対大熊戦にはスキル合成で対応しよう
狼になっての初の戦い。
タイラントベアはその巨体を生かした体当たりや突進をしたり、木のように大きい腕を振り回して攻撃してくる。
俺はそれを『嗅覚強化』で察知し、『脚力強化』で避ける。そして、『触手』で牽制し、『豪爪』と『豪牙』で攻撃をする。
そんな攻防を繰り返していた。
この狼の体はとても素早く動く事が出来ていい。
まさにスキルのフル活用。かなり集中しないといけず正直言って大変だ。
それに……決定打がない。
『豪爪』や『豪牙』で攻撃はしているが、ヒットアンドアウェイ戦法なのでとどめの技がないのだ。
何か…ないのか?───『叡智』
"スキル合成が可能です。”
スキル合成とは、何万とあるスキルを組み合わせ、さらに強力なスキルを生み出す事で、相乗効果によって元のスキルよりも強力なスキルになる。
…やってみるか。
『触手』と『豪爪』を合成してみよう。
『触手』の広い攻撃範囲に『豪爪』の威力の高い攻撃力をたす。かなり戦いが楽になるだろう。
「スキル合成、『触手』+『豪爪』。名前は、そうだな…『触腕爪』と名付けよう」
詠唱する。すると触手の先端が変化していき、鋭く爪のようになった。…これならあいつを倒せる。
「スキル『触腕爪 』!!」
そう叫び、大熊へ、触腕を振るう。
「グギァァァッッッ!」
悲鳴が聞こえた。振るった『触腕爪』が相手の腕を切り、倒れたのだ。
……凄まじい威力だな。
でも、これで[あれ]が使える。
──スキル『寄生』!!
詠唱と共に、一瞬だけ意識が持っていかれそうになる。異世界転生して2度目の感覚だ。そして…
目線が高くなった。手を見るとさっきまで戦っていた相手の手だった。
「『叡智』、新しく追加されたスキルは?」
"入手スキル『体内貯蔵』『聴覚強化』『自己再生』”
また、称号〖暴食の使徒〗を獲得
対大熊戦は寄生生物の勝利に終わった。
6話になります。
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