許す世界は誰もいない
夢の世界から覚めたサハトは、遠く浅い夢を見た。
世界を敵に回す弟。
狂わせる時間軸の歯車に、壊れていく世界の命たち。
神は黄昏れない傍観者、喜びも悲しみも。
俺はいったい、いつから。
この夢から覚めるのだろう、と。
古く、いたメンバーは死に絶えーーーー。
残された思い出が、きつくきつく。
縛るように、奪われた記憶だけが温かい。
彼がいた世界にも浸食し、崩落の音が鳴り始めた。
そして僕は、いた思い出だけが残っていた、ソレはアマく。ソレは、ツメたい。
苦みもない世界でただ一人残された、苦しみの果て。
彼の人生が幸福であったにも関わらず訪れた絶望に飲まれてしまっていた。
★
一人の少女は、この世界で何不自由なく過ごし生きていた。
恵まれた環境。親の愛。我が儘に育たず立派に育った彼女は婚約者に恵まれ幸福の人生を歩んでいた。
彼女の母のように慈愛の心を持つ淑女になるべく毎日を邁進する日々を過ごしていた。
殆どの毎日を同じように過ごし、婚約者の心に沿うように頑張ってきた。
でも、いつから。彼は、彼女のことを器嫌いし始め。
彼女の悪者扱いだった。
そして彼女に断罪する面々まで、現れて――――。
世界の崩落が始まったのはこの時代からだった。
各地で、何者かわからない生物たちが増幅し、屍者とも呼ばれて―――――冒険者たちは
立ち術もなく、破壊された。
街々は次々に壊れていく。
残された者たちが立ち向かうが、増大する不滅の刃たちは次々と巻き起こる事象に及ぼす力を発揮する。
人々は恐怖する暇なく、全滅するまでに追い込まれていた。
人間たちは、ほんの少ししか生き残れないサバイバルになっていた。
気滅の力を持つ人なる人物たち現れる。
異能の力だった。
魔法と異能が入れ混ざり、サハトは魔王となった。




