朽ちた生命、王の威厳
五人がそれぞれ役割で、分担していくが。
黒の魔物たちは一行に収まらない。
ギルドマスターがここにいるはずなのに、一向に変わらない現状が辺り一帯を埋め尽くさんと溢れ出てくる。
影の色が換わる瞬間、時が音色を奏でるように雷を纏い水が辺りを舞う黒き力を持った生物が出現した。
黒く尖りきった黒曜石に出来た長い刃物状の長さ約8ぐらいある刃渡りに知性を感じさせる黒の紋様が浮かぶ肉体が鋼みたいに硬い鱗のように磨かれた魔物の姿が辺りを吹き飛ばす。
覇気ではない何かは二足歩行で歩く化け物は言葉を発する。
<ゼツボウせしワレラのイチゾクはマイッタ、ならばシラヌであろう。フルキセカイのジュウニンたちよ>
常世の世に消えた魂の残りカスの同然の生物たち。
続々と、生まれ消えていく。
「なんだんだアレは、生き物だというのか!」
ヘルマは、足取りを下げていく。
他の連中も同じだった。
「やばいじゃない、アレはゴーレムに似た生き物だ。だが、灰の色をしている。イリフール、光属性か聖属性で当ててくれその隙に魔鋼術具で終わらせる」
ゼスハがイリフールに指示し、道具入れを漁り。締まっていた魔鋼術具を発動させる。
「当たってくれよ。そっりゃぁ」
弾く玉はその塊に当たるが、生物にしては硬く壊れない金属のようだった。
「撤退だ。早く誰一人この村から脱出させよう、俺が殿を努める。だから、お前ら各自持参している道具や魔術使ってでも生き残れ!」
ヘルマたちはそう告げて走るように、村から退去命じた。
<イミなくワメク、フルキセカイのジュウニンたちよ。ナガクワタルセカイでキエサレ>
変形する曲がる剣は周囲を払うと、風を切ったように時間差で倒れていく。
その辺りにいた人たちは胴体と切り離れた位置に血がにじみ出る。
冒険者たちは、村人たちも避難させるよう指示するが。その塊が徐々に近づいて細切れに殺していく。
魔人に似た生き物は、周囲の目が見えるかのように皆殺していく。
ヘルマたちは、何であの化け物はいったいいるんだ。
恐怖が滲んだ冒険者はたちは、本当の勇気ある者だけが逃がした者を誉め称えた。だから、俺たちが食い止める力がなくても。生き残れる者たちが居るだけが信じ、攻撃を繰り返した。
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人の脆く儚い存在などは知っているはずだ。誰も同じとは限らない。
賭けた命はどこにも奪われない。
亡くなっているのだから、笑ってしまう。
書かれる内容に酔っては人の心を蝕む害虫そのもの
理屈が語る物語は誰も信用しない。
本気で語るなら堂々としたらいい。
嘘と理屈は似ている。
彼は望むすべてが憎い。
ああ、憎いだろう。曲がった信号に待ち、見えない鏡、移りだした世界、絵具のように濃い色。
崩壊していくこの村に、生き残れることはあるだろうか?
でも、望んだ。
「ちーっとは歯応えありそうだ。怨むなよ」
(怨む光は絶望にして、恨める呪いに賭けた言葉は我が前にあり。一欠片も残さず消え隠れ、悍ましい名心に告げ、墜ちろ!)
<また、オマエなのか、フルキセカイのオウよ>
崩れ去るように散った。
ヘルマたちは、僅かに生き残った面々を連れてお礼を言うが。
「変わっていないな、人間は。おれの名はサハト、消え去った片割れの一つ過ぎん。だから気に病まないでくれ、はぁ。この役もきついな」
主導権に握ったまま、眠りにつく。
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〔お父さんお母さん、まだ生きてるの?〕
〔ああ、生きてはいるが。母は少し食われたようだ、詳しく話せないが、アレはそういうものだ。昔にいた生き残りだ。生息いる時点でダメだがな、お前のハルトって言ったか。あれは少し似ている。が、もしくは。知っている者が居る。現時点では把握は出来ない〕
〔お兄ちゃんは無事なのかな。あれって妖精だったの?〕
〔いいや、同じだが部類が違う。あれはそうだな、外層の内側にある物質に出来た塊、まぁ言ってみれば。口を開いた鳥だと思ってくれ、開いた口のまま。入り込んだかもしれない。無事だと思うが、光の中に入り込んだかが分からん〕
〔お兄ちゃんが無事ならいいや。でも、いっつも乗っ取るの〕
〔遊びたいからだ。お前もそうだろ〕
〔うん。でも、嫌だなぁって〕
共同生命体として、二人は過ごして早数年。
サムラとサハトという二重人格な生活を送っている。




