初めての友達は鳥でした
『オマエ、強ぇーんだナ』
戦っていた鳥の魔物がなんと喋りだした。
これは…『念動波』か?
なら俺にもできるはず。
『あーあー……こうか?』
『オマエも『念動波』を使えるのカ』
聞こえたみたいだ。今更だか普通に喋っても聞き取れないらしい。 ──そもそも口ないし。
『えっと…まず俺の事は覚えているのか?』
まずは軽く質問をする。考えたら異世界で初めての会話だ。1年ぶりに誰かと話す。元々人と話すのは得意じゃないからか、自然と体が強ばってしまう。
『 そんなに警戒するナ、もうオマエを襲うツモリはねぇヨ。襲っても岩に押し潰されるだけダ。それデ…ああ覚えてるゾ。オレのこの目を潰したちっちゃえ寄生生物だロ。……ちと大きくなったカ?』
そう言い、翼で潰れた目を指す。覚えてるようだ。
『……悪かったな、あの時は必死だったんだ』
『別に、気にしちゃいねぇヨ。あん時は特に警戒してなかったオレが悪ぃしナ。』
俺を恨んでるのかと思ったがそうでもないらしい。
その事がわかった俺はずっと気になっていたことを聞いた。
『それで、なんで急に話しかけたんだ?』
何故、ついさっきまで戦っていた奴に話しかけたのか謎だ。どうゆう理由なのだろうか。
『オレは強ぇヤツが好きだからナ。オレはこれでも負けたことはなかったんだゼ。でモ、オレはオマエに負けタ。だかラ……オレから提案があるんダ』
『別に大した理由はない、か。それで…提案?』
『ああ。…オレと……友好関係を築いて欲しイ。ほラ、ニンゲンがよく言うじゃねぇカ「昨日の敵は今日の友」ってナ。…戦友ってのガ、一番シックリくるかナ』
要約すると、自分より強い俺と友達になってこれから共に戦って行こう。という事だろうか。
……今後、1人では大変なことがあるだろう。そのことを考えると悪い提案じゃない。だったら、
『ああ、いいよ。これからよろしくな』
そう言い、触手を前に出す。
『…いいのカ?……あぁよろしく頼厶』
そい言うと翼を前にに出した。触手と翼が触れ合い、握手を交わす。
初めての友達は鳥だった
12話にならります。
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