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終末後の世界を旅しよう!  作者: エント
先ずは異世界を認識しましょう
3/18

この村長はおそらくこの世界でも有数の存在では?

「うわぁー、それは災難だったね」

「お主よく生きてたな。その状況下なら何度か死んでておかしくないぞ」

マオが憐れみの声をあげ村長があきれ返る。

村に移動しようとしたときグリフォンが倒され命の危機が去ったことで安堵した愛瑠はマオに手を掴まれたまま腰を抜かしてしまった。そのためマオが愛瑠を背負っており村に移動する最中に草原に立っていたところからここにくるまでの話をしていた。

「全く! 愛瑠を草原に放置するなんてひどい奴も居たもんだ!」

「まぁ生きてるんだし大丈夫だよ。だから少し落ち着いてマオ」

話を聞いたマオは憤慨しており愛瑠はマオをなだめようとしていた。

「そうは言うけどさ……」

「少し落ち着くべきだマオ。憤慨すべき愛瑠を差し置いてお主が怒ってどうする?」

「うぅ」

それでもと不満が残るマオを村長がたしなめる。

「とは言えその話を放置するのはとても不味いだろうな。今回は助けがあったからまだしももし幼子が助けがないようなところに送られでもしたら冗談ではすまされんしな」

村長は愛瑠の件を重く受け止めているらしくどうしたものかと考えている。

愛瑠としてもこの件は元の世界に繋がる出来事であるため気が気でない。

なぜ自分がここに連れてこられたのか確証を持たず危険があるのかわかっていないため理由を確定させたいと考えている。

そのようなことを考えているとマオが突然止まる。どうしたのかと顔をあげるとどうやら村のすぐ目の前に到着していたらしい。

「愛瑠着いたよ。ここがぼくたちの住んでいる所だよ!」

「名を弥生の村という。村としては新しく30年も立っていないが生活基盤はしっかりしてるから問題はないはずじゃ」

マオと村長の言葉につられ村を見る。村をみた感じ日本の中世くらいの生活基盤ではないかと考える。少なくとも文明開化はしてなさそうである。

「入り口で突っ立っているのもあれだからわしの家にいくかの」

そう言って歩き出した村長に愛瑠を背負ったマオがついていった。村長の家は村の中央付近にあり、他の家より少しだけ大きかった。

「さて二人とも上がりなさい」

「はーい」

「お、お邪魔します」

玄関で靴を脱いで奥の部屋に入る。

そこにはテーブルと座布団が四枚おいてありそこにそれぞれが座る。準備が整ったと判断した村長が話し始める。

「さてと改めて紹介しておくか。わしの名前はルーナ。ここ、弥生の村の村長をしておる」

「ぼくはマオだよ。よろしくね!」

「私は朝日愛瑠と言います。先ほども述べたように愛瑠と呼んでください」

「うむ、それでは愛瑠よ単刀直入に聞くがお主は異世界人か?」

ドキリと胸がなった気がした。

「……別に異世界人だからと言ってどうということはない。わしは昔異世界人と会ったことがある。お主の話を聞いてもしかしたらとおもっだけじゃ」

「……っ!? 異世界人に会ったことがあるんですか!?」

思わず聞いてしまった愛瑠は自分で自分が異世界人だと言ってるようなものだと気づき、あっと声をあげてしまう。ルーナは気にせず話し始める。

「うむ、何度か会っているぞ。勇者や聖女はおろかお主のような"巻き込まれ“にもな」

「……なぜ私が巻き込まれだと?」

「異世界からくるのは勇者か聖女のどちらかで他の者は巻き込まれと呼ばれる。わしは勇者や聖女に会ったことがあるから彼らの雰囲気は知っとるからの。お主にそれらがない以上巻き込まれだと判断した。……まぁ行きなりつれてこられたんだから混乱するのもわかるがな」

さて、とルーナは場を改める。

「本題に入ろうか」

「本題?」

「うむ、お主はこれからどうするかだ」

ルーナの発言に愛瑠は無言になる。元の世界に帰りたいと思うがどうすれば良いのか全くわからないからだ。

「……もしお主が良ければ鬼人族に身を預けんか?

「鬼人族?」

初めてきく単語に愛瑠が反応する。

「鬼人族というのは小鬼人(ゴブリン)とか大鬼人(オーガ)とか角を持った種族のことだよ!」

話についていけず黙っていたマオがようやく自分でもわかる内容が出てきて愛瑠に説明する。

「付け加えると彼らはその昔魔物の一部として迫害された過去があるのだがそこから一つの種族として世界に認めさせた者の中に巻き込まれの異世界人がおってな。そのため彼らは感謝の証として巻き込まれの保護をしておるのだ」

それは悪くない提案だと思う。なんも力持たない自分一人ではすぐに死んでしまうだろう。

「え~!? 愛瑠は鬼人族の所に行っちゃうの?ぼくたちと一緒に暮らそうよ!」

マオが愛瑠を引き留めようとする。

「まぁ待て、愛瑠もこの世界にきたばかりなのだすぐに決める必要はない。自分で決めろ。マオ、しばらくほお主の家で面倒をみてやれ」

そう言ってルーナは愛瑠をマオに預け、マオの元で世話になることになり、愛瑠たちはルーナの家を出た。


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