神の会合があった世界で終わり
彼は望んだ未来を知った。
けれど、今の今まで誰も指摘しないまま。
時が経ち、冒険者になるという夢を見続けた。
彼の中に感情が溢れ、怒りや悲しみ。苦しさや後悔。思い出や希望などの流れが彼の中に留まり続け、決壊するまで壊れてしまうとは知らず冒険者へ旅立とうとしていた。
壊れた星に一人の青年が佇む姿がある。
これが一人の人間が起こした悲劇だったものを見せていた。
世界の崩壊は止まらずずっと、こうして活きている。
望んだ結果が彼の望みではなかった。
奪ったのは自分だという疑念のまま、心が朽ちていった。
獣のまま理性を装う化け物たちが闊歩し始めた。
誰か思いを奪って、喰らう。
恥かしめの呪いが祟る神は笑った。
邪神に相応しいほどの瘴気を纏い、苦しめる風が男の周囲を囲む。
「永く長く、来ていた。さぁ、今宵はどんな物を催そう。ああ、楽しみだ」
子供のように燥ぐ男は失い続けるこの世界で愉しみに高揚していた。
ただ壊すだけに飽きたりない星を跨いで揺らぐ物語が語ってゆく。
どのような世界が変わろうとも、神は存在する。
肉体を捨てたようなものに精神は喰らう。
呼び水は泡沫で嘆いて囁いた。
黒く染まった大地が地震になるように揺れ動く。
荒廃した世界が男のような生き物を生んでいる。
そして、いた。
「抗うっしっちゃって。無理だよな、でも。英雄の名ばかりの屑らがああも、落ちた化け物になるなんて、な」
サハトは森だった周囲を蹴散らす。
残骸の同然の英雄たちが、続々と現れる。
魔王の一人も居なくなった。
そう、サハト以外の人は呑まれた。
一回目のサハトは何も知らない。
救いたい命はもうとっくに、草臥れて朽ちた。
ただ生き延びても、どうすることも出来ない事態が迫っているものを承知で闘いに挑んでいた。
無謀言うべき事項を犯してまで、ただただ繰り返しに作業を続けていた。
サハトはこの世界で生きていく意味を失いつつあった。
邪神の姿をした男が近付き、問いて来た。
「苦しみ満ちた青き世界に、いる意味を問う。力は持つ人に嘆く声が聞こえる。慈愛は為さないために尽くせぬ方を選ぶか。さぁ、道に啼いた扉が開いた」
「これらを選ぶ衆人よ。二つの陰が潜む危険に備える方者の目に遵う、未来と過去の輪廻を越え割ける膿に亘る平行に狎れり遇う級景を知れるものだ」
サハトは選んだ。
「じゃあ、方者の道に行く。俺が求める理由が探しられたら。名を教えてくれ」
黒く赤い線が空間を裂き、開く影が扉となり。
サハトは開けていくと、そこには何も映していない。
「決めた選択は主が知ったことだ。レウブシイア・フランテルキア・グランチャルパルコス、首の名に誓おう」
「ありがとう、じゃあ。会えたらよろしく頼む」
影が閉まる音を成して、消え替えていった。
「また、いれらればよかった。灰に染まるまで待とう」
どこにも載っていないページが綴られていた。
邪神はそう告げると、霧が溢れて世界から隠れた。




