私はアクフの方と組むべきだと思います。アクフはこの中で見たら一応、上位には入る実力を有していますが、結局は一応なので、私の間違いに気づかせてくれた恩人であるアクフ死なせないためにも私はアクフの方に入るべきです」


「ラミの話は分かったが、俺以外の誰と交換するんだ?」


「私の組は少々過剰戦力が過ぎますので、私が抜けてショランをスドさんに任せるのが良いと思います。それくらい彼には普段は使うことのない力があります。」


「……少々俺を高くかいすぎだ。俺は昔少しだけ師匠から剣を教わっただけだ。しかし、守るのは得意だから問題はないが。」


「ならば、問題ありませんね?」


「ああ、この命をもってこの二人を守ろう。」


「だそうです。私とショランさんを変えるという方針でお願いします。」


「分かった。」


 そう言って、次に不のある人がいないか聞いても何もでなかったので、班が決まった。

 

「よし、行くぞ!」


 五人の返事が洞窟内に響いて、2つの班が動き出した。

 ストックが尽きてしまったので、しばらく休載します。今の編が終わるくらいまた溜まったら再開しようと思います。

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