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『やべぇ奴来やがった』
『私、桃城すずねと言います』
『好きなものは自分を認めてくれる人』
『嫌いなものは家族です!』
都会の学校。
逆に転校生なんて少ないくらいだったのに...
嫌な奴が来たな。
みんなそう思っているだろう。
顔はとてもいいから、喋る前は皆わくわくしていたが。
これ以上ないほどに、顔を顰めている。
それに対して、にっこにこの笑顔の担任。
「じゃあ、すずねちゃんの席はここね」
俺の斜め前を指定してきやがった。
まぁ隣ではないし、大したことでもないが。
目に入る俺のネームプレートには、「岩崎凪」と、何の変哲もない名前。
そういえば、ひらがなの名前クラスにいなかったな。
なんて思いながら、いつものように顔を伏せ、目を閉じた。