光の夢に抱く心。忘れ去られた夢
彼が住む村は、国の中で一番端っこにある村。
サムラとハルトという少年がいた。
新たなダンジョンが生まれた草むらの奥に出てきたものが村に利益を齎す可能性を示した。
そうして彼らが派遣という形で冒険者パーティーが来る方向に決まった。
ギルドマスターである彼が探索と捜査を担う役目を負う。
それらを知らずに居るサムラたちはその場所へ向かい。
入っていった、でも。本当に訪れたのはーーー。
「お兄ちゃん辞めようよ。こんなことして」
「任せておけって!ここいらで、あの人らに冒険者たるものがあるっつーこと魅せてやるのさ」
これが始まりになったきっかけだった。
僕は知らなかった。
本当の意味で地獄の始まりが来たことを。
僕が僕である意味も同時に知った。
暗く淀んだ光が差す洞窟の奥に入った二人は松明の光を頼りに歩き、光る石のような場所まで着く二人はとりあえず、休憩をすることにした。
「けっこう歩いたね、お兄ちゃん」
「うん、そうだな。光っているところで休むかハルト」
頷くのを確認してゆっくりと二人で苔が生えた岩場に腰掛けてから、ダンジョンの中だというのに疲れた体が襲い。目を閉じるように就寝する二人。
二分か五分くらいで起きたのは、ハルトだった。
寝ぼけながら歩くさまはどこか危なっかしい様子。
僕たち子どもだったから、通じない世界へ来たことで僕という心が消え去った。
それは僕が招いたこと。
泉近くにぼーっと見つめ、足を踏み入れる。
冷たい水がハルトに囁く風が吹く。
ポツンとポツンと、水の音が洞窟内響き渡る。
ゆっくりと、風が周囲に巻き込んで渦のように舞う。
洞窟内にいるのは二人だけ。
【われは、光。汝、呼びし魂なりか。我。汝に祝福を与えん力を求めるか?我。応えゆく人の子に聞く】
渦巻いて見える光の物体は、精霊のように見える。
でも。ハルトは「ぼくは、お父さんとお母さんがいるこの場所が好き。だからいらない。お兄ちゃんがいっぱいくれるだもん」とはっきり断り入れた。
【されど、末路の古がいる。我。汝に問う。力なりは欲さず。冒険たる挑みを謀るか】
「うんだってぼくは……」
サムラが起き、何かと喋っているところを見たサムラは興味津々だった。
光の球は瞬時に消え去った。
「ねぇねぇなんだったんだアレって」
サムラにしつこく聞くもんだから、アレは精霊で僕に話掛けたんだって言ったら。サムラは嬉しそうに笑う。
ここまで探険した二人はもう家に帰る時間帯まで遅れていた。
その時だった。
突然光がハルトの周りだけ包むように舞う。
「ハルトッッッーーーー!!」
サムラ越しに見たサハトは思いが一緒になった瞬間
ハルトの全身に浴びる光が高速スピードで消えた。
手が届くのにすり抜けるハルトの体はすっと透き通った。
この後サムラは冒険者たち見つかり説教を受けるがもう一人の子を誰一人"いた子供を"知らないと言う。
この時初めてサムラは、自分の手から離れた弟のことが忘れなくなった。
同期したサハトも同様だった。
二度目の世界が今、始まった。
◆◆◆
もう一人。
令嬢の目を覚ます。
暗い部屋に一人のメイドとリッサが料理準備し執事のクランが窓枠のカーテンを開く。
「お嬢様ご支度をお願いします。リッサ、お料理を前に」
リッサは手早く朝食準備する。出来上がったメニューはサラダの炒めものと鶏肉が詰まったハンバーグと色取り取りな形の料理が並べられた。
いつも彼女の朝食は一人で食べていることが多い。
家族で食べることなどもはや、なかった。
家族の両親は、いち早く亡くなったと聴かされた。
彼女は毎日こんな生活をしていた。
伯爵夫人のもと。彼女は不自由ない生活を満喫している。
そんな彼女に寄り添うメイドと執事の二人。
幼い頃の記憶あまりなく、誰かいた記憶だけが鮮明に覚えている。
お行儀よく落ち着いて食べる習慣は、この家の屋敷みんなが教えて込んでいることだった。
寝惚けているお嬢様に、執事のクランが老いた爺様の庭師を呼ぶ。
「お嬢様お嬢様、庭師のゴンベイさん呼びますので早く目を覚ましてください。早くしないと鶏肉がなくなりますよ」
庭師ゴンベイはここに来て二年半弱になり、鶏肉があると挙って子供たちに配ってしまう!ことが度々あり、制限を付けて、来ないように呼びつらがっている。
今回も同じくしたように呼ぼうとするクランとリッサは領主を形を執る夫人がここの主である。
七年前に逃げ込んできた街の中でかつての友を弔うべく紛争し勝ち取った地位であった。
そんな主の娘を預かり保護した幼い赤ん坊はすくすく成長した。
今はこれが精一杯の誠意だった。
声で目覚めて、ピンと背伸びをする。
「起きるから起きるから絶対ぜーったい、死守して頂戴」
そう言って彼女は、寝間着の姿だったことを思い出し慌てて、着替えを頼むのだった。
朝食を食べ終え庭先の花壇にしゃがみ込む。
「嬢ちゃん、また来なさったな。よぉこられたもんだ。平民さかい、よぉ気ぃちけれ」
訛り濁った話し方をするゴンベイはいつもこと。
私はこんな生活が幸せいっぱいだった。
同じくらい、いっぱいいっぱいあった。
それでも、温かった夫人のもとに頃の私は本当に幸せだった。それくらい本当によかった。
夫人が後継ぎとして、隣の領主の息子がこの領地を引き取るという。
数年後に夫人が病に倒れ代理に息子夫婦が経営することに。
小さなものだった最初は、段々と金遣いが荒くなり。
いつしか、息子夫婦が実権を握ることになり益々増長した。
夫人を直す薬もほんのちょっとしか残っておらずこのままいけば、死に至る。
彼女は、恩返しつもりでやっていたことが裏目に出た。
そうして月日流れ、一人でも生きられる生活と婚約された約束が彼女の心残り。
「君ともあろうものが、金輪際彼女の前に現れないでくれ」
彼女の婚約者だった人物だった人と隣に腕を組む少女。
そして、彼の周りには攻略対象となった人物たち。
「わたしはなにもしていないし、やってない。あなたはもう信じてくれないのね!」
罵詈雑言の言葉を吐く少年たちは、この場はパーティー会場のど真ん中だった。
彼らは自分たちの正義を信じた。
王族も集うこの会場で響き渡った。
わたしは少しでも信じたかった。
お母さんとまで呼べなくても、夫人に今生きてると伝えたかった。
彼女はそのまま連行され、後日処刑が決まった。




