大罪スキルは強スキル
仲間を差し出してまでこの力を得ることに躊躇いがなかった訳じゃない。
力を得たとしても、無事でいることは出来ないというのも周知の事実。
それでも、あの寄生生物を倒せるなら構わなかった。
それなのに、仲間を喪っても、悪魔に命を売っても、この化け物には勝てない。
この世の中はクソだ。
何もかもがうまくいかない。
お袋も、親父も俺が産まれて直ぐ死んだ。
それから、たまたま山賊に拾われて育った。
……………俺を育ててくれた人達を俺は、殺したのか。
意識が飽和していく。
体のどこにも異常はなく、むしろ冴えているのに、意識だけが体から離れていく感覚に襲われる。
………受肉。
その単語が頭をよぎる。
悪魔は少しずつ、じわじわと意識を支配している。
…………それでも構わない。後戻りもできない。
なら、
『「早くくたばれ、寄生生物ォ!」』
大罪スキル『暴食』
この強さは凄まじく、習得すれば一般の市民が一騎当千の戦闘力を有すると言われている。
そんなスキルが他のスキルと違う点は、複数の能力があるということだ。
スキル一つに能力は一つずつ。というのが常識だか、大罪スキルはその常識は通用しない。
転生スキルですら、その能力関する拡張技能ぐらいが限界なのだ。
そんな大罪スキルの一つの『暴食』
その能力は
"大罪スキル『暴食』”
・"悪食”
物体や魔法を見境なく呑み込む
・"吸収”
他者の魔力や自然界の体力・魔力を取り込む
・"侵魂”
他者の魂を喰らい、廃人にする
また、呪いを喰らうことも可能
・飢餓の魔眼
見た者を猛烈な飢餓感に襲わせる魔眼
・眷属強化
自身の眷属を強化する
といったところだ。
うん。強スキル。
にしても廃人だの、飢餓の目だの物騒な能力ばかりだ。
でも、
『お前を殺すのにはもってこいだ。』
『「早くくたばれ、寄生生物ォ!」』
『無理な話だ!──"悪食”』
刹那、眼前に黒い渦が生まれる。
そしてその渦は、辺りの木や地面の土やらを吸い込んでいく。
さながらブラックホールだ。
『「っ!!?さ、『散血』ぅ!」』
男は血をとばし、抵抗するが虚しくその血も"悪食”は呑み込む。
『「なっ、クソッ!」』
自分のとばした血が生まれてに呑まれたのを見た男は慌てて横に跳び退く。
その男の顔は
───更に変色が進み、黒い痣が顔全体を覆っている。
その男は、技を使う度に侵食が進んでいる。
この男はもう…………………
「…………少々、乗っ取るのに時間がかかったな」
この男はもう、助かることはないのだと、そう理解した。
プロローグの水泳部のプールで爆発が起きたという設定を教室に変えました。
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