表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王暴の魂塊譚〜家に隕石落ちたから旅に出る〜  作者: 大正水鷹
ウォーマリン編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/82

第56話材料とナルの旅ガンストン編

 アクフが潜ることを決めた後、話し合いの結果、アクフとショランが取りに行くことに決定した。

 

「それじゃ、コアノ、お姉ちゃんは行ってくるから留守番よろしく。」


「はい、頑張ってきてねー。」


 そう言って、アクフと共にショランは池の底に向かって、潜っていく。


 道中、水質は魚が住めないほど汚いこともない上に流れもあるが、不思議なことに一切淡水魚がいない。


 もちろん、海水魚もいない。


 そんな状況を少々訝しながらアクフはショランを引き連れて底に向かう。


 1分後、特に何の問題もなく底について、ショランに聞いてそれらしき海藻を発見した。


 早速引き抜いてラミやコアノの下に向かおうとすると急に、底から謎の力が溢れ出して吸い付けられた。

 

 (なんだこれ!だけど、これくらいなら『打音放』で上に上がることができそうだ。)


 そう思い、アクフはショランの手をつかんで、底に足を向けて靴にバファイを纏わせて、『打音放』をどんどん放つ。


『打音放』による大きな衝撃で一気に水面に近づく。


 数回で水面でもなく、底でもない中くらいの深さまで上昇して、十数回で水面から空中に浮き上がる。


 そして、水面にダイブして浮く。

 

「よしっ!」

 

「うぅぉぉ……、アクフ。さっきのやつかなり衝撃強くて、骨折れるかと思ったから、今度やるときにはもうちょっと加減して。」


「すまない。今度はもうちょっと一発一発の威力を弱めて複数回撃つようにする。」


 (それにしても、あの吸い込むような、引きつける力が働いているとしか思えないアレが、なんでなんの生物もいないこの湖で起こったんだ?)

 

 ちょっとしたことはありつつもアクフとショランは陸に上がった。


 そこにラミが駆け寄ってくる。

 

「お疲れですね。それにしても私の予想よりも随分早かったです。もうちょっとくらいは時間かかるかと思っていましたよ。」


「ああ、俺もそう思っていたがちょっとあってな、けどしっかり目的のものは取ってきたぞ。」


「お疲れ様です、やりましたね!これでやっと村のみんなを救えます!それに、お姉ちゃんもお疲れ!」


「うん、まぁあのよく分からない力の働きは伝承にも無かったし、不可解ではあるけども、まぁ、大丈夫だと思う。それより、コアノの方は何もなかった?」


「はい、何事もなくできましたよ。」


「うん、良かったそれじゃ、材料は手に入ったんだし、速く服とか乾かして皆のもとに行こうか」


 ショランがそう言って準備をして、アクフ達はこれまで辿ってきた道を歩き始めた。

 

 旅は至極順調だった。これがなにかの前触れだとでも言わんばかりには。


――


 所変わって、ここはガンストン。義刀から情報を得て竹戸を出ていたナルとスドはなんと、厳しい荒野をナルの樹護り族の力でガンストンまでショートカットしてたどり着いていたのだ。


「スどさん。もうすぐですね、義刀から聞いた時間的にここか、この国周辺に絶対いるはずです。」


「……ああ、そうだな。取り敢えず、アクフが今どこにいるか聞き込みするか。」


「取り敢えず別れていきましょうか、前回もそうやってうまくいっていたので!スどさんはこの方針になにか異論等ありますか?」


「……いや、異論はない。」


「それでは集合は今日の夕暮れということにしておきましょうか。」


 そういって、ナルとスドは調査を開始した。


 スドはアクフならここにあるという珍しく強力な武器を探すと思い、居酒屋などで情報収集を開始したが、各所にチップを渡して銃の情報は手に入ったものの、それ以上のアクフに関する情報は手にすることはできなかった。

 

 (なぜだ?アクフならこんな面白そうな物見過ごすわけは絶対にないはずだ。やはり、ガンストンとはいってもここではない。別の街だったか。)


 スドは考え事をしながら歩いていると、眼の前にスドに向かって歩いているマッチョがいることに気づいた。


「おうおう、お前か。うちの管轄である銃のことを勘ぐっている奴は。」


 そのマッチョはヤクバラだった。


「……少し聞きたいことがあるんだが、アクフというなまえの人間の行方を知っていたりしていないか?」


「あんあん?不届き者がなんの質問かと思ったらアクフのことか!で、お前、アクフの何なんだ?」


「…………今は友達関係と言うのが適当か。」

 

「なるほど、なるほど。嘘はついてなさそうな顔だな。よし分かった、連れはいねぇのか?いるなら連れてきたほうが良いぜ。おそらく俺がこれから喋ることは、お前らの興味関心をとんでもなく惹きつけてお前らが求めているものだと思うからな」


「……本当か?それなら先に聞きたいんだが、お前は何としてアクフに関わったんだ?」


「うん、まあそれくらいなら言ってもいいが、同じ目的を持ってそれを果たした仲間だな。」


「……やっぱり、アクフは色んなことに巻き込まれているな。まあ、それがあいつの性なのかもしれないが。まあいい、では仲間を探す。少しここあたりの居酒屋で待ってくれ。」


 スドはそう言って、ナルを探しに行った。


 (さて、ナルフリックはきっと俺よりもっとすごいやつに会ってるかもしれないが、探しに行こう。取り敢えず、あいつなら色んなところで聞き込みをしているだろうから。)


 スドは跳躍して建物の上に立ってそのうえで更に跳躍してあたりを見渡す。


 そうすると、母数を増やすことこそが成功の秘訣だとでも言わんばかりに、ナルが各所に結構な速度で聞き込みを行っているのが目に入った。

 

(あの様子だと、俺のほうが重要そうだな。)


 スドは屋根の上にひらりと着地して、ナルものとに走って向かった。


 (う〜ん、全然いい感じの情報が手に入らないな。やっぱり、竹戸がうまく行き過ぎただけだったのかな?でも私のほうが全然って言うだけでスどさんの方は上手くいっているかもしれないし、時間よりも早くはあるけど一旦、スドさんを探したほうが良いかな?)

 

 そう思ってベリープルを纏わせて、走ろうとすると上からスドが降りてきた。


「うわっ!びっくりした。けど、スドさんちょうどいい時に来てくれましたね。…………けど、態々そっちから来てくれるということは、なにかいい情報を得たんですか!?」


「……ああ、ご名答だ。アクフと協力関係にあったというやつが現れてな。で、今そいつから重要なことになると思うからお前を連れてきたほうが良い、と言われたから来た。さて、一緒行くぞ。」

 

「分かりました!」


 二人は少々分かったことについて話しながら、ヤクバラのもとに向かった。

 

 着いた先では、ヤクバラは暇になったせいか筋トレをしていた。


「ヤクバラさん、こんにちは!」


 そこになるが話しかけて若干気まずい空気になったが、ヤクバラがスドを見るといつもの調子で話し出す。

 

「よしよし、そこの嬢ちゃんがお前の連れで間違いないか?一応効いておくが、嬢ちゃんはアクフの何なんだ?」


「古くからの友達です。」


「そうかそうか、やっぱり嘘をついているやつの目じゃない。よし、本来なら普通のやつは入れないんだが、お前らに会わせたいやつがいるからな。少し付き合ってくれや。」


 ヤクバラを含めた3人は階段に向かって、地下の街ギャングスガンに降りていった。


「ここって地下だよね?なんでこんなに明るいの!?」


「まあまあ、アレを初めて見るやつは大なり小なり驚くからな、無理もねぇが嬢ちゃんの目的はそうじゃないと思うぜ?」 


「すいません、ちょっと取り乱してしまって。」


「……それで、会わせたいやつというのはどこにいるんだ?」


「それはな、もしかしたらもういないかもしれないんだが、ここから少し歩いたところにある居酒屋にいると思う。まあ、いなかった時は俺が知っているアクフの行方について教えるから勘弁してくれ。」


 ヤクバラが説明を言い終わったあと、3人は足早に居酒屋へ向かった。


 居酒屋、アクフが来たときよりも時間が浅かったせいか、客がいなく唯一二人のペアがいるだけだった。


「おー、やっぱりここにいたか!ミティス、ヨヨリ!」

 

 そのペアはヤクバラの声を聞くなり、声が発せられた方向に向かって顔を向けて、返事をした。

 

「あ、久しぶり、って言ってもそこまで時間は経ってないけど。というか連れている人達は誰?」


「いや、アクフのことが知りたいらしいからここに連れてきた。」


 ヤクバラは二人を引き連れて、そこら辺に余った椅子を持ってきて椅子に座った。


「そうなんだ、それで、名前は?アクフを探すくらい親しい仲にあるなら、私達のどちらかが知ってると思うから。」


「それじゃ、私から。名前はナルフリック・ペトフールです。アクフとかからはナルって呼ばれています。一応魂塊使いです。これくらい言えば分かってくれますかね?」


「……俺はスド・ノモシチウだ。アクフからはスドさんなんてさん付けで呼ばれていた。」

 

「ナル?スド?うーん、どうだったかな。聞いたことあるような、ないような。」 


「あっ、ナルならアクフから聞いたことある。たしか結構強いんだよね、アクフが言っていたよ。」


「いや、いや、アクフと私を比べたらわたしなんて全然ですよ。」


(なんか、アクフと謙遜の仕方がどことなく似ている。さて、これでアクフのことが好きだったら私が案じた通りになるけどちょっと覗いていこうかな。)


 ミティスはナルの顔面深層心理を覗き見た。


 それは、過去のミティスと同じ感じにニキビにまみれていて、泣いた跡と思われるものが散見されたが、顔全体としては笑っていた。そして、アクフについては、好きという形に消化しきれていない感情があるらしいということだけは分かった。


 (ふーん、そんな感じかー、恋愛をまともにしてこなかった私がこんなことを思うのもなんだけど、初々しいね。私としても応援したいから助言渡しておこうかな。)


「今度から親しみを持ってナルちゃんって呼ばせてもらうよ。ナルちゃん、アクフとの関係性を進めたいならなんだけど、もうちょっと素直に話し合ったほうが良いんじゃないかな?多分、アクフとナルちゃん結構同じこと考えていると思うよ?」


 ミティスの言葉を一つも逃さず聞いたナルは少し顔を赤くして反論する。

 

「…………そうですかね?というか、私とアクフはそんな、関係じゃなくて…………友達……いや、親友ですから!」


「まあ、何にせよ。私は応援しているよー。」


「……急かすようで申し訳ないが、こちらも急いでいるんだ。それで、この中の誰が一番アクフの現在の居場所を知っているんだ?」


「おうおう、せっかちだな。多分、俺が一番知っていると思うぞ。」


「……じゃあなんでこんなところに連れてきたんだ?」 


「いやいや、この二人だったらお前らに合わせなかったら、後々面倒なことになりそうだったんでな、迷惑だったらすまない。率直に言うが西側に普通のやつが歩いて二日くらいである海が浮いているという奇妙なところに面白い武器があるって噂があるから、銃のためにここまで来たアクフなら必ずそこにいると思うぜ。」


「……分かった。アクフがここから発ったのはいつぐらいだったんだ?」


「ああ、けっこう最近だ。確か3日だったか4日前だったな。」


「……そうか、それならもうかなり近くまで来ているな。」


「ということで、少しくらいは時間あると思うから、あいつのここでの武勇伝聞いてけよ。」


「……まあ、たしかに俺達は魂塊使いではあるから、一日でも走れば着くか。」


「これはとある邪悪な殺人鬼にけじめをつける話なんだが…………」


 その後、ナルとスドはアクフが銃万象(ガンバンゼン)にたいしてどのような活躍をしてたなどのことを聞いた。


 遠かったアクフへはもう少し、二人の邂逅は近いものになるだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ