世界があるべき終焉と、少女の願いに青年は向かう。
サハトは外にいるはずの窓を開ける。
そこにあるのは、朽ちた歴史の架空世界の一部を映した鏡だった。
くれいの剣が錆びた鉄塊の山に吼える声が響いている青年の姿がずっと握っていた。
名がハルト、滅ぼす怪物の王だった。
神も呪いになって跳ね返す鋼の闇が覆う。
本気に挑む者たちは散り散りに墜ち薙がれ、消え去る大地にただ一人だけがこの世に立って居られる男は燃え咲ける声を叫ぶ。
海や空、雲さえも。彼の想いに応えるように、すべてが破壊された。
空間が震動する。揺れ靡く音は生きている者に死を均しく与えた。
化け物は、ひたすらに立っていた。
そう、ずっと。
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ナーディディアたちが見た世界はあの少女と青年の願いだった。
苦しみが味わう感覚は誰に取ってもわからないことだらけの闇が深い意味に成り得ない存在の意義。
でも、彼女は思った。
それでも。あるべき姿があるなら、それで良い。
あいつが言った言葉は、誰しもの感情と嘘と真実だけ。
空しい墓は、誰もそこにいないからだ。
彼女はそう締め括った。
エルデ村の村長ニクラーサと娘のヘミリエ。
傭兵師団のロクサ・ヘルク28歳副団長。兵級はAAクラス。
傭兵師団門番、ハスタレ・キィシュメオロ。兵級はEクラス
傭兵師団の司令部、レーサン・ゴルツァンリ。兵級はSAクラス。
傭兵師団料理部幹部、ヴァサレウリア・クラッサンデ。兵級はSSクラス。
四人メンバーは、それぞれの職を持ち仕事に応える傭兵。
階級は、団長が決めた基準。ナーディディアたちは訪れる客として、村に帰ってきた。
あの日の出来事があった……。
言われなき少女の思い出に。
★★★
青年の思い出は誰の意思に、なったことなど知らぬ。
時々、夢を見る。
自分が自分じゃなくなるのを、感じて。
ハルトは、学園都市に向かった。
★★★
イグブラット・ロズブルク伯爵の長男はある種の才能を持ち上げていた子供だった。
ロズブルク家は王家に仕える家系で父は王家の宰相の補佐を任されている財務大臣であった。
家々が繋なる種族の家系の一族は、分家ともにある一大企業を立ち上げて国中のお金を集めている。
そんな家柄のイグブラットは増長していき、いつしか傲慢な考え方をしていくにつれ。
平民風情だとか、メイド風情だとかと言うようになった。
彼の人生を変えてしまったのは、そう。あの日の出来事だった。
国から追われ、憎み。闇の取引先の男達に出会った。
だが、彼は間違えたのだ。相手を、誰をそうしたのはもう分かってしまった。
逃げて、森の奥に隠れ潜むことでしかできなかった。
悲劇は、すべてを視させていた。
自分の家系は、崩壊したのだ。
あらゆるすべての、場所があの男の子によって破壊された。
角が生えた男が、イグブラットの前に来て。
【お前さんはどうすれば、あのような印象を与えるのだ。だから、お前さんは死ぬ寸前に追い込まれる。俺が許さないからな】
告げられた言葉にイグブラットは、如何することもできなかった。
時が経ち、それを知ろうとする者たちが現れた。
イグブラットは、話すことにした運命が決まった愚かな自分への想いと共に語る。




