クルシア・ノーティス
初めて人と戦った。相手は複数しかも、そこそこ鍛えていた。それなのに意外とあっさり倒せた。
強くなったもんだなーと考えていると
「あの、あ、あなたはなんなのですか?」
声がした。振り向くと状況が飲み込めずおどおどしている青年がいた。
『……ここで話すのもなんだし、あそこに座って話そうか』
そう言い俺は触手で近くの切株の指す。
それを見た青年は
「ええ、わかりました」
と切株に座っていった。
切株に座り、青年は「じゃあまずは自己紹介から」と前置きをする。そして、
「僕の名前はクリス・ノーティスと言います。
一応、研究者みたいなことをしていて、日銭は薬とかを作って稼いでいます。」
『なるほど、じゃあ俺も、俺の名前は ───
春野寄継、と言おうとしたが躊躇った。
俺は確かに春野寄継だ。でもそれは1年前の、生前の話だ。今、この寄生生物の俺は生前とは全くの別物。
だから、
『名前はない』
そう答えた。これでいいのだ。
するとクリスは
「そうですか…なら僕が名前を付けてもいいですか?……クルシアって言うのはどうでしょうか。」
『クルシア?』
「ええ、クルシア。ほら、なんとなくクリスに似てるでしょ。後、ファミリーネームは…僕のファミリーネームのノーティスで、「クルシア・ノーティス」
これをあなたの名前にしませんか?」
『クルシア・ノーティス……いいのか?クリスと同じファミリーネームで…』
ファミリーネーム、つまりは苗字。それを俺の名前にするということは俺を家族に加えるということだ。
クリスから見れば、俺は得体の知れない魔物なのに…
「はい!それに僕、家族がいないので嬉しいです」
『ならいいんだか…』
クルシア・ノーティスそれが俺の名前。
何故かしっくりくる。
『…改めて自己紹介を、
俺の名前はクルシア・ノーティス見ての通り寄生生物だ。』
「…ええ、わかりました。」
自己紹介が終わる。そして俺はする予定だったお願いをする。
『それでさ、クリス。1つお願いがあるんだ』
「?僕には助けて貰った恩があります。できる範囲ならなんでもしますよ。」
なんていい人なのだろう。そう思いながら俺は言う
「これからクリスの所で暮らしていいか?」
15話になります。
主人公くんの名前が決まりました。
キャラクターの名前を作るのは意外と楽しいです。
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