夢語りは誰かの為に沿えて贈られるプレゼントだった場所
望んでいた未来を想像して、描いた背景が彩る季節に彼女の心を奉る。
それは嘗てあった軌跡の夢を造った思い出の品だった。
ナーディディアはシフレンに言うすべてが偽りだと思わなかった。
そんな彼女に母があった出来事を否定する。
少女の気持ちを添えて悼む声は彼女自身に聞こえた。
「お母様があの人にゆったこと。気にしなかったら、本月が当に家族に慣れたはずなのにィ。私が一人善がりにやってたから。みんながああなっちゃったんだと思ってたの、でも。違った」
目をしっかり持ち、敵となっている彼女の方を向き合い。
「だから。あんたを殺す!」
シフレンは目の前のお嬢様を見て、ああ。本当に、この目でこの先の成長が見れなくて残念です。私が最後の見届け人になりましょう。
殺気を満ちた月が地面に伝わる。
「死は闇に、風は光に。祀られる神は何処やら。君は爾に唱う苦しみが我が子に満たされる。人は還る、夢は死なぬ。其は漲りにして、拾わぬ石に沿い恨める歌劇は外に見える」
シフレンは詠う声は詩人のように奏で、功遊する灯りが彼女の周りを包む。
踊るように舞うシフレンはまだ少女の心を持った彼女に向かって囁く声を滑らかに唱う。
「風に謳った。呪いに満たせよと心が叫ぶ。揺らぎ忘れない頃に私は壊れた。お嬢様、さぁ。こちらにお出でなさい。思う存分、暴れ狂うままに。踊りましょう!」
残忍に冷酷な表情を浮かべ、シフレンは誘う少女を指していた。
月が彼女たちを撮した姿を捕らえる。
美しい青空が戦闘に一層を耀かせて燦めいた星が二人の力を示す証になった。
森林だった場所がシフレンの力で粉砕し、ナーディディアは草原だった場所を穴が複数に分けて作り、もう殆どが彼女たち二人が起こした残骸である。
息切れなど起こしておらず、ずっと二人で睨み合い。
一瞬の隙などない。けれど、ナーディディアが攻撃をさっきから掛けていた。
シフレンは彼女の攻撃を交わし、受け止め。柔く尖る石の力でナーディディアに与える攻撃を埋める。
そうだったと言える言葉があったなら、彼女は嗤った。
本当に、ダメだった時がナーディディアの終わりなのだ。
シフレンは兎の獣人ならではの技と技術で凌ぎ、圧倒させる。
これが領主が望んだことなどではなく、シフレン自身が考えた結末だからだ。
ナーディディアに語り掛けるように奏でたシフレンは賭けていく手札を蒔けていった。
「お嬢様、いまはどんな気分で味わう苦しみを強調しているのでしょうか。今日は本当にいい一日だったと言える立場なら。この先の未来も同じ繰り返しをしているかもしれません、ですが。貴女のお母様は私たち使用人の心を砕かれた狂錬になりました。非道く皆が変わってしまいました。これも貴女が"やってしまった"ことが始まりでした。今も狂い出しそうな感情が溢れそうで大変でしたが、もう我慢する必要性がありません。思いっきり打ち殺そうと思いますわ!」
彼女が溢れ出た力の奔流が辺り一帯を焼き尽くす程に熱い熱帯になると、物凄い勢いで増大する力がシフレンの下に集まり収束する。
「厄星が宿る剣が、私の基に基栄。人の心を焼き尽くす晩酌の夢を躍った。《過去の弾丸》《絶奏の鍬の音》《歯車のゆせび》《限界の包含》」
止まらぬ早さが貫くと音が響く。ナーディディアに襲う影が舞い散る。
「さぁお嬢様、もういい加減。死んで頂けませんか」
ナーディディアは酷くやられた体ですっと立ち上がって、シフレンの目を見つめる。
「わ‥………た…しは、まだ。生きて、帰る。それまで、私は。貴女をぶっ倒して、みんなが。そうだった場所になるまで………私がやる」
ナーディディアは渾身一撃を与える攻撃を拳に込め、投げ打つ。
「絶対の意志に、《円舞の狼凱》《千舞の輪廻》《谺の》」
破裂する音が響き、縦横無尽に消え隠れする。そして、シフレンに胸元を抉り出した。
「お"嬢様、御立派なられて。嘸かしご領主様は歓びになられたでしょう。もういい加減、ダメだと思っていました、だから。感謝しますお嬢様」
兎の姿をした少女は、灰になるような形で融けてしまった。




