彷徨い歩く駒、忘れた願い
「お兄ちゃんお兄ちゃん。どうしたの?それ」
弟の声が聞こえ振り返る、革靴と作業用の服を着た弟が立っている。
朝は毎日、植物の水やりをしている。
だが今日は違う!冒険者たち来たみたいにやってきた彼らに敬意を払い。
「今日はな、剣の稽古している。言わばまねごとだな。お父さんもいることだし、お前にいいとこ見せる為だ!」
「ふーん。そうなんだ!」
不思議そうに笑う弟はどこか不自然にも輝いていた。
「でもお兄ちゃん。みんなにほんとーに迷惑掛けないで、やれるなら。僕は約束守るよ」
仕方ないと思うのは俺だけか?まぁ考えても同じだろ。
「あっ。今日ってさ、お母さんが夕飯のご飯が出来たっていっていたよ」
ああ、これが日常であることがうれしい。
失っている記憶もあるが、俺が護れる力があるというのに歯がゆい。このまま過ごす方が良いだろうか?
あいつはもう。忘れる、あの願いが叶う。
だから、止める為に巻き込んでしまおう
魔王であった頃よりも早く、転生者たちや覚醒者たちを巻き込んでおこう!
そのうち、俺があいつに殴られる未来が見える。
そうして一日一日が過ぎてゆく。
俺にとっては幸福な出来事であるが、あいつにとっては不幸だろうと思っている。
俺だけが思っているだけであいつは関係ない。
だから、あいつの幸福を訪れる事を願うばかりだ!
訪れる未来がこうだったか、であることを願う。
俺が俺のままにある人生を送る果てなき夢の為に綴ろうと思う。
破壊と殺戮のない世界で、密かに頑張ってみますか?!!
でも俺だけが。やってみても意味がない!
長く続く世界の綴りを描いた背景が壊れない為に俺が悪になろう。魔王と呼ばれたあの日が懐かしい。
悪魔と共存していた頃の時代、天使と神がまだ争いに満ちていた時代のこと。
だから。あいつの言葉を聞かせてやる!
奪った神どもに、時代ごと巻き込む!
あいつらに好き勝手に暴れる坊者の荒くれ者どもを連れてくる!この世界で。
20年や50年は容易い。英雄どももここに集わせよう!
俺が俺の為に動いてくれる駒をあいつの為に動いてくれ!
呪縛の封印が解けてしまう前に。
終わらせよう、本当に意味で救ってやれる。
たとえ欺瞞に満ちていても、俺があいつに笑って欲しかった。




