遊びの時と始まりがきた世界
テェラーピタ山脈の中央部にある小屋に小さな村落があった。
名もなく過ごす者たちにとってはどうでもよいことだった。
村長のリクレルとブラッチャが狩りに出掛ける準備をする。
「親父、また大物よろしくな。お母さんが待ってっから」
息子が声を上げて、去っていった。ブラッチャは気合いを入れる。
「今度の獲物はブラッティベアリーの刈って、盛り上げましょう。村長」
「ああ、わかった。ブラッチャ。狩りに行こうか」
まだこの時代にあり続けた欠片が進んだ未来の光景が広がっていた。
弓と防具を身につけて歩く二人は一流の狩人である。
萎びた弓にやや斫れた革の防具が目立つ男二人は山脈の東側を探索していた。
ウェアウルフ三匹、ウォールドベア五体がここの辺りを住処にしている。
狩るのはそういうやつじゃなく、ブラッティベアを刈って今回の食料品にするために遠征へ来た。
長く狩りを続けていた民族であった彼らにとって、かけがえのないもののことだった。
「今日はいっぱい狩って、お腹いっぱい食うよな ブラッチャ」
「ああ、いっぱい狩ってお腹いっぱい食べられる量を収穫しようぜ。それで村にも分けようか」
準備万端で出発する二人は中腹付近で待ち伏せをする。
数分後に見事に引っ掛かり嵌めてからぶっ倒した。
狩りを終えた二人は帰り道にあった遺跡がある。が彼らにとってはどうでもよいことだった。
何匹かのブラッディベアを確保し村に帰った二人は盛大に祭りあげる。
こんな日常があった彼らは本当に平和な世界で過ごして来ていた。
中央付近の住民の一人が狩りから帰って来ないことが屢々(しばしば)起こり始めた。
そして、よくある日に突如。化け物の姿をした仲間たちが村に襲撃を受けた。
崩落した集落は跡形もなく絶滅した。
ゴブリンに似た緑の化け物は赤く染まった血染めのロングソードと木の盾を装備した集団と、黒く染まった人間の姿をした何人かはここの住民だったもの
ハイゴブリン、ウォークヒューマン、薄汚れたエルフ、知性はあるが。魔王と呼ぶ不変的信仰があった。
信仰対象は邪神のウルガラーツ、またの名は絶憧の王サハト。
村の痕跡は残った文字が最後の旧い世界の文字に変わっていた。
ハイゴブリンたちと、骸の人間たちは最果ての国ディグランドブラセアを完成させた。
化け物たち棲まう国ディグランドブラセア。
テェラーピタ山脈の中央、火山頂上に建築された建物は火山の噴火で出来上がった灰を利用した建設技術だった。
火山口にあるのは灼熱に潜むモンスターたち。
ゆったり寛ぐ火山湖にサラマンダーが何体もいる。
揺らぐ魚や悪魔の骨出来た鳥類。
頑丈そうな岩飛沫が飛び跳ねる。
これらに反している生き物が"灰"と呼ぶ黒き生き物。
魔物と種類が違う環境に適した自身に適用している生き物。
精神のみ喰らう化け物は悪魔に近い。
けれど遠い生き物。
人と似た形をした者は精霊を名乗り、クヴァータと名乗った。
幾重の時が流れ合う。
テェラーピタ山脈の下に村が出来た。
冒険者たちがこの山脈に越えて狩りを始めた。
街になり、その隣に村が栄えるために生まれた村が彼。主人公である。
名前の村は今、現在まで保存されている資料は少なくあまり残っていない。
アヴィレアという錬金術師の館から離れた場所にサムラという少年が生まれた。
その子は拾い子だったりする。
眠る祠〔ディキエシア〕に仕舞われる資料が集まる武道館にわずかに残っている。
緑の白髪に黄緑色の服を着ている石像がある。
森深くにアヴィレアの住んでいた形跡がある場所にその石像が置かれている。
石像には、享年76のアヴィレア・イリレスタ・フローリーと書かれていた。
誰も知らない世界が彼は知っていた。




