柴田盟の気まぐれポエム
喧噪の町をさまよい、まるで枯渇した砂漠の上を歩いているような感じがする。
苦しい。
悲しい。
辛い。
死んでしまいたい。
私には心休まる場所がない。
そして海に辿り付き、眺めていたら、その答えを風が運んでくれたかのように教えてくれた。
じゃあ出来る所から一つずつやって、前に進もうよ。
出来る事って何?
何でも良いんだよ。君にはその足と手がある。
それで、今にも枯れそうな花に毎日お水を与えてごらん。
そんなの誰でも出来る事じゃん。
そう。誰でも出来る事が出来ないほど、君の心は疲弊している。
だから君がその誰でも出来る事が出来るようになったら、良いことが必ずあるって保証して上げるよ。
そして僕はベランダに咲いている枯れそうな花にお水を上げ、じっとその花を見て、何か気持ちよくなる。
その次の日も枯れそうなお花に水を与え、じっとその花を見つめた。
そしてその次の日もその次の日も。
そしてその枯れた花は少し潤ったと同時に僕の枯渇した心は、恵みの雨が降り注いだかのように潤い、気持ちよく、明日を見つめる強い心が芽生え始めてきた。
『やったね』
「君は誰なの」
『さあ、誰なんでしょう?』
「でもありがとう」
後に気が付いたんだけど僕の心を先導してくれたのは、今まで出会ってきた様々な人たちの声。
その中には良い人も意地悪な人も厳しい人も寂しい人もその他にも色々といたけれども、こうして頭の中身を空っぽにして、時を忘れて、風と音と、海の波風と、お日様の光を浴びて、それらすべて五感で感じた時に心に生じた思い。
その気持ちはとらわれた僕の心を解放してくれたんだ。