決して訪れない未来と世界の運命が交わる。
おじさんはとても優しかった。
私はいつも庭先に居ても話し掛け、お母さんにお迎えに来てくれた。
どこかにあった記憶に、私は庭師のおじさんに殺された。
誕生日の日の夜だった。
「何でなんで、おじさんはいつも悲しそうにしているの!」
彼女は前に増していた攻撃を躱しつつ、問う少女の姿は哀れなヒロイン像と似ていた。
「ホッホホッホ、正しく系統種ですな。わしゃあ娘が居なくなくって落ちこぼれのじじい。あんたがよかったと思おておる。始末しなきゃ、わしらは生き残れん。だから」
ニルカットはデカい切り裂き鋏を取り出し周囲を破壊する。
地面に昇る熱を吸収した鋏は庭師ニルカットの本能を刺激する。
「お前さんを殺さなあかんのよ。《破城の煙火》《粒落としの零》」
熱が地面を盛り上がり隆起する硬い土が粘土のように変形してマグマの塊に昇華させる。
そして、雨降る粒が尖り曲がった刃に変化する。
屋敷は壊れて、二人の姿しか移していない。
サハトは平然としていたが、彼女は無事でではなかったけれど。どうにか耐えていた。
「はぁはぁ、まだ。耐える。わ、た、し、はここで」
「お嬢、もういいじゃよ。さらば。《赤詠みの炎》《無情の雷刃》静かに眠って下され」
耐える彼女に向かって、輝かしい光が集中して昇る熱が襲う。
止めに打ち上げる光が雷の雷雨になり、嵐の中心になった。
サハトは彼女を見届けると、焼け焦げた死体を見つめる。
「また、繰り返せる子供は今に眠る、か。おじさんはそれでもいいのか」
「ああ、主に分からなくても。命じられたことだ。じゃが、主も死んでもらった方がいいが、わしにそんな力は持ち合わせておらんじゃから、《陰寝の憂鬱》《子供の嘘》」
彼はそう告げたものを見せた人の姿を映して消えていった。
サハトは夢物語を見るかのように姿を消した男の方を見つめる。
再び、彼女の躰は復元する。
「どうしてどうしてどうして、しなきゃいけないの!」
拳を地面を殴りつけ、血が滲み。苦しさが彼女の心を狂わせる。
サハトは告げた言葉を紡ぐ。
「呪えてしまった貴女は、思い深く願った。そうしなければ死ななかった。これは物語が作った歴史の証明だ。君はしなければいけない!」
紅い紋様を刻み、その場からーーーーーーーーーー
「けれど、願え!我が身は自分自身に詛う」
サハトは影の中へと消えた。
彼女は思われた記憶を呼ぶ興す。
光と影が交わり、点となった支軸を基に心が還る。
夢の中で忘れる囁きに似た声を嘗め居て返った少女はここに来た。
「忘れるわけじゃないわ。あんたが言った未来がどうこうよりも、私が生きている証明だもの。だから、あの子にももう一度そうしなきゃいけないわ。認めた世界が苦しめるなんて皮肉ですわね!」
ナーディディアは立ち上がり、あの場所に向かった。
いた。
「もういらっしゃったのですか。お嬢様」
ニルカットは本当に嬉しそうに微笑むが、ナーディディアは苦い思い出が出来たことに思い出した。
そして、彼女は言う。
「ニル爺、本当にだめなの?」
ニルカットは静かに黙って、肯定する声はどこかずれていた。
「ええ。もちろん。領主のご命令ですので」
人は何かを奪うよりも、何かを大切したものがなくなってしまうと心が保てなくなる。
失うよりも悲しい未来があったなら、誰かに助けを求めてしまう。
そんな選択肢があったなら、誰もが望む未来を取ろうとする。
これらが現象を引き起こす原因になる。
人は誰かに持って支えられて、生きている。でも、それはどこかずれていた絆を壊すはぐれ者たちが慰め合う場所じゃない。
生きていることが意味ある人生にしなきゃ、誰も救われない。
ナーディディアは、切り裂く刃を生み出しニル爺に向かって走り出す。
「ニル爺、ごめんなさい。でも、私は貴方のことは一番早く知りたかった」
ニルカットはどこか誇らしげに笑う。
「いいじゃよ。孫娘みたいで楽しかったじゃよ、死にような真似はせぬ。また死んでおくれ」
互いの攻撃が交じり合い一つの傷を互いに作る。
サハトはじっと見つめる。
「《刃に鋼が切り裂く箱》《無限に繋がる屍》《天より降り注ぐ嵐》ニル爺、これで最後だよ!」
「「《千の弓に弾く槍》《轟く海に裂ける帆》《食らう夢》わしもここで死ぬこと出来ぬ身だ。出来れば、お前さんの姿は見たかった」
ニルカットはあらゆる方向に刻まれた箱に避けられぬまま、受け止め。彼は死に絶えた。
彼女も涙を抱えて、地面と濡れた路面が交差したまま。立った姿で凍える寒さで死に絶えていた。
サハトは、二人の姿を見て。閑かに祈る姿勢を取る。
「神は愚かを信じない。だが、二人は最も多い価値を知っていた。それでも、叶わない。行く道がどんなに愚かでも、進む未来が歩む。さぁ、物語を再開しよう!!」
順序よく扉を開くように、裁てていく。
言葉が聞くまでもなく。
淡々と、世界を紡ぐ光を招き入れる。
少女を元に戻して、また繰り返す世界に放り込む。
ずっと、それは彼が望んだ訳ではなく。
一人の少年に向けての準備だった。




