冒険者の望み、これは不思議にある日常
エルヴァレーゴの吸窟、23層下層部セーフティエリア。
冒険者は皆、生きるの必死で栄光や栄誉に囚われる感覚を結ぶ認識をする。
高ランクの冒険者は、だいたいはそう考える。
従って人はある契りを結ぶ。
牢獄に相応しい地位の利用を向ける視線が移るものに替わる。
そんな下層部の外に、サポーターのレイガは"喰嵐の蒼蝶”のパーティーメンバーとして加わっていた。
魔物の採取を捕るレイガは、この洞窟内で一番の雑用係だった。
くっきりと広がるダンジョンの中は、鉱石や物質は色んな意味で変わっていた。
鉱石の中じゃ、アメジスト。エメラルド。パールグリーン。瑪瑙などの採掘が可能だった。
最下層を向かって進むパーティーはここまで、多くの魔物と戦った。
疲労も多く溜まっているのにもかかわらず、前進するパーティーは色んな意味で危なかった。
丁度、今が休憩できるスペースがあって助かっていた。
「レイガ、あんたって器用にやるけど。足手纏いなんだから前に出ないでね、邪魔なんだから」
赤い帽子を被った女性、エルテニーシュ。ローブがぶかぶかの黒のマントが豊満な体にあたっていた。
「エルテ、まだこやつがスタンビートを興したベンチャー企業で働いていたこと忘れていたのか?」
七年前に、ロレシアラ企業がモンスター研究で大量のコストと生産を行っていたことが原因で大量の魔物が襲来した。
連邦国家の一つにある場所に、故郷を滅ぼした地域の住民だった。
生き残りの子供、本来なら孤児院に収まる男の子だった少年は冒険者となって生き抜いている。
他にも生きられるというのに、この職を選んだ。
「仕方ないじゃないですか、ハルトラさん。前に教えて貰ったことは忘れていないですからそれくらいにして、飯でも食べませんか?」
剥ぎ取っている男の子は、配偶者のいない場所ばかりに向けて歩いている景色に見慣れた顔が揃って頷く。
様々な食べ物が並び、茎の枝を薪にして火に焼べる。
鍋に並べた食べ物はとても美味しそうだった。
「にしても、よく平気そうにしてるわね」
エルテニーシュは不満そうに呟く。
大柄な体に黒のバンダナが巻いた無愛想のフェニテアがハルトラに文句を言う。
「熊程度に怯んだお前さんらに、盾で防いだこと忘れたのか?」
「あはは、ははは」
レイガは堪える笑いで、この場を乗り切ろうとした。
6人のパーティーは、エルヴァレーゴ吸窟の23層下層手前で穏やかに過ごしている。
ウォルトミノタウロス、ギガビットワレット、ジェイルゴブリン。A級クラスの魔物が多く生息し稀に鬼畜と思える魔物が沸いているケースがある。
機械兵器登場や魔道具の部品が溢れた連邦国家は、様々な開発や事業の展開を行っている。
その中で特徴的な物をレイガは持っており、魔物センサーと名付けた道具をセーフティエリアで使っていた。
「問題無いよ、このエリアは大分進んだね!」
レイガは魔道具を仕舞い、リュックの端っこを掴んでからった。
そう言ったのは、レイガはガルドやグレーデス、ハスマに応えていた。
「大きいの、来たぜ。グレーデス、端に引っ込んで打て」
魔術師の姿のグレーデスは半詠唱を唱えながら、武具生成を同時進行をする。
「ゲルニネ、弓で頭の中央部分。魔術で弾き返せるか?」
「全然無理だ。こっからだと遠い。ガルドお前ならやれるだろ」
ゲルニネは、六㍍の先に居てガルドはその魔物のちょい先ぐらいの場所に立っている。
盾の方に鎖状のなまくらが揃っており、ガードするべく立ちはだかる障害としてガルドは前に立つ。
フェニテアが挑発する。
二人で、この場を収める。
タンカー二人が揃って挑発とガードを行い、グレーデスで魔術展開に見せ、エルテニーシュの連射機能の魔法を使う。
ハスマが長剣の方で叩きつけ、ゲルニネが替わる。
ひどく連携が取れたパーティーだった。
レイガはこのパーティーに組んでよかったと思っていた。
突然、地震ような揺れがパーティーに襲い掛かり分断された。
戦力は充分にあった。
道具も自分のも使えば、このパーティーは助かるはずだった。
《我に揺れ、異の名は忘れぬ。祝福がこの場の呪いを始めとして献げよう》
声ならぬ声がパーティーに響いた。
頭の中に響いた音は、軈て世界の中心に広がって燃え盛る。
黒に染まっている化け物がこの場に誕生した。
邪神にまだ為っていないほどの魔物は、更に黒く黒く染まって行く。
周囲の力を吸収し、成長していく。
急速に滑らかに、Sランク越えの魔物が雄叫びの力を挙げる。
「どうなってんだ」
平べったい地面に、足を付いたゲルニネ。
「くそっ、アレは何だ!!」
盾を構えたまま、引き下がるフェニテア。
「何よアレ」
呆然と立ち尽くしたエルテニーシュ。
杖を構えつつ、立ち止まったグレーデス。
ガルドは、無意識に逆らったらやばいと思いフェニテアを引っ張る。
レイガは、何がどうなってのかいまいち理解ができなかった。
「お前ら、俺がコイツを引き受ける。さっさと逃げやがれ!」
ハスマは、初めて大声でこの場の空気を変えようとした。
レイガは、何を言っているのか本に理解できなかった。呆然と立ち尽くす。
ガルドは理解し、仲間達を逃がす為の時間稼ぎならないことを分かった上で大声で叫ぶ。
「逃げるぞ!貴様らは置いていかなければ、死ぬことになる」
そうして、彼等は敗走と言う名の誇りを失った。
サハトは、この場所にまたやってきた。
「ふぅぅ、またか!コイツの発生は何度目だ」
喰われた男の死骸が転がっていた。




