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終末後の世界を旅しよう!  作者: エント
冒険者になろう
18/18

戦いの後に……

「皆さん無事に戻ってこれて良かったですね」

冒険者ギルドの一室ーギルドマスターの部屋で話し合う三人がいた。

一人はこの部屋の主たるギルドマスター。

ギルドマスターの側に立つ秘書の女性。

そして今回Dランク昇格試験の試験官を務めたスカイの姿があった。

「全くだ。ワームに出くわすなんざ想像もしてねぇよ」

ワームの足止めをしたスカイはワームに壁に叩きつけられるとそのまま意識を失い、ワームはスカイに止めを刺さずに洞窟から出ていってしまった。意識が戻った後でスカイは急いで外にでると洞窟の前でワームの死体の側に倒れる愛瑠たちを見つけ回収して戻ってきたのだ。

「しばらくは町で休ませてもらうよ」

「ええ、構いません。暫く休養して体の傷を直してください」

死にかけたスカイにギルドマスターは労いの言葉をかけた。しかしこれだけは聞く必要があるとギルドマスターはスカイに訊ねる。

「ですがその前にテイマーと名乗った男について聞かせてもらえますか」

その名に緊張が走る。

「ワーム……Cランクの魔物を従える人物」

「ああ、それだけじゃなく本人もそれなりの腕を持ってそうだった」

スカイの内容にやはりとギルドマスターは考える。

"スリーロード“が町に戻るとすぐに衛兵から連絡が入った。緊急事態でありギルドマスターが彼らに話を聞くとテイマーと名乗る人物が依頼の最中に襲ってきたとのことだった。さらに再生竜と名高いワームを使役していたと言うのにはギルドマスターも絶句した。急いで応援を呼び向かわせると帰還途中のスカイに出会ったのだった。

「最低でもBランク場合によってはAランクの可能性もありますか」

「そんな奴が野に隠れていたのか?」

スカイが疑問を口にする。

確かにそれは疑問であった。その事に秘書の女性が口を挟む。

「使役系の能力を持つだろう人物でこの大陸で当てはまるのは魔王くらいですが今回現れた人物とは見た目、特に大きさに差がありすぎます」

現在東大陸にいる魔王は皆巨体であるため今回の人物には当てはまらなかった。

「となると他の大陸からか」

「何が目的だろうな」

テイマーはこの町を滅ぼすためと言っていたが他にも理由はあるはずだとスカイは考える。

「ああ、とりあえずBランク冒険者チート"バテシバ“が戻っていますから彼らに周辺の捜索を頼みましょう」

「了解しました。すぐに用意いたします」

ギルドマスターの指示に女性は了解の意を告げる。そして女性は部屋を出た。

それを見た後ギルドマスターはスカイに問いかける。

「それでワームを殺ったのはどちらですか?」

スカイが洞窟から出た時にはワームは死んでいた。なら側にいたどちらかがやったのだろう。

「マオだな」

スカイが断言する。

「ワームにダメージを与えれるだけの火力があるのはマオくらいだったからな。それにワームは強い衝撃を受けたようだった」

「そうですか」

スカイの即答にギルドマスターは納得した。

「とは言えギリギリの戦いだったようだからCランクではなくDランクが妥当だと思うぞ」

するとスカイは先手をとってギルドマスターに伝える。一方でギルドマスターもそれがわかっていたようで異論を発しなかった。

「"スリーロード“にはEランク冒険者の資格を与えろ。ただあいつらはすぐにDランク昇格試験を受けさせて良いと判断している」

「わかりました。ではそうさせて貰いますよ」

「話はそれだけか?」

スカイの言葉にええ、とギルドマスターは返事をする。

「なら俺は帰る。後は任せた」

そう言ってすぐにスカイは部屋を出た。その後部屋からギルドマスターのすすり泣く声が聴こえたとか。

















愛瑠は真っ暗な世界にいた。

(ここはどこ? 体が異様に重い)

真っ暗な世界で体が何故か動かない愛瑠が混乱していると突然声が聞こえた。

「これを〇〇〇にあげます。大切に使ってください」

それは幼さのある高い声が聞こえる。

「これは?」

さらに男の声が響く。

「私の家族である貴方に身を守るための武器を与えると言ってるんです」

「これで貴女を守れば良いのですか?」

「違います! これで〇〇〇の身を守れと言ってるんですぅ!」

少女が怒ったような声をあげる。

(あ、怒られてる)

愛瑠は心で呟く。。

「だが〇〇。これは貴女を守るために存在するんですが…」

男の戸惑った様子にさらに怒った様子の少女は告げる。

「わ・た・しがそうせよと言ってるんですよ! 聞けないんですか」

「いや」

「ならしたがってください!」

「……了解した」

(仲が良いなぁ)

愛瑠はどうでも良いことを考える。

その男の言葉に満足した少女は告げる。

「では〇〇〇。貴方に教えてもらった刀と言うものに似せて作ったので大切に使ってくださいね」

「了解しました」

「その刀の名前は"()()“。〇〇〇と同じような色にしてみたわ」

(え? それってまさか……)

今聞き覚えのある名前を聞いた気がした。それについて聞こうと声をあげようとして愛瑠の意識が一気に浮上する。









目の前に知らない天井があった。

「……夢?」

体の動かない愛瑠は首だけを動かし回りをみる。

どうやらここは部屋の一室のようだった。回りの様子から病院のような雰囲気を感じた。

そして自分の眠るベッドの隣にマオが同じように寝ているのが見えた。

「そう……マオも無事だったんだね」

良かったと口からこぼれる。

夢のことを忘れ愛瑠は前の出来事を思い出そうとする。

「確か……洞窟でマオのために時間稼ぎをして…それから…そこで意識を失ったのか」

ワームは倒せたのだろう。愛瑠はそう考えた。

「……強くならないと」

愛瑠の口からこぼれる。

「今のままじゃいけない。もっと強くならないとまた同じようなことになる」

愛瑠はマオのためにもっと強くなる決意をする。

その決意は隣で寝ているマオ以外誰にも聞こえていなかった。


スカイ「マオだな」

ギルドマスター「そうですか」


違うンゴ (ヾ(´・ω・`)


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