サハトの願う未来の場所
「大事なこというで。お前さんはたがり火の幽影に罹っている。心と相対する時に乖離する可能性があるのだ!お前さんは」
「肉体と精神乖離っていう医学分野やけど、お前さんの心にものすごい傷があるって言うわけ。そんで、お前さんはレルツさんは二回乖離を起こしている状態や。一回目はただの偶然やと思う。二回目は死の決意やから出た真水のようなものやな、で。治療するやけど、これ持っててな」
手渡したのは赤い紙と小さなハンカチ
《帰る帰る人の夢、忘れ難き憎しみに溢れ尊き未来壊し打つ波に飛び返り。大らかに魂の縁を結ぶ歯車の自転に巡る境界を尽くす光の道に流れ謳う崩落の年数へ遡り、応えを満たす本来の願いを込め。我が道間に揃う交差点、己の返りに戻す命を返せ》
光が何重の魔法陣がレルツの周りに作り、徐々に満たす光が帯続ける。
やがて、満たした光がレルツを包むゆっくりと。
彼女のぬくもり忘れていた気持ちを呼び起こす何重の魔法陣は誰にも真似ができない術式で編み出しその魂事態に干渉する力が働く。
レルツの顔色がよくなった。
「これで、よしっと。ほんで、どうする?」
と何かを聴くサハト。さっぱりわからないレルツは首を傾げていた。
「このあとの仕事はどうするのか聞いてる、で。レルツのお嬢さんはあいつらのもとへいくか、俺の助手として着いてくるか」
レルツは選択肢を与えられて考え込むこと数時間後。
「あんたの目的は知らない。でも着いていく価値はわからない。なのに、どうしてこんなにするんだ」
サハトはわざとしているのかわからないが、はっきりとレルツに告げ、サハトたちは去って行った。
◇◇◇◇◇◇
グラリアたちは真っ直ぐに突き進み、歩いた先がミッツァル平原地帯に着く。
そこにあったのは悲惨な光景だった。
道行く人だらけの荷車や馬車が大勢並んで、何かいいよっていた。
その中でタチが悪い人たちがいた。
黒い靄のような赤黒い霧がその周囲に囲んでいた。
自分たちが見た光景が先ほど見た光景と重なり合い、これはやばいやつだと判断するグラリアたち。
「早く突破するぞ。みんな」
パーティーメンバーは全員頷くと駆け巡る周囲から走って逃げる。
口喧嘩のようだが、抗争の真っ只中に突っ込むメンバーたちは割り込む人たちを無視して突っ切る。
奥の方はまた悲惨だった。
戦う気力はないメンバーらは街の門らしき入り口に着くとまだ平気な兵士たちに話し込む。
数分掛けて説得し門の中に入って行くグラリアたち。
ギルドのマークの盾と槍の交差する一本線に剣が描かれている。
酒場になっているギルド内は冒険者たちに溢れていた。
でも彼らは焦っていた。
ここが戦場になってしまうことに。
そして、グラリアは大声でギルドマスターを呼んだ。
「マスター、マスターをお願いしやす。至急連絡があります」
その言葉を繰り返し発する。
受付嬢と受付係はこんなに焦っている冒険者を何度も見たようだが、いつもと違っていた。
「無事なら俺たちの言葉を聞いてくれ、あんたらもだ」
その冒険者たちは服装は若干ボロボロで何度か戦ったあとがある。
酒飲みしていた冒険者たちも野次馬を働かせる。
「あ、やべえ。来ちまった!逃げるぞみんな」
頷くパーティーメンバーはギルドから遠く離れた場所に足がもつれながら、走り込む。
黒の霧が徐々に、街へと浸食していく。
応援を呼ぶはずが大量に襲いかかる黒の霧はグラリアたちしか見えなかった。
☆☆☆☆☆
レルツとサハトはグラリアたちが向かった方角を目指して走っていた。
ちょこちょこ、詠唱省いてサハトは浄化していく。
「なんでこんなに多いだ」
「逃げてきた連中だと思うがそれよりも、あれって凄いきついやつだよね。ま、関係ないけどほっとけない。あれが灰なのかい」
レルツとサハトは走りながらそんな会話を交わす。
街の中央辺りか濃くなっている霧が覆っているのが多くなっていく。
聖人のように浄化を繰り返すサハトは案外お人好し。
浸食と浄化が反発する街沿いはいわば商店街だった。
山の方に向かう霧が灰の海を作り出している。
聖魔法を使う魔法使いは現存しているより少ない。
中央広場に着く一行とサハトたちはここら一帯をめっちゃ浄化していた。
「原因はこれで、あれがあっちと。どうしたおっさんたちは」
気が抜けるはこのことだ。グラリアたちと無事合流した。
「ていうと、お前さんが灰の力が増すっていいかい。理解は追いつけないが」
「光や闇に属する魔法ならそうだと思うけど、あれはそうじゃない」
サハトは空中に文字を映し出し描いていく。
それぞれに文字を作り出し図面として書いていく。
700種の図面作成をしたサハトはそれぞれの特性を言う。
サハトはそれぞれの文字を説明しながら、特性の能力を説明する。
「特殊魔法っていうのがわからないだが、どんな魔法なんだい。俺たちにはこれが文字には見えないだが」
「文字は文献にある公文書に記している文字がそうだが。君たちにはまだ早かったみたいだね、魔法文字が魔学の生業にする工学分野だね。それで起きうる事態が今現在、黒の霧は自然発生じゃない人工魔法。魔術の能力を使った力で生み出せられる黒、碧、蒼、紅、緋。白は無属性。桜、桃、栗の色が備わっている魔術、魔法は特性の色の能力を使う人体魔法陣。特殊魔法は成り立ちの法則から編み出し作り上げる元素の魔法。色が決まっている魔術は特性がよく出る。光は自然の能力を使った治癒。回復魔法は束帯の帯に併せて能力を促進する魔法。長くなっちゃったみたいだから、簡潔に言うと黒の力は周囲関係なく汚染するパワーで理解でいいよ」
サハトは力の根源たるものの教える。
「君たちは魔力操作できるよね。できないなら、まだ馴染みが薄いようだが。力は根本は無の力に属するだけ、科学に似た力の現象もあるけど違うからね。えっ‥‥とね、まぁ。できる力が違う根源がある認識で大丈夫だよ」
「君たちがいる街事態もう悪いみたいだから、崩壊寸前だね、うんうん。でも俺は何もしない。この子の安全のため”だけ"にやっている」
「そのために犠牲に払う必要があるならやるよ、でも運がよかったね。必要以上に出費しなくて」
男なのに色気漂う気配を纏いながら、殺気と威圧感が周囲に放っていた。
「だからね。分かっているかな?」
放出する魔力量が空域を及ぼし天高く舞い合う魔素の力が混ざり合う渦を作り、街中が綺麗に浄化されていた。
光が目映いばかりに輝いてキラキラ星のように散りばめた。
空から降ってくる魔素は人体に及ぼす影響を消していた。
灰になっていた人散り散りに消えてゆく。
肉体はそのままに変えてゆく。
崩壊した都市はもう、復興ができないほどに人が消滅した。
瓦礫や岩場はそのままに人だけ消えていた。
「さて君たちはこれからどうするんだい?神さえ消えるこの世界でどう生き残るつもりなんだい?ああ、気にしていい。これは君たちの綻びに繋げた橋渡りだから」
雨も大地も消えていく光景が広がっている。
だけど、崩壊の前触れが訪れたばかりで救う力が必要。
「君たちは彼処の場所に教師として、従学して欲しい。助けに今後の君たち次第で運命が決まる。そして、送り届けよう」
声を発するままに紡ぐ歌声は空や大地を震わせ、メモリーが映し出し描いていく。
【さあさあ、見事に移し替えよう。祭りに祭りに人通る。美しき導きに】
荘厳な扉が幾つものに併せて連動する。
光が建物内部に浸食しこの街跡は消え去った。
彼は願いを込めて流離う光のようにこの時代から次の時代へと移行する時に彼が望む未来があることを信じて贈る世界の願い。




